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布タイプ?スプレー式?バリエーション増えた“タイヤチェーン”…結局どれを選ぶのが最強?ユーザーに聞いてみた

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最新タイヤチェーンは着脱が簡単?


 

タイヤチェーン

タイヤチェーンに対して「重たくて取り付けがめんどくさそう」というイメージを持つ方は多いかもしれませんね。かくいう筆者もその1人です。

ただ、近年はタイヤチェーンも進化・多様化していて、軽くて簡単に装着できる製品が増えている模様。

そんな新しいタイプのタイヤチェーンに関するプレスリリースを、2つ続けてご紹介しましょう。

株式会社ラスターの「GET-PRO スノーソック」


2024年11月7日、株式会社ラスターが自社製品に関するプレスリリースを発表しました。

こちらのプレスリリースでは、非金属タイヤチェーン「GET-PRO スノーソック」の特徴が紹介されています。



GET-PRO スノーソックは、布製チェーンとも呼ばれるタイプの製品です。

特殊な繊維素材を使用しており、タイヤに装着することにより、雪道や凍結路でのグリップ力を高められます。

ニューレイトン株式会社の「KURUMI」


2024年11月6日、ニューレイトン株式会社が自社製品「ウインターソックス KURUMI(クルミ)」のリニューアルをプレスリリースで発表しました。



ウインターソックス KURUMIは、耐摩耗性ポリエステルを素材とする布製チェーンです。

耐久性の高さや優れた制動性能などを特長に掲げる製品で、2024年版では適合タイヤサイズが拡充しています。

タイヤチェーンは布製がベスト?


GET-PRO スノーソックとウインターソックス KURUMIは、どちらもチェーン規制に対応するれっきとしたタイヤチェーンです。

見た目はただのタイヤカバーみたいですけどね。

布製のチェーンなら軽そうですし、装着も簡単そう。

それでいて実用性も高いなら、従来の重たいタイヤチェーンは要らなくなる気がします。

……が、実際のところはどうなのでしょうか?これからタイヤチェーンを買うなら布製がベスト?

タイヤチェーン選びについて疑問がわいたので、各種チェーンの特徴や、よく売れているタイプなどを調べてみました。

各種タイヤチェーンの特徴


 

道路をチェーンつけて走行

タイヤチェーンを種類分けすると、金属チェーンと非金属チェーン、布製チェーンに分類できます。

これにスプレー式チェーンも加えるなら、タイヤチェーンの種類は全部で4タイプということになります。

各種のタイヤチェーンにはどのような特徴があるのか、気になる布製チェーンから順番に見ていきましょう。

布製チェーンの特徴


布製チェーンが誕生したのは1998年のこと。

ノルウェーの企業「Auto Sock(オートソック)」によって開発され、2000年に欧州で滑り止め製品として認可されました。

現在では多数の企業が布製タイヤチェーンを販売しており、その多くはヨーロッパメーカー製で、ポリエステルを主な素材としています。

また、どの布製タイヤチェーンも基本的な特徴は似ており、次の5つをメリットとしています。

ジャッキアップ不要で簡単に着脱できる
静粛性と乗り心地が装着前とほぼ変わらない
軽量コンパクトに収納できる
繊維製なのでサビない
繊維製なのでホイールを傷つけない


布製チェーンを装着する際は、まずタイヤの上半分以上が隠れるようにチェーンを被せて、隠れていない部分が上になるように車を動かし、タイヤ全体を完全に覆います。

このように取り付け作業は簡単ですし、力も要りません

5つのメリットのなかでも、着脱のしやすさは布製チェーンの最大の利点といえるでしょう。

なお、一般的な布製チェーンは、装着時の制限速度を時速40kmとしています。

金属製チェーンの特徴


 

