『NV350キャラバンマルチベッド』は初めての車中泊車にもおすすめ!試乗した感想や装備を紹介
車中泊をしたい。キャンプや釣りやサーフィンなどアウトドアレジャーにも出かけたい。でも、仕事での移動や家族で買い物に行ったりと、日常使いもしたい。
そんなユーザーの選択肢として紹介したいのが、日産自動車グループのオーテックジャパンが9月24日に発表し、全国の日産ディーラーを通じて販売する『NV350キャラバンマルチベッド』だ。
今回は茅ケ崎にあるオーテックジャパンに行って、NV350キャラバンマルチベッドについて取材、試乗をしてきた。
オーテックジャパンについて
NV350キャラバンマルチベッドの紹介の前に、この車のプロデュースを行ったオーテックジャパンについて紹介する。
オーテックジャパンは、「大企業である日産では難しい、趣味性の高いコンプリートカーやカスタマイズカーなどを手掛ける部門」として1986年に設立された。
現在は日産各車に設定されるスポーティなNISMOやシックなAUTECH、ファッショナブルなボレロ、ライフケアビークルと呼ばれる福祉車両などの開発や生産を担当し、ここで紹介するNV350キャラバンのほか、NV200バネットとセレナにも設定されている車中泊も含めたアウトドアにも便利なマルチベッドシリーズのプロデュースも行っている。
コンセプト
NV350キャラバンマルチベッドのコンセプトは、「仕事や移動などの日常使いにも適したアウトドア&車中泊仕様のワンボックスカー」といったところか。
ベースとなっているのはNV350キャラバンの最上級グレードとなるプレミアムGX系で、使いやすい4ナンバーボディだ。
自分の持っている車を「車中泊仕様」にカスタムしたいという際には、ベース車のローンが残っていれば、改造費と二系統のローンになる可能性がある。
また、キャンピングカーの場合には、車検など車体の整備はディーラーまたは整備工場で、内装や設備のメンテナンスはビルダーでと、別々に依頼しなければならないケースもあるだろう。
それに対しNV350キャラバンマルチベッドは日産ディーラーが販売し、クルマ全体の整備までワンストップで担う。
そのため、購入、ローンを含めた支払い、整備といったクルマに纏わる全ての動きが日産ディーラーだけで済むのだ。
この点にメリットを感じるユーザーもいるに違いない。
5人乗りとなるNV350キャラバンマルチベッドのキャビン後方のラゲッジスペースに標準状態で架装される装備は、フローリングフロア、ベッド機能、ベッド中央の2枚のボードを外した際のベンチ機能と多くはない。
しかし、だからこそ普段は荷物の運搬や移動で使ったり、休日には車中泊をしながらアウトドア活動したりと、自由度の高い使い方ができる。
トイレやシンクなどの大物装備がユーザーによっては「必ずしも必要ではない」ということを考えると、こういったスタイルがあるのも歓迎すべき選択肢ではないだろうか。
NV350キャラバンマルチベッドには、メーカーオプションとして、着脱式テーブルや衣類を掛けるなど便利に使えるサイドマルチバイプラック。
オグショーが用意するバックドアテント&タープや、アミエースという商品名の網戸。
また、納車後でも購入できるディーラーオプションのプライバシーシェードやカーテンなどが用意される。
さらに純正以外のアフターパーツも駆使すれば、自分流のキャラバンマルチベッドを造っていくことが可能なのもうれしいところだ。
次に、実際に使ってみた印象も交えながら、NV350キャラバンマルチベッドに架装される装備を紹介していこう。
NV350キャラバンマルチベッドの装備
まず左右のどちらか片方だけを立てることが可能なベンチは、適切な着座位置かつ座り心地が良好。
使い方も、ベンチを立てる際はレバーを引くだけ。収納する時はベルトで固定するだけとシンプルだ。
撮影車はメーカーオプションの脱着式テーブルが装備されていた。
こちらの設置は支柱を回してフロアに固定し、天板を支柱に装着するだけ。高さ調節も可能だ。
天板の装着には少しコツがいるが、慣れてしまえば問題なさそうだ。
左右のベンチを設置した状態でボード2枚を中央に加えると、ベッド機能が完成する。
寝心地はこのままでも問題ないが、マットがあればなおよく眠れるだろう。
ちなみに、ベッド機能に脱着式テーブルを組み合わせると、コタツのように胡坐をかいてテーブルを活用するという使い方もできる。
そして、ベッド下は収納スペースとして使え、相当の荷物が入るのもうれしいポイントだ。
なお、ベッド状態の前後長は1760mm。
就寝時の長さが足りないという場合には、2列目シートを前方に倒し、さらに拡張することも可能。マットやクッションなどで高さを合わせれば段差も気にならないだろう。
また、2列目といえば、NV350キャラバンのプレミアムGX系の2列目シートは、シート自体を左右分割で前方にゴロリと倒すこともできる。
スライドドアから、自由な空間となるラゲッジスペースにアクセスしやすいのも有難いところだ。
まとめ
NV350キャラバンマルチベッドには、2リッターガソリンと2.5リッターディーゼルターボの2WD、2.5リッターディーゼルターボの4WDという3つのパワートレーンが設定されている。
価格はそれぞれベース車の44万円高となる340万3400円、400万9500円、432万3000円と、内容を考えれば納得できるものと言えるだろう。
最後に、撮影も含め久しぶりにNV350キャラバンに乗った印象を書くと、撮影車は2リッターガソリンの2WDだったのが、市街地を中心に3人乗りで行った移動中もパワー不足はなく、商用車ながら乗り心地も良好と、なかなか好印象だった。
それだけに、王者ハイエースに比べると地味な存在が否めないNV350キャラバンながら、ハイエースに対し決して劣った車ではないと思うので、遊びや仕事さらに日常使いと、マルチに使える車を探している方は、ぜひ『NV350キャラバンマルチベッド』を候補に入れてほしい。
NV350キャラバンマルチベッド
ビルダー:オーテックジャパン
タイプ:マルチベッド
ベース車両:プレミアムGX
価格:¥3,094,000(税抜)〜
乗車人数:5名
全長:4695mm
全幅:1695mm
全高:1990mm
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