災害とキャンピングカーの関係を真面目に考えてみた
家を断捨離し、中古キャンピングカーに住み始めて950日が経過しました。
筆者もかなり「キャンピングカーのこと」が分かるようになってきたように感じています。
さて、キャンピングカーに乗りたい方や、キャンピングカーに乗っている方のバイブルとも言えるキャンピングカーの展示会や、日本RV協会でも「キャンピングカー×防災」が目立って取上げられるようになってきました。
今年上旬に日本RV協会傘下である「くるま旅クラブ」から筆者の元にアンケートが届いたのですが、アンケートに答える上で色々と考えることがありましたので、今回はアンケート内容の一部を取り上げながら「キャンピングカー×防災」について考えていきたいと思います。
少し真面目な内容となっていますが、読者のみなさまも「自分だったらどうするか、どう考えるか」をイメ—ジしながら読み進めて頂けたらと思います。
目次
キャンピングカー購入の動機
「キャンピングカー購入の動機を教えて」という質問に、あなたはどう答えますか?
私の場合は、長期日本一周をするために購入に踏み切りました。
およそ100台の新中古車を見た中で、奇跡的に「これだ!」という1台に巡り会えました。
アンケ−トの選択肢には「災害対策」という項目もありましたが、防災目的でキャンピングカーを購入する人はなかなかいないんじゃないかな……?と勝手ながら思います。
キャンピングカーライフに慣れた今だからこそ、有事の際にキャンピングカーは使える!と言っている私ですが、購入当初は災害対策目的なんてこれっぽっちも考えていませんでした。
実際にキャンピングカーを利用していく中で「災害時にも使える」と気づいたクチです。
そして、本当に防災目的でキャンピングカーを購入される方は、災害はいつ起こるか分からないので極力早く所有したいという思いから、新車ではなく、すぐに納車可能な中古車を検討される方も多いのではないでしょうか。
キャンピングカーの活用
「キャンピングカーの活用の仕方を教えて」という質問に、あなたはどう答えますか?
少し前なら遊びに出掛け、コロナ禍の今なら仕事に使ったりと答えるかもしれません。私のように家として住んでいる方もいらっしゃるでしょう。
特に旅を始めてから出会った方からは「ペットとの旅は、受け入れ体制が整えられていないところが多い(ペットと泊まれる宿が少ない・部屋数が少ない)」という悩みを抱えており、「ペットとの旅を叶えるため」という声も多々聞きました。
最近はリモートワーカーの方たちが移動オフィスとして、仕事+非日常という「仕事を楽しみながらやる」そんなスタイルもよく耳にします。
キャンピングカーの可能性は無限大ですね。
また、アンケートの選択肢に「災害時に備える」という項目がありました。
ここで「災害に備える」という項目にチェックを入れた方に質問したくなりました。
災害時に備えている人はいったいどのような車に乗っていて、車内にどのような防災用品をどの程度の量積載しているのでしょうか。
災害時の備えとして、電源の確保や救護セットなどもありますが、とりあえず「食料」にしぼって考えてみたいと思います。
首相官邸のHPにある「災害に対するご家庭での備え」には「災害時には最低でも3日分の、そして大規模災害では1週間分の備蓄をしておきましょう」と記載されており、たいていどの防災関係のHPを見ても同様の内容が書かれています。
これに当てはめると、ひとり1日3Lの水が必要とされており、3日分の場合は9Lで、2Lペットボトル約5本分。
7日の場合、21Lで2Lペットボトル約11本分必要となります。
夫婦の場合は3日分で18L、2Lペットボトル9本が必要になる計算です。
飲料水の保存だけでもこれだけの収納が必要と考えると、車内に常備しておくのはなんだか現実的ではないと感じます。
参考:首相官邸
キャンピングカーは災害時に活躍するか否か
「キャンピングカーは災害時に活躍すると思う?」という質問に、私は「はい!大いに活躍すると思う!」と答えます。
ただし、災害の種類や規模によってはキャンピングカーが自走できない可能性もあります。自走できる条件が揃っていれば、キャンピングカーの存在は強いと思います。
なぜなら、キャンピングカーは車両により装備に差はあるものの、以下の強みがあるからです。
①プライベート空間が確保できる
②ゆとりのある空間を確保できる(立てる、足を伸ばして横になれる、等)
③トイレ、シャワーがある
④暖房がある
⑤冷蔵庫がある
⑥ソーラーパネルで、ある程度の電気供給ができる
⑦発電機を搭載している(車種が限られる)
⑧家電を使える
⑨衣類や食料を備蓄しておける
⑩水を蓄えておける
これらの装備が揃ったキャンピングカーであれば、自分の家族だけでなく、周りの人に供給することもできます。
▼災害支援・活動におもむいた記事はこちら
キャンピングカーで災害時に確保できるものは何?
