キャンピングカー
使い勝手に大きく影響する!!そのエントランスの位置は使いやすい?!

エントランスはなくてはならない要素の一つ。
バンコンやバスコンはベース車のボディをそのまま使うので場所を選ぶことはできないが、キャブコンの場合、側面の中央(センター)、後方寄り(リア)、ときには後面(背面)など、色々なバリエーションが存在する。
キャンピングカーのエントランスは単なる「扉」や「出入口」という意味以上に大切な装備だ。
家の玄関に相当するので、靴や服の着脱や収納をする場である。
室内へと上がる階段としての役割も持つ。
欧米人は家でも靴は脱がないしキャンピングカーも土足のままだが、日本人は居住空間と外との間に、ワンクッション、泥落としのための空間を挟むのをよしとする。
また、開口部でもあるから、壁面がその部分だけとぎれてしまうということでもある。
壁面は窓や家具の配置にも影響するするため、エントランスの位置はそうした設備との場所の取り合いにもなる。
レイアウトだけでなく使い勝手への影響も小さくない。
実は、欧米のキャンピングカーはエントランス位置にあまりバリエーションがない。
ボディのサイズに法律上制約が少ないこともあるが、前述のとおり、靴を脱ぐ習慣がないので「たたき」や「下駄箱」も不要。
必要なスペースが小さいことも理由のひとつかもしれない。
サイズに限らず、多くの制約を受けている国産車。
たくさんある条件をすべてクリアせねばならない中で、レイアウトを追求していることを考えると、モデルごとに「なぜそこがエントランスになったか」という視点で眺めてみるのもおもしろい。
以下に、代表的なエントランスの位置とメリット・デメリットを解説しよう。
センターエントランス(側面中央)

車の側面、ホイールベースの中間あたりにエントランスが位置するタイプ。
リアにベッド、運転席後ろにダイネットというレイアウトがほとんどだ。

もしもバンクベッド以外に常設ベッドが欲しいなら、ほぼこのタイプ以外に選択肢はない。
また、ベース車両にもよるが、ダイネットの大きさも決まってしまうため、ゆったり感にはやや欠けてしまう側面も。
側面中央にドアが来るので、同じ面の窓は小さくならざるを得ない。
次のページ▷ その他のパターンも紹介していこう
リアエントランス(側面後部)

側面の後部にキッチンなど水回りをレイアウトし、そこへエントランスを設けたタイプ。
キッチン回りと玄関ホールが「共用」できるのでスペース効率に優れる。

ダイネットとカウチソファがあるレイアウトが多く、ゆったりとした空間が欲しい人向けといえる。
両サイドに大きな窓を設けられて、開放感を得られるのも利点。
背面エントランス(後ろ面)

左右の壁面を自在に使えるのでスペース効率が一番いいのが背面エントランスだ。

サーフボードなどの長物が積み込みやすいのもメリット。
ただし、サイドオーニングの恩恵を受けることができない(※)ので、キャンプ地で荒天の場合はちょっと困る。
※サイドオーニングを取り付けることはもちろん可能。だが、ドアの上にはひさしが来ないことになるので、荒天時、ドアを開けるといきなり雨にあたってしまう。エントランス用の小さいオーニングをつければ解決できる。
エントランスのチェックポイント
エントランス、ひいては車内の動線は使い勝手を大きく左右するポイントだ。
位置だけでなく、その機能についてもよくチェックしておきたい。
例えば、
◎子供やペットが一緒→ エントランスの床は汚れやすい → 床がFRP製で掃除しやすく
◎人数(靴)が多い・趣味の道具で汚れものを持ち込む → エントランス周辺の収納力は充分か・掃除しやすい素材か
◎犬連れ・汚れやすい趣味(泥汚れなど) →エントランス付近に水回りはあるか・外部シャワーはあるか
などなどである。
たかがエントランス、されどエントランス。
使う場面をイメージして検討したいものである。