災害時に役立つ車中泊仕様車・キャンピングカーの備えと心構え【非常食と水の選び方ガイド】
目次
ローリングストックのすすめ
美味しさと実用性を兼ね備えたローリングストック
常温で長期間安全に保存できることは備蓄品として重要なことだ。
しかし、長期保存の効く食品もペットボトル入りの水も賞味期限(美味しくいただける期限)や消費期限(安全に食べられる期限)がある。
ずっと車内に保管したままでは、これらを超えてしまう可能性がある。
賞味期限や消費期限を超える前に消費(食べたり飲んだり)し、消費した分を入れ替えるというローリングストック(循環備蓄)を心掛けることが大切だ。
しかし、名指しで悪いが、例えば昔から保存食として定番のカンパンを不味くて食べられないとは言わないまでも、消費期限が迫ってきても私は進んで食べたいとは思わない(カンパンが好きな人もいると思うので、これはあくまで私の個人的な話ではあるが)。
切羽詰まると腹が満たされるだけで良いことにもなるが、美味しくいただいた方が元気が出るのも確かだと思う。
そういった意味でも、緊急時でもなければ食べたくもないようなものを蓄えておくより、多少賞味期限や消費期限が短くても美味しくいただけるものを古くならないうちに回転させながら蓄えておくローリングストックという考え方は理にかなっていると思う。
小振りな容器を車内に常備する工夫
普段車中泊する際に全て外食で済ます人は別として、車内に調味料や油などを備えている人は多いと思う。
美味しくいただく上で、これらも重要だ。
サラダ油をパンや魚などにかけても特に美味しくなると私は思わないが、パンにオリーブオイルをかけてほんの少し塩を振れば、少しパサついたパンも美味しくいただける。
バターの代わりのような意味合いにもなるが、バターは常温保存ができないという意味でバターよりオリーブオイルの方が非常時の備えに向いていることになる。
また、スーパーのお惣菜コーナーの焼き魚もそのまま食べるより少しオリーブオイルをかけた方が断然美味しくなる。
もちろん焼き物をする際にも使え、このようにあるとないとでは大違いになることの多いオリーブオイルは私にとってはマルチプレイヤー的な存在で、必需品の一つだ。
また、パルメザンなどの粉チーズは常温保存ができるものが多く、味が何か物足りないような時などに大変重宝する。
塩と醤油も当然基本中の基本だ。
ということで、私はオリーブオイル・粉チーズ・塩・醤油の4点を最低限の常備品としている。
そして、以前私は車中泊やキャンプをする際にはこれらを小さな容器に移し替えて携行していた。
これはごく一般的な方法だと思う。
しかし、こういったものは開封しなければ保存できる期間が比較的長いが、塩以外は一旦開封してしまうと酸化したり風味が落ちたりカビが生えてしまったりする。
といって、出かける度に毎度入れ替えるのも面倒なばかりか、災害時の備えとして頻繁に中身を入れ替えておくなどといったマメさなど到底私にはない。
また、マヨネーズはカロリーが高く、山で遭難した際にマヨネーズを舐めて生き延びた例などもあるし、嫌いでなければだが、白いご飯やパスタやクラッカー、ツナなどの素材缶類や野菜類などはマヨネーズがあれば「なんとかなってしまう」ことが多く、マヨネーズも非常食としても大変便利だ。
しかし、未開封ならマヨネーズも常温保存が可能だが、開封後は要冷蔵だ。
そこで、ある時小さな容器に移し替えるより、醤油もオリーブオイルもマヨネーズも元々小振りな容器に入ったものを車内に常備しておけば良いのだと気がついた。
そして、普段の車中泊でも未開封のこういった小振りな容器入りを使い、家に帰ったら残りは普通に家で使い切り、車内備蓄品はその都度新品に入れ替えておけば良いのだ。
これなら少々ズボラな私にもできることで、こういった循環もローリングストックの一種だ。
小さな容器入りは価格的に割高にはなるが、美味しくいただけて安全性も高く、無駄を減らすことができる(食品ロスを防ぐことになる)と考えると、これはむしろ効率の高い方法だと思う。
醤油やマヨネーズは使い切りの小袋入りやスティックタイプもあるので、そういったものを活用するのも良いと思う。
しかし、小さい容器入りは「開封した後は家で消費」を習慣にしてしまえば良いが、小袋入りやスティックタイプは使わずに長期間使わずに置いたままになる可能性が高くなってしまう。
やはり私は小さな容器入りのローリングストックの方が良い(少なくとも私の性格にはその方が合っている)と思う。
自分に合った調味料の備蓄しておこう
また、こういった味をなんとかしてくれる最低限の基本セットの他に、これがあればどんな料理もなんとかなるといったような自分に合った調味料やミックススパイス類などを見つけておき、そういったものも備蓄品に加えておくのも良いと思う。
もちろんペットボトル入りの水のローリングストックも忘れないように。
災害時の必需品!ポータブル浄水器の威力は?
水は腐り、災害時に断水はつきものと前の項目でも述べたが、そんな時に活躍するのがポータブルの浄水器だ。
私は下の写真の浄水器キットを備えている。
使い方は、付属のスクィーズボトルやペットボトルに汚水を入れ、他の容器や口の中に直接押し出すだけなので簡単だ。
キットには下の写真の物が含まれている。
ミニマムサイズでも安心の浄水性能
これはかなり小型のタイプで、大型のタイプと数値で比較すると排出量が少なくて心許なく感じてしまうかもしれないが、実際に使ってみたところ、この程度のサイズでは浄水に凄く時間がかかってしまうというようなことはなく、災害時の少人数用として備えておくなら、こんなミニマムサイズでも十分だ。
また、この小ささなら車内の常備品としてだけでなく、普段から持ち歩くこともできるサイズなので、都会に暮らす人が災害時用に常に備えておくのにも良いと思う。
容器の心配もなし!
そしてこのキットの他に、ろ過後の水を入れる容器も用意しておく必要性があるのではと思われるかもしれないが、それは絶対ではない。
直飲みもできるがそういった意味ではなく、無人島や人里離れた山中にいるのでもなければ、空のペットボトルや水筒や鍋くらいは入手できるからだ。
そもそも先述の通り未開封のペットボトルを車内に備蓄しておくことが基本で、浄水器の出番は基本的にその水を使い果たした後ということになるので、少なくとも空のペットボトルは存在するということだ。
実際の性能は?濁った雨水で試してみた
そういったことはともかく、試しにバケツに溜まったままになっていた濁った雨水を、これでろ過してみた。
結果、ご覧の通り全く濁りもない綺麗な状態になった。
そして、恐る恐るこれをグラス一杯分飲んでみたところ、特に味もなく、腹を下すこともなかった(そのまま飲んだら見るからに腹を下すことが確実なような状態の水だった)ので、安心して使えそうだ。
さらに浄水後に一度沸かして煮沸もすればなお安心だ。
自分用のレーション
食事は動物にとっての物理的なエネルギーの源でもあるが、精神的な元気の源にもなる。
自衛隊員の知人から古くなった(といって品質には全く問題などない状態)コンバットレーション(野戦食)を何度かもらったことがあるが、それが結構行けるものが多かった。
野戦食などという響きからは、合理性最優先を想像してしまうが、食事が美味しくなければ元気が出ないからなのだと思う。
災害などの緊急時も元気を保つことが大切だ。
色々試して自分好みの常温保存できる食材を見つけ出し、自分に合った元気の出るレーションキットを作り、愛車に備えていただきたい。