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車中泊グッズは値段で選ぶ?質で選ぶ?失敗しない物の選び方

失敗しない車中泊グッズの選び方は実用性の高いものを!
車中泊では、普段使用している日用品をそのまま利用できるケースも多いが、アウトドア用品を使用する機会も多い。
そのアウトドア用品は、昔は専門店で購入するものだったが、現在はブームに乗ってホームセンターや100均ショップ(ダイソーやキャンドゥのように100円以外の商品も充実してきている100均ショップもある)でも安価で実用的な物を多々入手できるようになっている。
また、アウトドアや車中泊用の専用品でなくても、便利で合理的に流用できる物がさらに多くなってきているようにも思う。
反面、やはり妥協せずに出資した方が良い物もあれば、専用品を選んだ方が良いケースも多々ある。
また、アウトドア好きの人の中には、道具マニアのような人も結構多く、実用性よりとにかくブランドで選ぶ人、同じ機能の物を重複して購入する(例えばサイズの違うテントではなく一人用のテントをいくつも購入するなど)ような人達もいる。
実用性云々だけではなく、流行りで品薄になってしまうような物もある。
あまり行き過ぎると、私の場合はついて行けない気持ちになることがあるが、それはそれでその人達の趣味なのでとやかく言うことではない。
しかし、一般的には、高価な物と安価でも実用性の高い物を見極め、合理的に道具選びをしたいと思う人の方が多いと思う。
この記事では、「これが答え」のように言い切るのではなく、幾つか例を挙げ、それが上手に車中泊用品を選ぶ際のヒントになればと思う。
【失敗しない車中泊グッズの選び方】寝具
温暖な気候の時期や、温暖な地域で車中泊をする際には寝具についてあまり気にかける必要もなく、特別な物を用意しなくても、普段家で使っている布団を積んで行くだけで十分(かなり嵩張るとは思うが)な場合もある。
しかし、寒い時期や寒冷地で車中泊をする場合は寝具の性能がとても重要になる。
寝袋

度々他の記事でも書いてきたことだが、寒い時には、良い寝袋を使用することが快適に車中泊をする上で最も合理的な手段だと私は思う。
「電気毛布がなければ冬に車中泊はできない」などと断言する人達もいるが、だとしたら、どうやってテント泊や雪洞泊で極寒の冬山に登ったり、縦走したりできるのかということになる。
「電気毛布がなければ冬に車中泊はできない」は、未経験者や経験の浅い人達の不安を煽る些か偏った独断的な見解だ。
車は鉄板できているから寒いと言う人もいるが、VANの車内よりトラックの幌の中の方が暖かいなどといことはないと思う。それなら、キャンピングカーは幌で作った方が合理的ということになってしまう。
熱伝導率が低めで、一旦温まってしまうと長く熱を蓄えてしまい、冷えてしまったら冷えた状態が長く続く鉄板でできていようと、やはりきっちり風雨を凌いでくれる車の中は安心で暖かい。
また、ポータブル電源+電気毛布やFFヒーターなどに頼っていたら、電源が切れたり故障したりした場合には対処ができず、危険でさえある。
寒い時期や寒い場所で車中泊をしようと思うなら、最初にポータブル電源+電気毛布やFFヒーターを導入するより、高価でもとにかく高性能な寝袋を購入することを私はお薦めする。
また、安くても高価な寝袋より高性能なんて美味い話もないと思う。
ここはケチらずそれなりの出資を覚悟する部分だ。
スリーピングマット

