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「過去には悲惨な死亡事故も」あなたの車は大丈夫?フロアマットが暴走事故の原因に

クルマに合わないフロアマットは事故のもと?

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雨や泥などの汚れを防止する役割があるフロアマット。
汚れ防止と同時に、車内の質感もアップするため、新車購入時にオプションとして購入する方も多いのではないでしょうか。
フロアマットは汎用品も多く販売されており、ドレスアップなどを目的として市販のマットに変更する方も少なくありません。
しかし、”クルマに合っていないフロアマット”を使用すると、重大事故を引き起こす危険性が高まります。
汎用品を選ぶ場合、どのような点に注意すべきなのでしょうか?
フロアマットのせいで190km/hで暴走?死亡事故につながったケースも

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『フロアマットが原因で事故が起こる』と言われても、いまいちピンとこないかもしれません。
しかし、過去にはアクセルペダルがフロアマットに引っかかり、暴走した挙句死亡事故につながったケースが存在します。
2009年8月アメリカのカリフォルニアにて、男性が運転していたディーラー代車の「レクサス ES350」で事故が発生。
アクセルペダルがフロアマットに引っかかったことで暴走、約190km/hの速度で衝突し、家族4人が亡くなりました。
このとき、ES350にはRX用の分厚いマットが敷かれており、それにアクセルペダルが引っかかって暴走したことが明らかになっています。
国内においても、フロアマットが原因で暴走する事故が少なからず発生しており、国土交通省のホームページでも、適切にフロアマットを使用するよう注意喚起がなされています。
このように、普段何気なく使用しているフロアマットも、使い方を誤ると重大事故につながる恐れがあるのです。
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フロアマットの重ね敷きで『アクセルが戻らない』『ブレーキが踏めない』ことも

マットがずれてアクセルペダルを押してしまう恐れも
サイズが適合していないケース以外にも、「フロアマットの重ね敷き」も非常に危険な行為です。
『純正マットや高級社外マットを汚したくない』などの理由で、フロアマットを二重にして使用しているケースがあります。
しかし、重ね敷きをした場合、上のマットが固定されていないため、マットが大きくずれてしまい、アクセルペダルを押してしまうことも。また、マットの先端が丸くたわんでしまい、ブレーキペダルが踏めなくなってしまう恐れもあります。
フロアマットの重ね敷きは、『アクセルが戻らない』『ブレーキが踏めない』など、大変危険な事態を招きかねないのです。
汎用品を使用する場合はクルマに適合することを確認して

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しかしながら、『純正マットを汚したくない』『違うデザインのマットに変えたい』などの理由から、純正ではなく汎用品の使用を検討している方もいるでしょう。
汎用品を選ぶ際の注意点について、カー用品店スタッフに聞いてみました。
「汎用品のフロアマットは、必ずサイズが適合しているものを使用してください。サイズが合わないものを使用すると、重大事故につながる恐れがあります。アクセルペダルが全開の状態でも、マットに干渉しないことをご確認ください。
また、マットを固定せずに使用すると、マットがずれてブレーキペダルを踏み切れなくなる恐れがあります。固定するためのフックも販売されておりますので、そういったものを併用してください。」
サイズが適合していても、ただ敷くだけではペダル操作で力が加わった際に、マットがずれてしまう可能性もあるようです。
専用のフックも別途販売されているため、汎用品を敷く場合はフックを使って固定しましょう。
純正品や車種専用品であれば、サイズ・形状ともに適合し、固定もできるため、走行中にずれてしまう心配もそこまでありません。
しかし、サイズの合わない汎用品を固定せずに使用した場合、危険な事態に陥る可能性があります。
フロアマット使用時は「サイズの適合」「マットの固定」が大切。『自分のクルマは大丈夫だろう』などと楽観視せず、改めて”足元”に気を配ってみてください。
ライター:成田 佑真
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