Boo3でも寒い中快眠できた!その方法は?

軽トラックキャンピングカーBoo3で冬の寒い中でも快眠できた!!その方法は?



【冬の寒い中で車中泊】シェルの外壁の断熱

Boo3は底板がないので正確には箱ではなく、荷台に被せる屋根と壁と、それを支える枠組み(フレーム)から成る構造だ。

boo3 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

底の断熱も非常に重要だが、まずはその屋根と壁の断熱性について説明しよう。

冒頭でアルミのシェルを被せた軽トラと書いたが、Boo3の外壁はただのアルミ板ではなく、壁と屋根には複合アルミ板という素材が使われている。

複合アルミ板は、一見無垢のアルミ板のようにも見えるが、薄いフォームの板の両面をアルミ板でサンドイッチしている

この構造は、強度を保ちながら元々軽いアルミをさらに軽くできるというメリットがあるのだが、軽いことは車にとっては色々と都合の良いことが多い。

しかし、この構造の利点は軽くできることだけでなく、実はシェル内が外気温の影響を受けにくくすることにも大いに貢献している

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これは理屈だけではなく、実際に使って体感していることなのだが、体感的な話だけでなく、少し理論的な話もしておこう。

アルミは比較的熱伝導率が高い部類に入る金属だ。

熱伝導率が高いというのは、簡単にいえば熱が伝わりやすく伝わる時間も早いということだ。

例を挙げると、アルミとは逆に比較的熱伝導率の低い(低いといっても、木材や樹脂や水などと比較したら遥かに高い)ステンレス製の容器(シェラカップなど)は、熱い液体を入れても容器全体に熱が伝わる時間が遅いため、容器の縁に口をつけても大丈夫なことが多い。

しかし、アルミの容器は全体に短時間で熱が伝わってしまう(おまけに熱は高温側から低温側に伝導する)ため、すぐに縁に口などつけられない状態になってしまう。

金属の熱伝導率の違いとは概ねこういったようなことだ。

これだけ聞くと、アルミは暑い時期にはすぐに熱くなってしまって、外壁材に向いていないように思えてしまうが、そう単純なことでもない。

最も一般的な車のボディーの外壁材である鉄板も、ステンレスほどではないがアルミよりずっと熱伝導率が低い。

比較的熱伝導率の低い鉄は、アルミより全体に熱が伝わるまでの時間はかかるが、比重が重く、温まってしまうと温度が下がりにくいといった特徴もある

夏に日が沈んだ後もなかなか車内の温度が下がらないのは、こういったことが大きく影響しているようだ。

しかし、熱が伝わりやすい(熱伝導率が高い)ということは冷めやすいということでもあるのだが、さらにアルミは比重が低くて熱を蓄えにくい性質もあり、より熱伝導率の高い銅と比較しても冷めるのが非常に早いという特徴があるため、鉄板でできたボディーのように日が沈んだ後もずっと暖かいままといったようなことが起こりにくい。

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さらに、アルミ自体は熱が伝わりやすい素材ではあるが、複合アルミ板は熱伝導率の非常に低い薄いフォーム板をアルミ板でサンドイッチしている構造であるため、表裏間では熱が伝わりにくくなっている。

要するに、複合アルミ板の外壁は熱を蓄えにくく、外からの熱をシェル内部へ伝えにくいということだ。

そしてさらに、Boo3の屋根板には厚い断熱材も入っているため、天井の断熱性はさらに高くなっているため、暑い時の断熱効果は非常に高い

実際に、真夏の日中長時間駐車していてもBoo3の内部は普通のVANの荷室内より断然温度が低く(軽トラ本体のキャビン内の温度と比べても雲泥の差)、高温が積んでいる荷物へ与える影響に対する不安が低い。

そして、シェル内部の温度が上昇しにくいだけでなく、外壁の温度が冷めるのも早いため、夜になっても室内の気温が下がらない状態が続いてしまうようなこともほぼないと言えるレベルだ。

車内 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

この夏は熱帯夜のような晩に車中泊をすることはなかったが、こういったことから、扇風機だけで十分快適に寝ることができた。

また、左右のパネルを少し開けた状態に保てるような工夫(風が通り抜けるように)すれば、かなり暑い晩でも大丈夫そうだと予測した。

これが寒い時にはどうなるのかということになるのだが、私がBoo3を載せたダイハツ ハイゼットジャンボを使い始めたのが昨年の10月だったので、夏(10月もまだ十分に暑い日が多かったが)は一度しか経験していないが、冬は2度目に突入したところだ。

寒い時も、体感的にキャビンと荷室が一体の鉄板でできたVANと比較して劣るというようなことはない。

極寒のようなところには行っていないが、寒風の吹き荒ぶ高速のSAなどでも全く問題なく寝られたし、この秋も結構標高の高い所(夜の気温は4°Cくらいまで下がったようだ)へ行ったが、封筒型の普通の寝袋で至って快適に寝ることができた。

boo3 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

夏とは逆に、外壁が薄い割に断熱性が高く、シェル内部の温度を外に放熱してしまいにくいからということなのだと思う。

では木製のシェルはどうだろうか?