寝るための敷きマットは、クッションの役割だけでなく、特に冬は底からの冷えを防ぐ対策として大変重要なアイテムだ。
最近は、ホームセンターや家具屋さんの商品でも車中泊に良いサイズで快適そうなマットが多数見つかる。アウトドア用などと比べると嵩張るものが多いが、価格も専用品より安価で、そういった物を上手く利用することは全然悪くないと思う。
しかし、コストパフォーマンスの高いものと、安物を見分けることは重要だ。
特にエアマットに言えることだが、断熱性などは厚みが同じであれば変わらないだろうと思う人もいるかもしれない(一般的にエアマットはクローズドセルのマットや自動膨張式のマットと比較すると断熱性では不利)が、高級品は内側に特殊な加工が施されているなど、安物とは断熱性が全然違う。
ついでに言えば、軽くても耐久性が全然違う。
また、自動膨張式マットも、高級品と安価なものとでは寝心地も断熱性も耐久性も大きく異なる。
私は人力移動のキャンプでは長いことずっとサーマレスト®(確か自動膨張式マットの元祖のメーカー)の自動膨張式のマットを主に使い続けてきたのだが、荷物をコンパクトにまとめるために、一度南米の密林から比較的安価なエアマットを試しに取り寄せて使ってみたことがあった。
家で試しに寝てみた時には朝まで結構快適な寝心地が持続した。
しかし、川下り中に河原のテント泊で使用したところ、朝になったらペシャンコにはなっていないものの、十分背中に石の凸凹を感じるまでに萎んでいた。
場所を特定できないほど細かい穴がいくつも空いてしまっていたようで修理することもできず、それ一回でお終いとなった。
車内で使用するなら屋外での使用より穴の空く危険度は低いと思うが、やはり信頼性の高いメーカーの品を選んだ方が良さそうだ。
次のページ▷▷▷【失敗しない車中泊グッズの選び方、調理機器編をご紹介します!】
【失敗しない車中泊グッズの選び方】調理器具
調理器具は、車中泊であれば何も特別な物を準備する必要はなく、家にある物でも十分に使えるものは多い。
また、車中泊なら食事は全て外食や出来合いのもので済ませるという手もあるが、調理も楽しみの一つとしている人も少なくないと思う。
スキレット

私はスキレットを家の中やキャンプ時に屋外で使うことはあるが、基本的に車内の調理で使うことはない。しかし、人気のアイテムの一つでもあり、意外と価格差も大きいようなので例として挙げてみる。
右の大きい方は本家というかLODGEの9インチのスキレットで、もうかれこれ25年は使っている。
25年前というと、まだ日本ではスキレット自体あまり見かけることもなかったというか、一般的にスキレットという言葉さえ日本では浸透していなかった頃だ。
左の5インチくらいの小さいスキレットはどこで買ったのか忘れてしまったが、LODGEの製品ではない。一人でアヒージョをしたり、目玉焼きを焼いたりするのにちょうど良さそうなサイズと思い、数年前に購入した物だが、価格は確か500円もしなかったと思う。
LODGEの9インチは、四半世紀も前のことだからいくらで買ったか忘れてしまったが、現在の価格を調べたら、正規の価格は本体も蓋も各々5000円くらい(合わせて10000円くらい)なようだ。
しかし、現在スキレットはニトリやホームセンターやダイソーでも販売されている。
例えば一回り小さいニトリの8インチのスキレットの蓋なしだったら、たったの799円で購入できるようだ。
そして、小さい500円程度のやつを使っていて特に問題を感じないので、1/5以下の価格のやつとLODGEの性能がどの程度違うのかわからない(使い比べていないので不明)。
それで価格が5倍以上も違うとなると、LODGEが無駄に高いと感じる人もいるかもしれない。
ところが、本当はこのしっかりとした蓋が非常に重要だということは長い使用経験で知っていることなのだが、安価な製品でLODGEと同じような立派(構造も含め)な蓋のオプションが用意されているのは見たことがない。

