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10万Kmで寿命はウソ?実際に走れる距離や愛車を長持ちさせる方法を調査してみた

赤色

「車は10万Kmで寿命」を大きく覆すチャレンジ


車の走行距離 車の寿命 メンテナンス

「車は10万Km走ると寿命」とはよく聞く話ですが、この定説を大きく覆すチャレンジに取り組む事業者があるようです。

2024年8月5日、株式会社ドリームゲートがプレスリリースを発表。

これによると、同社のポルシェレンタルサービスにて、「ポルシェ996 走行距離100万kmチャレンジ」が開始されるとのことです(本コラム公開時点では開始されています)。



このキャンペーンは、ポルシェ 911カレラ(996.1型)を格安で貸出し、不特定多数の顧客に乗ってもらうことにより、走行距離100万kmを目指すものです。

3部構成の企画となっており、第1弾「Shoot the Moon」では走行距離38万4千km(月までの距離に相当)を目標としています。

キャンペーンに使う911カレラは、企画スタート時点で約13万kmを走っている車両とのこと。

通常なら廃車も視野に入る車両といえますが、ぜひとも走行距離100万kmを達成してほしいですよね。

走行距離10万kmはまだまだ寿命じゃない?


走行距離13万kmのポルシェを使う長期キャンペーンがあるぐらいですから、「車は10万Kmで寿命」なんて考える必要はないのかもしれません。

ここで1つ、車の寿命に関する意識調査のデータを見てみましょう。

次のグラフは、「ハイエース買取専門店ボロボロエースカウカウ」を運営する株式会社Direct Stock Japanが2024年5月30日に発表した、廃車のイメージに関するプレスリリースから引用したものです。



こちらのグラフには、「故障のない車が廃車になると思う走行距離(=中古市場価値がなくなると思う走行距離)」を200人にアンケート調査した結果がまとめられています。

20万〜24万kmが1位、15万〜19万kmが2位と続き、一般的に寿命といわれる10万〜14万kmは3位になっていますね。

また、回答に15万km以上の距離を選んだ人は200人中157人と、全体の4分の3以上を占めています。

この調査結果を見るかぎりだと、「車は10万kmで寿命」と考える人はあまり多くないようです。

では実際のところ、車はどのぐらいの走行距離まで耐久できるのでしょうか?

総走行距離の自己最高記録を教えてください


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筆者がトラックドライバーの友人から聞いた話では、「長距離トラックには100万km走っている車がザラにある」そうです。

「ケチって走行100万km超の中古トラックを買う会社もある」のだとか。

では、より一般的な車の場合はどうなのか。

乗用車が走れる距離の限界を知るために、知恵袋サイトで「今までに所有した乗用車の中で、最も長距離を乗った車と、その車の総走行距離を教えてください」と質問してみました。

質問へのご回答


「スズキ カプチーノ。32万Km走っていて、今は子供が乗り継いでいます。オイルを5千Kmごとに交換して、ゴムパーツの交換をマメに行っていたことが長持ちの秘訣ですかね(Hさん)」

「仕事用のサンバートラックは長持ちしてくれました。使用期間18年で走行36万Km、故障もしたけれど大きなトラブルはなかったですね(Mさん)」

「北米仕様のカムリ・ハイブリッドに10年乗りました。走行19万Kmまで乗りましたが、ハイブリッド用バッテリーの交換が必要になり手放しました(Sさん)」

Hさんのカプチーノは1991年発売の前期型で、エンジン載せ替えはしていないとのこと。

軽スポーツカーで32万km走っていて、今も現役とは驚かされます。Mさんのサンバートラックも長寿命ですよね(乗用車じゃないけど)。

このように30万kmを超えて走る、または走っていた軽自動車がある一方で、Sさんのカムリは19万kmで手放されています。

ハイブリッド車の場合、“駆動用バッテリーの寿命=車の寿命”になりやすいのかもしれません。


愛車を長持ちさせるには?


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知恵袋サイトへのご回答を見るに、一般的な乗用車でも走行30万kmを超えて乗り続けられるようです。

中古車市場には走行90万km以上の車も流通しているようですし、乗用車って想像以上に頑丈なのかも。

ただ、車の耐久性には個体差がありますし、乗り方やメンテナンスによって故障の頻度や程度が変わると考えられます。

大きなトラブルなく走行距離を伸ばし、愛車を長持ちさせるにはどうすればいいのか、一般論を調べてみました。

定期的なオイル・オイルフィルター交換


車の走行距離 車の寿命 メンテナンス

車を長持ちさせるために欠かせないのが、エンジンオイルとオイルフィルターの定期的な交換です。

といっても、1千Kmごとや2千Kmごとといった、頻繁な交換が必要なわけではありません。

知恵袋サイトにご回答いただいたMさん(元サンバートラック乗り)によると、エンジンオイルは5千Kmごと、オイルフィルターは1万kmごとに交換していたとのこと。

これはごく一般的な交換頻度といえます。

カプチーノ乗りのHさんも「オイル交換は5千Kmごと」でしたから、オイル・オイルフィルターの交換は一般的な頻度で十分なのでしょう。

要は、ごく普通の定期オイル交換をサボらずに行いましょう、ということですね。

なお、エンジンオイルは空気や水分の影響で劣化します。

あまり車に乗らない期間が続く場合も、オイル交換は定期的に行いたいところ

具体的には、半年ごとを目安にした交換がおすすめです。

なるべく毎日走らせる


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車は走ることを前提につくられた機械ですから、動かさないと不具合が生じやすくなります。

逆にいうと、毎日走らせることが愛車のコンディション維持に有効であり、ひいては長寿化にも役立つということになります。

ただ、毎日走らせるといっても、短距離ではあまり意味がありません。

というのも、エンジンが本来の性能を発揮するには、ある程度の距離を走り、水温を高める必要があるからです。

本来の性能を発揮させることが、エンジンの健康維持には重要です。

できれば毎日30分ほどの走行を行いたいところですが、無理なら休日に遠出するだけでもよいでしょう。

遠出する際は、高速道路を経路に入れるとベターです。

古い車に厳しいご時世だけれど


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ここまでの内容を踏まえると、「車は10万kmで寿命」なんて考える必要はなく、乗用車でも扱い次第で走行30万kmを超えて乗ることが可能だといえます。

ただ、初度登録から13年経った車(エコカー除く)は自動車税が高くなってしまうんですよね。

環境性能の高い車が優遇される昨今は、ガソリン車やディーゼル車に長く乗りたい人には厳しい時代なのかもしれません。

とはいえ、海外で走る古い日本車を動画サイトなどで見ると、「型落ちモデルや過走行車もまだまだ乗れるんだよなぁ」なんて思います。

日本車は頑丈ですから、大切にすれば長く乗れるんですよね。

もし、今の愛車が気に入っているなら、なるべく大事にして、走行距離の最長記録に挑戦してみるのもいいかもしれません。

20万km、30万kmと乗り続ける中で、愛車との思い出を心に刻んでいく。そんなカーライフも素敵ですよね。

ライター:加藤 貴之
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