知識
2年間のバンライフで実証!キャンピングカーの湿気対策と結露防止術

私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを2年以上旅しています。
広大な大地を自由に走り回る一方で、キャンピングカーならではの悩みにもいくつか直面しました。
その中でも特に厄介だったのが湿気による「結露」です。
寒冷地や梅雨のような湿度の高いエリアを旅していると、車内はどうしてもカビや結露が発生しやすくなります。
空気がジメジメして不快になるだけでなく、最悪の場合、装備や内装の劣化や故障の原因になってしまうので、注意しなければなりません。
そこで今回は、私たちが実際に行なっている「結露対策」についてご紹介します。
2年以上のバンライフ経験で得た、清潔で快適な車内を保つコツを、ぜひ参考にしてみてください。
ヨーロッパの冬は長くジメジメしており、キャンピングカーでは”湿気との戦い”!

私たち夫婦はキャンピングカーで暮らしながらヨーロッパを周遊し、車内でリモートワークをしながら各国を巡ってきました。
旅を始めてからこれまでに、17カ国を訪れることができました。
バンライフは自由で素晴らしい暮らしですが、特に冬のヨーロッパでは湿気との戦いが本当に厄介です。
日本の冬は比較的カラッと乾燥する地域が多いのに対して、ヨーロッパの冬は湿度が高く、空気が常にジメジメしています。
そのため、結露やカビが発生しやすくなります。
さらに、冬は日照時間が短く、雨や曇り、霧の日が続くため、全体的にどんよりした印象。
そんな環境では、キャンピングカーの狭い車内で湿気がこもり、結露が窓や壁にびっしり。
そのまま放置すれば、カビが繁殖しやすくなってしまいます。
実際、私たちも「衣類棚の奥がカビている!?」というトラブルにも直面したことがありました。
結露を甘く見ると、車内の装備や内装の劣化だけでなく、健康への影響も無視できません。
だからこそ、長期間にわたって快適に旅を続けるためには、結露対策が不可欠。
この2年間、私たちもさまざまな工夫と試行錯誤を重ねながら、実践してきました。
結露によって起こりうるトラブル
カビや腐敗の発生

車内に湿気がこもって結露が発生すると、カビの繁殖が起こりやすくなります。
布製品や木材、カーペット、カーテン、クッションなど、さまざまな素材にカビが生え、見た目が悪くなるだけでなく、健康への悪影響も心配です。
特に注意が必要なのは、冷気や湿気が溜まりやすい「上棚の奥」や「トランクルーム」。
こうした場所は、空気が滞留しやすく、カビの温床になりがちです。
実際に私たちも、冬のあいだ使わずにトランクルームに収納していたアウトドア用チェアを、久しぶりに出してみたところ…なんと背もたれがカビでびっしり!
見た瞬間は本当にゾッとしました。
電気機器や配線の故障

結露の影響は、ノートパソコンやスマートフォンといった電気機器だけにとどまりません。
車内のバッテリーや照明などの電装系全般にも影響を及ぼす恐れがあります。
結露が電気回路や配線に入り込むと、ショートや腐食が進み、最悪の場合は故障や火災のリスクが高まることも。
実際に私たちも、結露が原因で配線の接触不良を引き起こした経験があります。
なかなか目に見えない場所だからこそ、定期的な点検が重要です。
内装やシートの劣化

キャンピングカーの内装や家具には、木材や合成シートが多く使われています。
そのため、床や壁に湿気が浸透すると、色あせやシワ、反り、ゆがみといった劣化が起こりやすくなります。
さらに状態が進むと、ヒビ割れや破損など、深刻なダメージにつながることも。
実際に私たちのキャンピングカーでも、暗く湿気がこもりやすいトランクルームの壁が波打ってブヨブヨになってしまったことがありました。
こうなると、修復に手間もコストがかかるため、早めの対策が大切です。
サビや腐食

車内と外気の温度差が大きいと、窓やドアに結露が発生しやすくなります。
この結露が繰り返されると、窓枠やドア枠、金属パーツの錆びや腐食が進行してしまうことも。
見た目が悪くなるだけでなく、パーツの劣化による隙間風の発生や、断熱性能の低下といった実用面の問題も引き起こします。
臭いや身体への被害
湿気が多いと、車内にジメッとした臭いやカビ臭が漂うことがあります。
特に梅雨の時期や冬場など、湿気によって繁殖したカビやダニを放置していると、その微粒子が空気中に舞い上がり、アレルギー症状や呼吸器トラブルの原因に。
快適さだけでなく、健康を守るためにもしっかりとした対策が重要です。
キャンピングカーの結露対策
換気を徹底する

