キャンピングカー
トレーラーをけん引するためにポルシェを改造してみた。その理由は?

念願のキャンピングトレーラー・エアストリームを入手してから、ひと夏が過ぎ、9か月が経ちました。
ここまで、想像以上に充実の日々を過ごしています。
とはいえ、何かと不便・不安を感じることもありました。
ただ、キャンピングトレーラー(以下トレーラー)旅は、なんとも魅惑的な時間であり、唯一無二、格別なものであるのは間違いないと感じているので、これからの人生を、このトレーラーと共に過ごしたいと真剣に思っています。
そこでさらに踏み込んで、トレーラーの旅をもっと楽しむためにはどうすれば良いのか、いろいろと計画してみました。
題して、トレーラー旅を10倍楽しむプロジェクト。
その第1弾としてトレーラーを引っ張るヘッド車(けん引車)の改造を実施。
なぜ、どこを改造?結果は?といったところを紹介したいと思います。

もっと楽しむために今後やりたいこと。
私のキャンピングトレーラーは、米国エアストリーム社のもの。
エアストリームの歴史は古く、創業は1936年。
いまだに基本的なフォルムを変えていない唯一無二の存在です。
エアストリームの魅力といえば、なによりまずデザインでしょう。
独特の銀色の鏡のような外装と独特の曲線ボディは、実物を見たことはなくても旧い外国の映画などで目にした記憶があるという方も多いのではないでしょうか。
深夜の高速道路をゆっくり目的地に向かっているときに、バックミラー越しに見る銀色のボディにオレンジ色の車幅灯が反射して、幻想的な雰囲気を醸しだします。
こんなシーン一つだけでも「エアストリームにしてよかった」と心底思います。
エアストリームでトレーラー旅に出かければ出かけるほど、どんどんエアストリームの魅力にはまっていく私。
そうなるとあれもやりたいこれもやりたいと、次々に新たな望みが浮かんできます。
まず、一つ目のテーマは、トレーラー本体のメンテナンス&機器類のアップデート。
USEDのエアストリームを購入したので、修理したいところがたくさんあります。
冷蔵庫などの機器も買い替えたいですし、電源システムも見直したいです。
いちばん頭が痛いのは雨漏りです。
これは早いうちに処置しないといけません。
二つ目のテーマは、運転テクニックを向上することです。
かなり、自在に扱えるようになったのですが、毎日乗っているわけではないので成長が遅い!
なんとか集中して特訓する日を作って絶対的な自信を持てるまで練習を積みたいと思います。

そして最後のテーマは、トレーラー旅のための拠点を作ることです。
この場合の「拠点」は、全国を巡る際のホームグラウンドとなるお気に入りのRVパークを見つけるということと、メンテナンスや修理ができる自前のガレージを設けるという2つを指します。
しかし、その前にヘッド車が心配。

私のヘッド車(けん引車)は、トレーラーを購入する以前からずっと乗っていたSUVのポルシェカイエン(2014年式ハイブリッド、走行9万キロ超)です。
パワーもソコソコ、かつ制動力に余裕があって、4WDで車重(2.3t)も十分、荷台スペースも大きめで、燃費は高速道路走行なら12キロから13キロ。
距離はけっこう走っていますがまだまだ現役。
ヘッド車としてこのままでアリだろうと思えました。
何より、ここまで長く乗り続けている思い入れのある愛車ですから、乗り続けたいという気持ちが強かったです。
しかし、実際にトレーラーを引っ張ってみると心配な点も出てきました。
ボディ剛性です。
エアストリームの車重は装備品を少なめにしても、ざっと2,000㎏超。さらにトレーラーとヘッド車をつなぐヒッチメンバーへの垂直荷重も200㎏超。
ヒッチメンバー単体でも23㎏ほどあります。
トレーラーをけん引中のカイエンには、これらの荷重が常にかかっているのですから、いくら頑丈なドイツ車のポルシェといえども、ヘッド車への負担は相当なものです。
実際にけん引していてブレーキをかけると、後輪にトレーラーがのしかかってくるような感じがしていました。
次のページ⇨ ヘッド車にロールケージを装着します!
ヘッド車にロールケージを装着!
そこで、トレーラー本体のメンテの前に、まずヘッド車のチューンナップを敢行!
具体的にはロールケージを装着しました。
ロールケージを取り付ければ、ポルシェカイエンのボディ剛性をアップさせられると思ったからです。

ちなみにロールケージというのは、ご存じの方もいると思いますが、一応説明すると「ボディを補強し、万が一の事故などによるボディの変形から乗員を保護するため車内に張り巡らせるパイプフレーム」。
よくラリー車などの車内に付けられているパイプのことです。

ロールケージは、ヒッチメンバーの取り付け位置の上部を補強するように鉄のプレートを溶接して固めます。

そこからクロモリ合金のパイプを天井伝いにBピラーからAピラー、そしてフロントのタイヤハウスの付け根までつないで固定しています。
で、取り付けてみてどうだったか。結論から言うと大正解。
けん引時の効果は絶大で、今までのような後輪にトレーラーがのしかかった感じと、さらに言えば前輪の接地感が薄く頼りない感じが消え去りました。
もちろん、けん引していない時のドライブフィーリングも大きく向上しています。
剛性は体感的に言えば2倍は上がった感覚です。
特にブレーキング時の四輪が同時に沈む感じ、制動距離の短縮度合、車線変更やコーナリング初期の姿勢の決まり方はすごく気持ちよく、これまでとは違う次元の走りで本当に感激します。
さらに、効き目だけでなく見た目の仕上がりも「純正か」と思わせるほどのしっくり感。
国内随一の呼び声も高い、斎藤ロールケージ社に依頼して製作してもらった6点式、斜交バー仕様のロールケージに大満足です。
ちなみに納期はフルオーダーで2週間。
金額は税込みで49万円でした。
斎藤ロールケージ社に、ポルシェカイエンのロールケージを特注したのは、私が初めてだそうです。

まとめ ~手がかかるからこそ魅力的~
私のキャンピングトレーラー・エアストリームは、独特のデザインや、居住性の良さが大きな魅力です。
ですが、キャンピングトレーラーを購入後、数カ月使ってみて、トレーラー旅の魅力とは不自由さにもある、と気付きました。
けん引時の運転はややこしいし、駐車スペースを探すのも一苦労。
USEDのトレーラーを輸入したので、設備の不具合も出ています。
これらを少しずつ克服していくことが、逆に楽しいしおもしろい。
手がかかるからこその魅力を、これからも味わっていこうと思っています。