木材は加工がしやすいため、自作でシェルを作る材料としても向いているし、味や雰囲気もある。

そして、熱伝導率が金属よりずっと低い点でもシェル用の素材として向いている。

しかし、もし木材でBoo3と同じ強度のシェルを作ろうとしたら、ずっと重量が嵩んでしまうことは間違いない。

また、耐久性も耐候性もアルミより劣り(条件や状況にもよるが)、アルミよりメンテナンスに要する手間とその必要性も高いとは思う。

【冬の寒い中で車中泊】床の断熱

軽トラの荷台の床は鉄板でできていて、鉄板一枚隔てた大凡60cm下は地面だ。

荷台 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

暑い時には日中温まった地面からの熱が伝わってしまいやすく、寒い時には冷えた地面からの冷気が伝わりやすいだけでなく、寒い時は地面との狭い隙間を冷たい空気が通り抜けるので、余計に冷える。

そして、熱は高温側から低温側へと伝導し、気体より液体、液体より固体の方が伝導しやすい。

車内 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

ということは、床が冷たければ、寝転がった時には空気中への放熱より、体の接している床側へより多く体温の熱が伝わって(奪われて)しまうことにもなる。

鉄板の床に直に寝るのは固くて寝心地が悪いだけでなく、床の断熱は寒さ暑さ対策としても非常に重要だということだ。

普通の軽トラの場合はベッド(寝台)を置いて床から間を開けて寝ることもできる。

ベッドは断熱の面でも効果的だ。

しかし、ハイゼットジャンボやスズキ スーパーキャリイの荷台は、キャビンの下に凹んだ部分も利用しないと、寝るために十分な長さ(身長によっては凹んだ部分を使わずに済む場合もあるが)を確保することができない。

車内 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

キャビン下の凹んだ部分に足を入れなければ寝られないのなら、高さのあるベッドを置くことはできないので、床に直接寝るような形になる。

ハイゼットジャンボやスーパーキャリイでなくても床の断熱は重要だと思うが、こういった理由でハイゼットジャンボやスーパーキャリイの場合は特に床の断熱が重要になる。

荷台 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

私の使用しているハイゼットジャンボの荷台の床には、オプションの厚み4cmのしっかりしたウレタンパッドが全面に敷きつられている(この夏にはその上にクッションフロアも敷いた)。

このウレタンパッドの断熱性は非常に高く、硬めが好きならこれだけも十分寝られるクッション性もあるが、この上に状況に応じてラグマットなどの敷物やゴザなどの敷物を敷き、さらに寝るときはスリーピングマットも併用しているので、下から地面の熱気が伝わってくることも底から冷えるようなこともなく万全だ。

車内 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

また、このウレタンパッドは断熱だけでなく防音の効果も大きいようで、これを剥がして走行した際に後ろから聞こえてきた賑やかなノイズは想像以上に大きかった。

床の断熱は非常に効果が高いので、シェルを自作したり幌を被せたりする場合も、最低限荷台にコンパネやゴムマット(軽トラ用の荷台用ゴムマットは市販品も豊富)を敷くなどして、寝る時にはしっかりとしたスリーピングマットを敷くことをお薦めする

【冬の寒い中で車中泊】寝具や服

熱源よりも断熱が何より大事だと思っていると書いたが、それは室内全体のことだけでなく、体の周囲に関しても何かで温めることより、体の周囲を断熱し保温をすることの方が大事だと私は思っている。

寒い時の暖気は嬉しいし、暖房器具を使うことが悪いということではないのだが、自分の発する熱を無駄にしないことが何より大切だという意味だ。

私もカセットガスのヒーターをBoo3の中で試しに一度だけ使ってみたことがある(換気に十分な注意が必要なので、安全装置が付いていようと基本的には車内での使用は全くお薦めしない)が、はっきり言ってまた車内で使おうとはあまり思わない。

車内 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

そもそもこれを購入した主な目的は、真冬に海から上がった際に血行の悪い方の足(片足の動脈がまともに機能していない)を短時間で暖めるためであって、車中泊の室内で使おうと思って購入したわけではないのだが、換気を気にしてビクビクしながら使うくらいならやめた方が良いと思う程度にしか有難さを感じなかったのが、また車内であまり使おうとは思わない理由だ。

割と最近「車中泊グッズは値段で選ぶ?質で選ぶ?失敗しない物の選び方」の記事でも書き、度々書いていることなのだが、冬の車中泊では暖房器具を用意することより、良い寝袋を用意することの方が大切だというのが私の信念でもある。

寝袋 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

自分の発する熱を最も無駄にすることなく寝られる手段だからだ。

電気毛布やFFヒーターのような暖房器具を使う人であっても、高性能な寝袋と、保温性の高い服を十分に用意しておくことは大切だ。

燃料や電源が切れてしまったり、故障してしまったりして機能しなくなることもあるからだ。

今はファストファッションの店でダウンジャケットやベストが安価に入手できる。

冬はそういったものを車内に常備しておく(ダウンは暖かいだけでなくコンパクトにたためるのも大きな利点)と良い。

起きている間は寒さに応じてこういったものを重ね着し、寒さが厳しい場合は着たまま寝袋に入れば、少なくとも私は相当に寒いところでも車中泊をしたことがあるが、寝られなかったことなどない。

長くなるので説明は割愛するが、効果的な服の着方(重ね方)というのもあるので、効率良く服を活用することも大切だ。

また、クッションカバーの中にフリースの毛布を入れて、車内に常備している。

寝袋 軽トラキャンピングカー 冬の車中泊 快眠

普段はクッションとして使え、寒い時のプラスアルファ的なものとしても使えるので、これも大変便利だ。

【冬の寒い中で車中泊】工夫とアイディア次第

予想外に断熱性の高いBoo3だが、寒い時も快適に車中泊をするためには少し工夫を加えることや、アイディアを駆使することも大切だ。

また同様に、自作のシェルや幌の場合も、工夫やアイディア次第で冬も快適に車中泊ができるはずだ。

そして、その工夫やアイディアがまた楽しみの一つにもなると思う。