「キャンピングカーがあれば災害時に確保できると感じるものは何?」という質問です。
これは、①場所(空間)、②電源、③水、④バスルーム(トイレ含む)、⑤情報という項目があり、私は全て当てはまると思いました。
車両が無事ということを前提に、私はキャンピングカーの存在全てが役に立つと感じています。
ただし、キャンピングカーの車両により、設備は大きく異なるため、用意できることに限界があることも事実です。
そのひとつが電源です。
ソーラーパネルが搭載されていたら最強だと思いますが、我が家のキャンピングカーはソーラーパネル未搭載です。そして、いつか追加したい装備NO.1でもあります。
また、現在は何かあった時に発電機で電源供給ができますが、燃料がなければ供給することはできません。
水も事前に補給し、タンクに溜めておく必要があります。
ただし、タンクの水は有限なので、断水していればキャンピングカーのタンクに水を供給できません。
私が感じるキャンピングカー最大のデメリットは、「設備にあったメンテンナンスをできる場がないと、せっかくの設備が使いこなせない」点です。
トイレやシンクの水がその代表的な例です。
車内のトイレを使っても、シンクで洗い物をしても、その汚水を排水できる場がないと汚水は溜まりっぱなし、という訳です。
つまりメンテナンス(汚水の処理)ができないと、設備を使えなくなってしまいます。
災害時、自分のキャンピングカーを貸し出せるか
「災害時に自分のキャンピングカーを貸し出すとしたら、どの程度まで許容できる? 」という質問もありました。
項目は
①他人に貸し出すことは考えられない
②スマホの充電などの電源として利用してもらう
③バスルームなどを利用してもらう
④くつろぎのスペースとして利用してもらう
⑤緊急医療や公共のベースステーションとして
と、ありました。
私はこの設問の回答はかなり悩みました。
なぜ悩んだかというと、コロナの影響を大いに受けています。
今までの私でしたら、どこまでも開放スタイルで「使えるものは使ってもらったら良い」という考えでした。
ですが、事態が変われば受け入れ体勢も変わるとコロナ禍で痛感したのです。
また、私たちはキャンピングカーで生活しています。
マルチルームのトイレやシャワーなどは、後々のメンテナンス(片付け)のことを考えると、それこそ感染症対策や伝染病対策の観点から見ても、知らない人への貸し出しはなかなか厳しいと感じました。
常時の時と有事の際では、「キャンピングカーの活用」は変わるのかもしれないと考え直す良いきっかけとなりました。
キャンピングカーと防災の関係
さて、キャンピングカーにお乗りのあなたはどう答えましたか?
現在はまだコロナ禍で、平常時だった頃とは同じようには考えづらいことも多々あると思います。
しかし、コロナ禍でもいつ災害が起こるか分かりません。
思い立ったこのタイミングに、まずは装備・設備が問題なく使えるかメンテンスすることをおすすめします。
そして、車内にはある程度の防災グッズを備えておきませんか?