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雪国じゃない地域の“スタッドレス事情”…「履き替え」or「乗らない」みんなどうしてる?

棚に並べられたタイヤ
東京都をはじめ「年に数回雪が降るかどうか」という地域では、雪が積もると必ずといっていいほど立ち往生や事故などの交通トラブルが頻発します。

一方で、スタッドレスタイヤに交換しても、「今年は雪の日に運転する機会がなかったな」という思いをしたことのある人もいるでしょう。

こうしたエリアの住民にとって、「毎年スタッドレスタイヤに交換するかどうか」は悩みの種であると考えられます。

今回は東京都に住むドライバーに、「冬のタイヤをどうしているか」について聞きました。

降らなかったとしてもスタッドレスが安心!


棚に並べられたタイヤ

@alfa27/stock.adobe.com



まずは毎年、冬が来るたびにスタッドレスタイヤに履き替えているというドライバーの声を紹介します。

「通勤で毎日乗るので、スタッドレスです。冬に雪が降らないかどうか気にするのは面倒ですし、安心感がありますしね」(30代女性)

やはり通勤などで車を使う頻度が高い人の場合には、数少ない雪の日に運転することになる可能性も高いといえます。雪が降ってもすぐに車を出せるというのは、スタッドレスの大きなメリットです。

さらに、異なる角度からの意見もありました。

「毎年スタッドレスですね。雪はほとんど降らないんですけど、よく通る道に橋があるので、凍結が怖いなと。ノーマルタイヤで凍結路に突っ込んだら、どうしようもないですから」(50代男性)

たしかに雪が降っていなくとも、道路の環境によっては路面凍結が発生しやすいポイントもあるでしょう。

冬道のさまざまなリスクに備えるうえでも、スタッドレスは望ましい対策だと考えられます。

そのほかにも、移動の不自由をなくすためにスタッドレスに交換している人は多いようです。

「旅行が好きなので、スタッドレスにしています。年末年始の休みとか、行ける場所が限られちゃうのも嫌だなって。旅行先の選択肢が増えると思えば、タイヤ代はそこまで無駄には感じないですね」(50代男性)

帰省先や旅行先によっては、居住地よりも積雪の可能性が高くなることも考えられます。

行動範囲をなるべく広く確保するうえでも、スタッドレスは有効な対策です。

環境によっては「降ったら乗らない」という選択肢も


雪の積もった車

反対に、タイヤ交換はせずにノーマルタイヤのままにしているという人の声を紹介します。

「スタッドレスは買ったことがないですね、この辺だとお金がもったいないので。平日は電車通勤で乗るのは休日くらいですし、雪が降っても徒歩圏内に買い物できる場所はあるので、とくに困らないかな。病院に行くような状況になったら、タクシーを呼べばいいですしね」(40代男性)

普段の主な移動手段が電車やバスの場合には、マイカーにスタッドレスを装着する必要性は感じにくいかもしれません。

さらに、歩ける範囲に商業施設があれば、車が使えなくても困るケースは少ないのでしょう。

また、複数台を所持している家庭では「スタッドレスとノーマルの車を使い分けている」というお話も。

「家族用のミニバンと通勤用の軽の2台を維持していて、軽の方は毎年スタッドレスにしています。サイズが小さいからタイヤ代も安いですし、タイヤも軽くて自分で交換するのも簡単ですし。

ミニバンはいつも休日にしか動かさないので、基本はノーマルのままですね。4人家族なので、雪の日に車が必要なら軽でもどうにかなりますからね」(30代男性)

このように状況にあわせて選択することも、合理的な方法だと考えられます。

また、そのほかにも以下のような対策をしている方もいました。

「オールシーズンタイヤを装着しているので、スタッドレスにはしないですね。オールシーズンでも雪国だったら絶対に無理でしょうけど、この辺だったら積もっても数cmですし、これで十分かなと」(40代男性)

オールシーズンタイヤは夏タイヤと冬タイヤの特性を兼ね備えたタイヤであり、雪道の走行も想定されて開発された製品です。

そのため積雪が浅い場合には十分に対応が可能だと考えられますが、スタッドレスに比べると凍結路面に弱い性質もあり、冬道を全般的にカバーできるわけではありません。

とはいえ雪が年に数回しか降らないような地域では、交換の必要なく万が一に備えられるタイヤとして、有力な選択肢にもなりうるでしょう。

「降ったときだけチェーン」最近は装着もラク?


布製チェーンを履いたタイヤ

©sea and sun/stock.adobe.com



最後に紹介するのは、普段はノーマルタイヤのまま、積雪時にだけチェーンを装着するというドライバーの声です。

チェーンというと、装着が大変なイメージがありますが……。

「以前は毎年スタッドレスに履き替えていたんですけど、一昨年くらいに布製のチェーンがいいらしいという評判を聞いて、試しに買ってみたんです。

それから2回ほど積雪があった日に運転していますが、恐怖感もなく普通に操作できたので、これからはずっと布製チェーンを積んでおけばいいかなって」(40代男性)

布製チェーンは近年じりじりと人気を集めており、被せるだけで装着できる手軽さを最大の特徴としています。

JAFの実験においても圧雪路での一定の性能が確かめられており、「雪が積もったときだけサッと装着できる」という便利さが好評を博しているようです。

さらに、布製チェーンに関してこんな意見もありました。

「チェーンは装着できる自信がなくて、毎年スタッドレスにしていたんですが、去年夫が布製チェーンを買ってきたんですよね。私も練習してみると、5分もかからずに装着できて、これなら大丈夫だろうと。雪の日に運転したのはまだ1回だけですけど、全然普通でしたね。

ただ、30kmほど走っただけで結構摩耗している感じがあったので、数シーズンごとに新しいのを買わないといけないなと思います」(30代女性)

このように、手軽に雪上走行を可能にしてくれる布製チェーンですが、長距離の走行には向かない点には注意が必要です。

あくまで緊急用に車載しておき、使用するのは「雪が積もっているけれども車で移動しなければならない状況」に限るのがよいでしょう。

ここまで紹介したように、雪があまり降らないエリアでは、スタッドレスタイヤのほかにもオールシーズンタイヤやチェーンなど、いくつかの対策方法が考えられます。

ただし、「予想外の路面凍結」など、冬道のリスクを幅広くカバーできるのはやはりスタッドレスタイヤだといえます。

その他の対策をとる場合には「それぞれの特性を理解すること」に加えて、「その対策で自分の使用環境をカバーできるか」をしっかり検証しておく必要があるでしょう。

ライター:鹿間羊市
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