実際バスコンタイプのキャンピングカーってどうなの?
キャンピングカーユーザーの間でよく聞かれるのが「いつかはバスコン」という言葉。
もちろん、憧れをもって口にする言葉なのだが、ではバスコン=バスをベースにしたキャンピングカーとは、どんなものだろうか。
広さと高い走行性能を両立!
ベースとなるバスは、ほとんどがマイクロバスである(一部中型バスベースもある)。
さらに、バスのボディをそのまま使うものと、ボディをカットし居室を載せた(セミフルコンという呼び名もある)タイプとに分けられるが、今回は概論としてマイクロバスベース全般についてお話ししよう。
キャンピングカーのベース車はほとんどがトラックやバンといった貨物を運ぶ車である。貨物車や商用車にとって大切なことは、
・経済性(価格の安さ。燃費の良さ)
・耐久性
・容積(どれだけ積めるか)
であって、決して乗り心地ではない。
美術品を運ぶような専用車両ならともかく、荷物は乗り心地が多少悪くても文句は言わない。
それに引き換え、バスは人を運ぶ車である。当然、乗り心地への配慮もされている。
また、エンジンの排気量も大きく、動力性能にも余裕がある。そしてなにより、サイズが大きい。
こうした特徴を考え合わせると、キャンピングカーとしてどちらが快適か、考えるまでもなかろう。
さらに言えば「サイズが大きい割に小回りが利く」という利点もある。
例えば、トヨタ・コースター(標準ボディ)の最小回転半径は5.5m。つい、その大きな見た目に惑わされるが、この数値はトヨタ・アルファードの5.6mよりも小さいのだ。
居室の広さだけを見れば、輸入車にもっと大きなものもある。だが、旅先でトラブルに遭っても修理対応が受けやすいのは、国産車ならでは、といえるだろう。
弱点はある?
大きくて、パワーがあって、乗り心地がいい。その分車両が高価なのは仕方がないとして、そのほかにバスコンの弱点はあるだろうか?
税金の問題
バスは排気量に関係なく、乗車人数に応じて自動車税が決まる。
三菱・ローザを除けば4000cc超のエンジンが搭載されている。
ところがキャンピングカーの自動車税は排気量によって決まるので、4000cc超だと自動車税がやや割高になる。ランニングコストを考える上で、税金は弱点といえるだろう。
パーツ類が高い
意外なことに部品類がやや高価だ。バスも業務用であるから=高耐久性が基本ではある。が、商用車や貨物車よりも生産台数が少ないという事情もある。
そのため、いざ故障した場合のパーツ代はワンボックスカーなどより高いと思っておいた方がいい。
置き場所をどうするか
車両が大きい時点で、置き場所問題はついて回る。車幅は2.1mとキャブコンとさして変わらないが、全長は6m超だ。
保管場所(利便性とコスト面)、旅先での停泊場所はしっかり考える必要があるだろう。
維持費が少々かかるとはいえ、余裕の室内空間と高い走行性能は魅力的である。国産キャンピングカー乗りが口々に「いつかは…」と憧れを口にするのもよくわかる。
バスコンは国産キャンピングカーの最高峰であることは間違いないのである。