タイヤについた金属製のチェーン

金属チェーンは、もっとも古くから利用されているタイヤチェーンで、ラダー型(はしご型)とネット型(亀甲型)の2タイプがあります。

ラダー型は安価で取り付けが簡単、ネット型はやや高価ですが雪道でのグリップ性能に優れます。

むかしの製品と異なり、近年の金属チェーンは車の移動やジャッキアップなしで着脱できて便利

ただし、金属のチェーンは絡まりやすく、重量もやや重いため、はじめて使う際は取り扱いに手間取るかもしれません。

また、乗り心地や静粛性が悪化しやすいことも、金属チェーンのデメリットです。

装着時の走行速度については、時速30km以下に制限されます。

非金属チェーンの特徴


非金属チェーンをつけているタイヤ

©naka/stock.adobe.com



非金属チェーンは、ウレタン樹脂やゴムなどを素材とするタイヤチェーンです。

このタイプのメリットには、「乗り心地や静粛性が大きく悪化しない」「耐久性に優れる」「装着時の制限速度が時速50kmと高い」の3点があげられます。

着脱については、非金属チェーンもジャッキアップなしで行うことが可能。

ただし、ラダー型の金属チェーンとくらべると、取り付けに手間がかかるかもしれません。

また、非金属チェーンは価格がやや高めです。

スプレー式チェーンの特徴


スプレー式チェーンとは、タイヤに吹き付けて使うスリップ防止剤のこと。

もっとも手軽に使えるタイヤチェーンといえますが、塗布後は走行するほどに効果が落ちるため、長距離を走る際は定期的に再塗布する必要があります。

また、スプレー式チェーンはチェーン規制に対応していません。

こうしたデメリットはありますが、スプレー式チェーンはほかのタイプより安価ですし、タイヤサイズを問わず使えて便利です。

タイヤチェーンの選び方


 

収納容器に収まっているチェーン

大手通販サイトでタイヤチェーンの売れ筋ランキングを見ると、布製チェーンがよく売れており、次いで非金属チェーンが人気のようです。

ただ、売れ筋商品が誰にでもマッチするとはかぎりません。タイヤチェーン選びで抑えたいポイントを簡単にまとめました。

タイヤチェーン選びのポイント


タイヤチェーンを選ぶ際は、自身に合う製品タイプをあらかじめ決めておくと効率的です。

参考までに、使用環境や使用頻度に応じたおすすめタイプは次のようになります。

1年に数回の降雪や路面凍結に備えたいなら、安価なスプレー式チェーンがおすすめ
頻度は低いが積雪のある地域で緊急用として使うなら、布製チェーンがおすすめ
費用を抑えつつ安心できるタイヤチェーンが欲しいなら、ラダー型金属チェーンがおすすめ
使用頻度はやや低いが本格的な積雪に備えたいなら、ネット型金属チェーンがおすすめ
タイヤチェーンを使う機会が多いなら、耐久性に優れる非金属チェーンがおすすめ


布製チェーンについて少し補足。ネット上には「布製は緊急用と思ったほうがよい」「布製は水分の多い雪が付着して滑る」といった意見が見られます。

こうした情報を踏まえて、布製チェーンは緊急用におすすめのタイプとしました。

なお、タイヤチェーンを選ぶ際は、適合タイヤサイズのほかに、装着に必要なフェンダークリアランス(タイヤとフェンダー間のスペース)も確認する必要があります。

ローダウンしている車には、タイヤチェーンを装着できない場合があるのでご注意ください。

実際に使われているのはどのタイプ?


 

雪道

大手通販サイトでは布製や非金属のタイヤチェーンが人気ですが、実際に使われているのも売れ筋商品と同じタイプなのでしょうか?

ちょっと気になったので、知恵袋サイトで「どのタイプのタイヤチェーンを使っていますか?」と質問してみました。

お寄せいただいた回答を、タイヤチェーン選びの参考にしてみてください。

質問へのご回答
「使っているのはネット型金属チェーンのみで、スタッドレスタイヤの補助と考えています。それと、未除雪路を走るならスコップは必須。雪でタイヤが浮いたらどうしようもないですからね(Iさん)」

「金属チェーンを使っています。非金属チェーンも試しましたが、低温でゴムが硬くなり装着しにくかったです。乗り心地は非金属のほうがいいんですけどね(Aさん)」

「いろいろ試しましたが、細めのネット型金属チェーンに落ち着いています。非金属チェーンは装着が意外に大変ですし、ラダー型金属チェーンは横滑りが怖い。なのでネット型金属チェーンがベストですね(Hさん)」

……というわけで、実際にタイヤチェーンを使っているドライバーには金属チェーンが人気で、ネット型は特に使用者が多いようです。

使い慣れている人には、新しいタイプよりも金属チェーンのほうが安心できるのかもしれません。

最新タイヤチェーンをゲットして冬シーズンに備えよう


 

大雪の道

近年は首都圏でも大雪になることがあります。

東京都のように降雪が少ない地域でも、今後はタイヤチェーンが必要になるかもしれません。

もし少しでも積雪の不安を感じるなら、本格的な冬シーズンの前に、タイヤチェーンを買っておいたほうが賢明です。

早めにゲットしておけば着脱の練習ができますからね。

ちなみに、タイヤチェーンは高いものだと2万円以上しますが、5千円以内で買えるものもあります。

カー用品店に出かけた際にでも、最新のタイヤチェーンをチェックしてみてください。

ライター:加藤 貴之
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