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ディーゼルガソリンどっちがいい?

ガソリン車とディーゼル車の違いとは?レジャーや旅用の車に合うのはどちらか検証



キャンピングカーのベースとなるトヨタカムロードやハイエース、日産キャラバン。

SUVであればトヨタランドクルーザープラドやCX-8などのマツダ車といった『遊びにも使えるクルマ』には、ガソリン車とディーゼル車が設定されており、選ぶ際に迷う人も多いかもしれない。

今回はそれぞれの特徴を各要素ごとに挙げ、この種のクルマにはどちらが向いているかを考えてみる。

動力性能の違いは?

キャラバンのエンジン

出典:NISSAN MOTOR CORPORATION

ガソリン車の場合、エンジンそのものをはじめ、ディーゼル車と比べてクルマ全体の軽さやエンジンの回り方など、全般的に軽快さを持つ。

キャラバン ディーゼルエンジン

出典:NISSAN MOTOR CORPORATION

一方、ディーゼルエンジン車は、発進時に使う低回転域から太いトルクを出すものが多いので、力強さを体感できるだろう。

その分高速道路の本線合流や追い越し加速などでアクセルを深く踏んだ際などの伸びはあまりないものもあるが、クルマの用途を考えると、この点はそれほど気にしなくて良いと思う。

キャンピングカーなど車重が重いことが多いこの種のクルマであれば、総合的に見た絶対的な速さや動力性能も、ディーゼル車がガソリン車を上回る場合が多い。

静粛性の違いは?

マツダ2200ディーゼルターボ

出典:マツダ公式ブログ

高速道路での巡行中などであれば、静粛性はガソリン車もディーゼル車も大差なく、むしろディーゼル車のエンジン音の方が「心地いい、好みに合う」という人も少なくない。

しかし、その日一発目のエンジン始動時、信号待ちや渋滞中といったアイドリング中のエンジン音や振動に関しては、クルマによる差も大きいにせよ、やはりディーゼル車はガソリン車に見劣りするのは否めない。

コストの違いは?

新車購入時

ハイエース

出典:NISSAN MOTOR CORPORATION

ディーゼル車はターボ車(排気量を増やしたのに近い効果のある過給器)となることや、排気ガスのクリーン化のためのシステムなど、ガソリン車に対しコストの掛かるパーツが多数加わることもあり、高価だ。

具体的にはハイエースバンの標準ボディが57万6000円(2リッターガソリンと3リッターディーゼルターボ)、ハイエースバンのスーパーロングボディが46万6000円(2.7リッターガソリンと3リッターディーゼルターボ)、CX-8が42万1300円(ターボのない通常の2.5リッターガソリンと2.2リッターディーゼルターボ)になる。

CX-8の場合はエコカー減税やディーゼル車の新車購入時の補助金が12万5000円あるので、実質的な価格差は約30万円。ガソリン車に対しおおよそ30万円から60万円高いことになる。

ガソリン代

ディーゼル車は購入時に高価な代わりに、燃料は日本ではガソリンに対し安価な軽油を使い、燃費もガソリン車を25%程度上回る。

ここではハイエースバンを例に、燃費をガソリン車リッター8km、ディーゼル車リッター10km、レギュラーガソリン1リッター133円、軽油1リッター113円で計算してみる。

すると、1万kmあたりの燃料代はガソリン車で16万6000円、ディーゼル車で11万3000円と、ディーゼル車は5万3000円安く済むことになる。

つまり、ガソリン車との価格差が大きいハイエースバンでも、ディーゼル車は10万kmを超えたあたりで差額をペイできる計算が成り立ち、走行距離が伸びる人も多いであろうこの種のクルマでのディーゼル車のメリットは大きい。

また、ここまで走行距離が伸びなくとも、ディーゼル車は処分するときの査定が有利なので、差額をペイできる可能性は十分ある。

その他の違いについて

牽引に関しては「ガソリン車はNGだけど、ディーゼル車はOK、どちらも変わらない」など、クルマによって違うこともあるのでケースバイケースだ。

高速道路を使った長距離ドライブも多いであろうこの種のクルマであれば、そういったケースは少ないと思うが、ディーゼル車は市街地での走行に代表される『負荷の軽い乗り方』では、黒煙の原因となる煤が溜まりやすい。

ディーゼル車は煤の処理もクルマ側で行っており、煤の処理には軽油を使うため、処理の頻度が多いと燃費の低下や、あまりに煤が溜まると調子を崩すこともあるので、負荷の軽い乗り方が多い人にはガソリン車をすすめる。

負荷の軽い乗り方が多いと走行距離も少ないことが多い傾向と思われるので、その意味でもディーゼル車を選ぶメリットは薄いだろう。

結論

ここまで挙げた要素を総合すると、筆者個人はこの種のクルマにはディーゼル車の方が向いている人が多いと思う。

だが、迷った際にはそれぞれのメリットとデメリットを天秤に掛けて自分にあった方を選んで欲しい。

番外編

「この種のクルマのガソリン車にしたいのだけど、もっと絶対的な速さが欲しい」という人であれば、マニアックな手段のため万人にすすめられるものではないが、車検も問題ない合法的なカスタマイズとなる過給器の追加という手もある。

具体的な例として挙げられるのは、やはりハイエースのガソリン車なのだが、チューニングパーツメーカーのブリッツでは、ハイエースのガソリン車用のターボとは異なる仕組みの過給器であるスーパーチャージャーのキットを設定している。

スーパーチャージャーキットの価格は2リッターガソリン車用で39万8000円、2.7リッターガソリン用で45万8000円になり、2割から3割の動力性能向上が期待できる。

ただ、取り付けはそれなりの技術があるショップなどに頼む必要があるため、総額50万円以上の費用がかかると思われる。

カスタマイズはいろいろな意味で自己責任となるので、「クルマでいろいろ遊んだ時期もあり、今はこの種のクルマに乗っている」という人などであれば、考える価値のあるカスタマイズになるだろう。