また、25年使ったということは蓋と合わせても年間たったの400円しか払っていなかったことになる。
そして、日常的に家でも使っているし、焚き火でも使ってきたが、25年経ってもどこも不具合などない。
不具合などないというより、ノンスティック加工が施されたアルミのフライパンのようにコーティングが剥がれて性能がガタ落ちしてしまう(案外長続きしない)こともなければ、刃物のようにすり減ってしまうこともないし、焚き火の火力で歪んでしまうようなこともなく、電気製品のように故障するわけでもない。
壊れようがないどころか、それなりのケアをしていれば、油が馴染んでむしろより使いやすくなるのは良いキャストアイアン製品の特徴でもある。
このLODGEの9インチは、多分この先一生使えると思うのだが、歴史があるので、一生使えることは私が使い始めるずっと以前に既に実証済みだ。
そして、長年使っていると愛着も湧くので、今後も確実に使い続けることになるのも間違いない。
一方、使い比べたことがないので性能がどの程度違うのかわからないと先程書いたが、安価な製品はやはり性能が違うかもしれないし、歴史も浅いので耐久性がどの程度あるのかは不明だ。
そして、価格が何倍も違うとは言っても、この場合の価格差は4000円ちょっとでしかない。
一生使えるものの価格差が4000円程度だとしたら、確実に良いことがわかっている物を選んだ方が良いと私は思う。
スキレットはその好例だ。
アルコールストーブ

左はダイソーの税込330円のアルミ製アルコールストーブ(調理用)で、右は老舗トランギアの真鍮製のアルコールストーブだ。
構造が単純なアルコールストーブは300円でも作ることができる。
何なら空き缶で作ったこともあるが、そう難しいことではない。
しかし、それ程使用頻度は高くないものの、トランギアはかれこれ30年使用しているが相変わらず健在だ。

そして、同じような物をなるべく持ちたくないと思う私(近年その傾向がより強くなっている)なのに、この二つ以外にも実はチタン製のアルコールストーブも一つ持っている。
しかし、すぐに見つからなかったので、ここに登場させることができなかった。
そのチタン製のアルコールストーブは、人力移動キャンプ(具体的にはSUPで移動中のキャンプ)の道具をミニマムにしようと考えていたところ、南米の密林でセールになっていたのでつい買ってしまったのだが、特別愛着が湧く物でもないので、どこに仕舞ったのか忘れてしまったようだ。
これは非常に宜しくないことだ。
安いからと無闇に買って物を増やしてしまう、安さの典型的な弊害の一つだ。
まあそれはさておき、そのチタン製は1~2年前に入手した物なので耐久性はわからないが、性能的にはトランギアと遜色ない。
しかし、税込330円のアルミ製は、この価格なら物は試しと思って買ってみたものなので過度な期待などしていなかったが、他の二つと比較すると火力が弱いと感じる。
また、消火用の蓋がないのも不便だ。
とは言え、月とスッポンの性能差ではなく十分に使うことはできる。
メインの火器として使おうと思うなら330円に2000円足してトランギアを買った方が良いと思うが、エマージェンシー用などとして備えておくなら、330円でも十分ではあるといったところだろうか。
【失敗しない車中泊グッズの選び方】その他の実用品
寝具・調理器具以外の実用品の実例も挙げておこう。
ヘッドランプ