結露対策の基本は、とにかくこまめな換気です。
特に、湿気がこもりやすいのは、料理をしたあとやシャワーを使ったあと。
私たちは、換気扇をまわしながら窓を1時間ほど開けて空気の入れ替えをしています。
また、冬の寒い日でも日中はなるべく定期的に窓を開けて換気。
就寝中の呼吸でも結露は発生するため、朝起きたらまず窓を開けて、空気の流れをつくるように心がけています。

とはいえ、窓を開けっぱなしにしていると車内が冷えてしまうので、最低でも1日2回、短時間でも良いので空気を循環させています。
これからキャンピングカーの購入を検討している方は、窓の多い車種や、天窓・換気扇つきのモデルを選ぶと、換気がしやすく快適に過ごせます。
こまめに乾いた布で拭き取る

どんなに気をつけていても、結露は必ず発生してしまいます。
だからこそ、こまめに水分を拭き取ることが大切です。
特に注意したいのが、窓まわりのゴムパッキン部分!
ここは水滴が溜まりやすく、放っておくとカビが生えたり、劣化の原因になってしまいます。
見つけたら、丁寧に拭き取るようにしています。
また、意外と見落としがちなのが棚の中!
特に上段の棚の奥は冷気がこもりやすく、結露が発生しやすいです。
定期的に棚の中のものをすべて取り出し、乾いた布でこまめに拭き取り、しっかり換気することが予防につながります。
除湿剤を活用する
市販の除湿剤は、湿気を吸い取るためのさまざまな種類があり、とても効果的。
とくに、収納棚やクローゼット、ベッド下などのこもりやすい場所に設置しています。
ハンガーに掛けるタイプや置き型、シートタイプなど、形状やサイズも豊富なので、使う場所や目的に合わせて使い分けるのがポイントです。
また、吸湿剤は湿気を吸いすぎると効果が薄れてしまうため、定期的な交換が大切。
場所によっては、ほんの数日で驚くほど水分を吸収していることもあるので、しっかりと効果を実感できます。
さらに、脱臭機能付きの除湿剤を選べば、湿気と一緒に気になるニオイも取り除けるので一石二鳥で、とてもおすすめです。
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ヒーターを活用して車内の温度管理

ファンヒーターやFFヒーターをうまく使って車内をしっかり温めることで、空気が乾燥しやすくなり、結露の発生を抑える効果があります。
さらに、窓やドアからの冷気を防ぐ工夫もポイント。
断熱材や厚手のカーテン、サンシェードを使えば、外気の影響を抑えて室温を安定させることができます。
私たちは、ガスボイラー式のヒーターをメインに使い、外部電源が利用できる場所ではセラミックファンヒーターを併用しています。
特に寒さが厳しい地域では、外部電源が利用できるRVパークを選ぶことで、安心して暖房設備を稼働させることができるのでおすすめです。
定期的に太陽に当てる

天気のいい日には、クッションやソファー、寝具類などを外に出して、太陽の光をしっかり浴びせるようにしています。
車内で使っている布製品は、知らないうちに湿気を吸っているもの。
こまめに外に出して乾燥させることが大切です。
太陽の光には、湿気を飛ばすだけでなく、ダニやカビの繁殖を抑える効果もあります。
さらに、紫外線による殺菌作用もあるため、寝具などを清潔に保つうえでとても効果的です。
ふかふか感も戻って、気分までリフレッシュ!
まとめ

湿気は、気づかないうちに車内の快適性や装備の状態、健康にまで影響を及ぼす厄介な存在です。
だからこそ、日頃から意識してこまめに対策をとることがとても大切です。
キャンピングカーでの暮らしは、季節や地域によってさまざまな悩みがつきもの。
湿気だけでなく、気温差や乾燥、虫、結露、雪、雨、暑さ…といった環境要因にも注意を払いながら、柔軟に対策をとることが、快適な旅につながります。
ほんの少しの工夫と対策を積み重ねることで、トラブルを未然に防ぎ、快適で長く愛せるキャンピングカーライフが実現できます。
自然の変化とうまく付き合いながら、楽しい旅を満喫してください。