【2025年、新モデル取材】大人5名就寝!家族向け!デュカトベースのキャンピングカー!トイファクトリー・ gioia(ジョイア)

2023年から日本への正規輸入が開始されたフィアット・デュカト。
翌年の24年からはキャンピングビルダー各社が正規輸入デュカトをベースにした国内製作のキャンピングカーを続々と発売してきました。
デュカトの正規輸入代理店の一つでもあり、国内大手キャンピングビルダーでもあるトイファクトリーもこれまで、DA VINCIシリーズ、Euro BADEN、Origin、VANLIFEと、すでに複数のデュカトベースのキャンピングカーをリリースしてきました。
その最新作となるのが、 2025年1月31日(金)~2月3日(月)に開催されたジャパンキャンピングカーショー2025でデビューとなった gioia(ジョイア)。
幕張メッセの会場で、展示されている実車を見ながらトイファクトリー販促企画推進室の和田 長さん(以下、和田さん)にお話を聞くことができました。
ファミリー向け。5人乗車、5人就寝がいちばんの特徴

gioia(ジョイア)は、広々とした居住空間を最大限に活かし、5名乗車・5名就寝を実現。
正規輸入デュカトをベースに、日本のファミリーに向けて最適化された最新モデルです。
「gioia」はイタリア語で「喜び」を意味します。
その名の通り、家族全員が笑顔になれる空間を追求。
快適で洗練された内装に加え、トイファクトリーが製作するデュカトのキャンピングカー史上最大のベッド面積を誇る設計が特長です。
「これまでトイファクトリーでは、正規輸入デュカトをベース車としたキャンピングカーをいくつも製作してきましたが、就寝人数がもっと多いモデルが欲しいという家族連れのお客様からの声が多くありました。その要望に応えたのがジョイアです」(和田さん)
トイファクトリーが製作している既存のデュカトのキャンピングカーでは、ユーロバーデンが6人乗車4人就寝で最多人数でした。
「5人乗車で5人就寝できるデュカトベースの国内ビルダー製作モデルは日本初です」(和田さん)
gioia(ジョイア)
ベース車両:FIAT DUCATO(L2H2 日本仕様車 右ハンドル)
全長:5,410mm
全幅:2,100mm
全高:2,525mm
室内高:1,880mm
乗車定員:5名
就寝人数:5名
ナンバー:8ナンバー
エンジン:直列4気筒 MultiJet3ディーゼルインタークーラー付 ターボ(2,184cc)
最高出力/トルク:180hp(132kw)3,500rpm / 450Nm 1,500rpm
トランスミッション:トルクコンバーター式9速AT /2WD(前輪駆動)
価格:12,980,000円~(消費税込/諸費用別)
外観はほぼベースのデュカトと変わらず

フィアット・デュカトは欧州で、キャンピングカーのベース車両として7割を超えるシェアを誇っています。
ジョイアのベース車となっているのは正規輸入デュカトのL2H2というモデル。
日本国内に正規輸入されているデュカトはサイズ別で、
L2H2(標準ボディ):全長5,410mm×全幅2,100mm×全高2,525mm
L3H2(ロングボディ):全長5,995mm×全幅2,150mm×全高2,525mm
L3H3:全長5,995mm×全幅2,100mm×全高2,765mm
の3タイプがありますが、ジョイアのベースはその中でいちばん小さなサイズです。
今回発売されたジョイアを初め、正規輸入デュカトをベースとした国内製作のキャンピングカーはどれも外装には手を加えないバンコンタイプ。
したがって、ジョイアの車両サイズもL2H2のままとなっています。

展示車には車体後部に専用の大きなデカール(ロゴのシール)が貼られていて、精悍な外観になっていました。
また、ボディの見えない部分ですが、ジョイアには断熱処理がしっかり施されています。

トイファクトリーは創業以来、キャンピングカーの断熱処理にこだわり続けているビルダー。
他のトイファクトリーのデュカトベースのモデルと同様に、JAXA開発のH-Ⅱロケットに使用する断熱セラミック材をボディ内部の天井・壁面・床に約0.8mm塗装。
天井と壁面には結露防止のため高断熱ウール。
さらに、ドイツ大手モーターホームメーカーでも採用されている、内側に「発泡ボード層」を取り入れたインシュレーションウォールも施工するという徹底ぶり。
「遮熱効果」「断熱効果」に加え、車内からの熱放出を押さえる「保温効果」も望めます。
広々として使い勝手のよい室内
ダイネット(リビング)はデュカトの定番である回転式の運転席・助手席とセカンドシートが対面するタイプ。
入り口から見てダイネットテーブルの奥にキッチン。
後部にジョイアの特徴である広いベッドというレイアウト。