灯りには色々種類があり、実用性だけなく、雰囲気を演出する物ともなり、車中泊でもそれを重視する人は多い。
しかし、両手が使えて、広範囲に照らさなくても自分が見たいところを確実に照らしてくれるヘッドランプは、キャンプや車中泊の最中の灯りとして、実用性でこれに勝るものはないと思う。
車の下回りやエンジンルームを覗き込む必要がある際などにも大変便利で、夜間にチェーンを装着しなければならないときなどにも大活躍する。
少なくとも私はヘッドランプが車中泊旅の必需品の一つと思っていて、普段の生活の中でも結構多用しているほどだ。
そして、これも安価なものからかなり高価なものまで幅は広い。
それでどの辺りを選んだら良いかということになる。
LEDの球とリチウムイオン電池が普及するまでは、バッテリーの持ちが悪く、球切れの問題などあり、そういった面での効率が悪かったが、現在は安価な物でもそういった問題はかなり解消されている。
電源に関しては充電式と乾電池式があり、同じ性能なら充電池を内蔵していない分、乾電池式の方が安価になり、単三や単二などの一般的な電池を使うものなら、電池が切れても車旅の途中であれば24時間コンビニで購入することができる。
しかし、私は現在USBで充電するタイプを使用しているが、どちらかと言えばそっちをお薦めする。
何故なら、車旅に出る際はモバイルバッテリーまたはポータブル電源、或いは車のUSBポートか、それがない場合はシガーライターソケットに付けるアダプターなど、スマホの充電をするために殆どの人が旅に出る際は何らかのUSB充電の手段を準備しているのが普通だからだ。
そして、予備の乾電池を持つより、汎用性の高いモバイルバッテリーやポータブル電源を持つ方が合理的だという理由もある。
ところで、ヘッドランプは重量とバンドが着け心地を大きく左右する。
使用頻度が高いのなら着け心地の優れたものを選んだ方が良いのは当然だが、絶対とは言えないとしても、高価な物の方が着け心地が優れている傾向が断然高くなる。
他にヘッドランプを選ぶ上で重要なことといえば、作りがしっかりしていて壊れにくいこと、そして、防水性があるか否かというのもある。
防水性能が高いものはそれに応じて価格も高価になるが、雨や雪が降っている中で使うことも考慮し、私は防水性の高い物を使用している。
しかし、ちょっと注意点がある。通販で購入する場合は、充電口の蓋の作りなどをしっかり確認できない場合もあり、現物を目の当たりにしたらそういった肝心な部分の作りが案外お粗末だったなどといったこともあることだ。
安価でありながら逆に予想以上にしっかりしていたなんてケースに当たれば幸運だが、ヘッドランプに限らず通販はギャンブルになってしまうことがある。
失敗したくなければ、現物を確認できる実店舗で購入するか、少々高価でも信頼性の高いメーカーの製品を購入するのが無難だと思う。
折りたたみチェア

この折りたたみ式のローチェアは、よく目にするようなデザインだが、セールで買ったイオンのオリジナル品だ。
セール価格は確か2480円だったと思う。
オリジナルのデザインはどこのメーカーか知らないが、所謂パクリ的なデザインだと思う。

しかし、背負って持って歩いたり、カヤックの中に収納できたりする程小さく分解できる訳ではない(カナディアンカヌーなら問題なさそう)が、車で運ぶなら収納性も全く問題なく、肝心な座り心地も良く、面倒な組み立ての必要がなくすぐに使えるので、かなり気に入っている。
また、屋外でももちろん使用しているが、高さが低いので車内でも使用できて便利だ。

そして、私はこれを日常的に海岸で使用しているため、使用頻度は一般的な車中泊で使用するだけの人よりかなり高いと思うのだが、耐久性も全く問題ない。
これは、ブランド品が必ず優れているという訳ではない典型の一つだと思っている。
最後に
私もこれまで物選びでの失敗は少なからずあり、悔しい思いをしたこともあった。

反面、現在はそれも面白かったと思えるようにもなっているし、それが勉強になって選択眼が鍛えられ、失敗も少なくなっている。
しかし、最初に「車中泊用品を選ぶ際のヒントになればと思う」と書いておきながら少々矛盾してしまうが、私の発信する情報も含め、本やネット上にある情報、或いは教えたがりの意見などを全て鵜呑みにしたり頼りきったりするのは正しいことではないと思う。
また、インフルエンサーのような人達の言うことを全て信じきるのも、ブランドだけで選ぶのも、とにかく高価な物を選ぶのも、逆にとにかくケチるのも、どれも間違いだ。
物選びも最終的には自分の判断に委ね、自分自身で責任を負うことだ。
人の意見やアドバイスは、あくまで参考として冷静に判断することが大切だ。