トイレなどを設置するマルチルームがなく、室内高が1,880mmもあるため室内全体が広々とした印象でした。
そして室内カラーが選べるのもジョイアの特徴の一つ。

「ウッドをふんだんに使ったナチュラルウッドとシャープで明るい印象のホワイトグリーンから選べるようになっています」(和田さん)
電子レンジが標準装備のキッチン

シンクはガラスの上蓋式のステンレス製。
その右にはこれも上蓋式の冷蔵庫(40リットル)が収められています。

上蓋を閉じているときはカウンターテーブルや調理台として活用できます。

シンク下には給排水タンク(各13リットル)。
冷蔵庫側の頭上には電子レンジが標準装備。
コンロはありませんが、必要な際は家庭用のカセットコンロを持ち込めばいいでしょう。
頭上やベッド下に収納スペース

ジョイアには室内各所に収納スペースが設けられています。
いちばん広いのは運転席と助手席の頭上にあるオーバーヘッドコンソール。
寝袋やマット、クッションなどの寝具を置いておくのに便利な収納です。

そのほかキッチン上とベッドスペースの上部左右に収納ボックスと収納棚。

ベッド下の左右両脇にもオープンタイプの収納棚があります。
さらに下段ベッド下も収納スペースとして利用可能。
ここには釣り竿などの長尺物も積んでおけます。
大人5人がどうやって寝るのか

ジョイアは、走行時は運転席と助手席に各1人、セカンドシートに3人で5人乗車。
就寝時は後部のベッドで5人が寝られるようになっています。

まずセカンドシートをフラットにして下段ベッドとつなげて縦に2人が就寝。
上段ベッドには横向きに3人が就寝します。
ベッドサイズは下段が幅1,200mm×長さ1,910mm。オプションの延長マットを付ければ長さは2,380mmまで延ばせます。
上段は左右が1,900mmで縦が1,550mm。
どちらのベッドも190cm以上あるので、よほど高身長な人でない限り、余裕で寝られるサイズです。
上下にこれだけ広いベッドが備わっていると、大人5人が就寝できるし、例えば大人2人と子ども2~3人なら余裕をもって寝られると感じました。
家庭用エアコンやFFヒーター、天井換気扇も選べる

ジョイアは空調関連のオプションも充実。
今やキャンピングカーに欠かせない装備の家庭用エアコンや冬期の暖房として定番のFFヒーター、さらには大型ルーフベンチレーター MAXXFAN(天井換気扇)が選べます。

またこれらを稼働させる電装類は、正弦波インバーター(1500W)/ディープサイクル サブバッテリー(100Ah ×2)が標準装備。
電源を強化したい場合はオプションで、サブバッテリーをSUPER B(スーパービー)(150Ah)にできます。
そのほかの装備もいろいろ

ここまでで紹介した装備のほか、エントランスバグネット(蚊帳)、エントランスの電動ステップ、デュストロシステム(走行充電/外部充電/外部100V入力のセット)、100Vコンセント(2口×4)/USBポート(2口×4)が標準装備。
さらに、サイドオーニング、19インチTVシステム、RECAROシートなどがオプション装備として用意されています。
国内ビルダー最大手・トイファクトリーが製作・販売
前述した通り、ジョイアはトイファクトリーが企画・製作・販売。
トイファクトリーは岐阜県可児市に本社を置く、ハイエースベースのキャンピングカー製造台数が国内首位と言われるキャンピングカービルダーです。
ハイエースベースのモデルを初め、2022年9月にはステランティスジャパンとフィアットプロフェッショナル正規ディーラー契約を締結し、2023年からはフィアット・デュカトをベース車両としたキャンピングカーも製造・販売。
また、昨年(2024年)からはヨーロッパ有力メーカー・ブランドのキャンピングカーを正規輸入しています。