事故相手も警察も信用できない今はもはや必須アイテム?進化続ける「ドライブレコーダー」、役に立ったか聞いてみた

進化を続けるドライブレコーダー

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日本初の業務用ドライブレコーダーが発売されたのは2003年のこと。2006年には一般ユーザー向けの機種が登場し、普及が進んだ現在では、ドライブレコーダーは定番のカー用品となっています。
また、初登場から20年以上が経った今もドライブレコーダーは絶賛進化中。
新製品が毎年発売されており、2025年バージョンの製品もすでに発表されています。
ドライブレコーダー搭載デジタルミラーの新製品が登場
2025年1月7日、アルパインマーケティング株式会社が、ドライブレコーダー搭載デジタルミラーの新型モデルをプレスリリースで発表しました。
新発売される製品は、12型モデルと10型モデル各2機種ずつの合計4機種で、次のような特徴を備えています。
・薄型ボディと新デザインを採用
・動作状態がひと目でわかる「インテリジェントクリスタルキー」を搭載
・12型モデルに1920×440画素のHD液晶を採用
・逆光やノイズに強い200万画素フルHDカメラをフロント・リアに採用
・液晶ミラーの表示を3段階にサイズ調整できるデジタルズーム機能搭載
・駐車録画モードを標準搭載
・車種専用のオープニング画像を表示可能
この新型4機種はいずれも純正ミラー交換タイプで、高性能なだけでなくスタイリッシュ、エンタメ要素も取り入れたモデルシリーズとなっています。
……という感じで、最新のドライブレコーダーはスマートでカッコよく進化している模様。
すっかり定番化したカー用品だけに、メーカーも開発に力を入れているようですね。
ところで、実際のところドライブレコーダーってどのぐらい利用されているのでしょうか?
ドライブレコーダーの利用実態調査
パイオニア株式会社が2024年12月4日に発表したプレスリリースによると、ドライブレコーダーの利用実態に関するアンケート調査で次のデータが取れたそうです。
この調査は自宅に車がある全国の男女1,000名を対象としたものです。ドライブレコーダーを設置している人は63.8%と、全体の過半数を超えていますね。また、近畿地方と東海地方では特に設置率が高いようです。
ドライブレコーダーが安全意識向上に役立っている
パイオニアのプレスリリースには、ドライブレコーダーと安全意識について質問した結果も掲載されています。
次の調査グラフをご覧ください。
グラフにあるように、回答者の75.8%が「ドライブレコーダーの設置により運転中の安全意識が向上する」と感じているようです。
この調査結果は、ドライブレコーダーの持つ「ユーザーの運転を監視する装置」としての効果が現れたものといえるでしょう。
ドライブレコーダーは走行中の出来事を客観的に記録するため、ユーザーにとって都合の悪い証拠映像を残すこともあります。
そんな装置が愛車に付くことで、いっそう気を引き締めて運転するようになるのは当然のこと。
ドライバーのお目付け役となることで、ドライブレコーダーは交通安全に貢献しているようですね。
ドライブレコーダーの真価はどのように発揮されている?
パイオニアの調査データから、ドライブレコーダーは多くのドライバーに利用されており、ユーザーの安全意識向上に貢献していることがわかりました。
……が、ドライブレコーダーって本来は、交通トラブル発生時に役立つアイテムですよね?
それならば、この装置がどのようなシーンで真価を発揮しているのか知りたいところ。
次節では、ドライブレコーダーが交通事故の証拠として役立った事例を見てみることにしましょう。
ドライブレコーダーが役立った経験はありますか?

ドライブレコーダーが役立った事例を探るために、知恵袋サイトで「交通事故などでドライブレコーダーが役立った経験を教えてください」と質問してみました。
お寄せいただいた回答を見ていきましょう。
質問にいただいたご回答
「事故原因の証明にドライブレコーダーが役立ちました。雪の日、一時停止せず飛び出してきた自転車を回避して壁に衝突。映像がなかったら、ただの単独スリップ事故と思われていたでしょうね(Mさん)」
「一時停止無視の車に衝突されたとき、ドラレコ映像の提示で過失割合を0対10にできました。保険屋は最初1対9って言ってたんですよ。ドラレコを付けていてよかったです(Fさん)」
「人身事故で検察に起訴されましたが、ドラレコ映像のおかげで有罪を免れました。事故相手はこちらが猛スピードで走ってきたと主張したのですが、実際に私が出していた速度は20km/h。こういうウソを平気でつく人いますからドラレコは必須です(Bさん)」
……ということで、ドライブレコーダーの映像が証拠となり、ユーザーが不利益を免れるケースは実際にあるようです。
驚くべきはBさんの事例。刑事裁判の有罪率は99.9%とされていますが、検察に起訴されたBさんはドラレコ映像のおかげで無罪となっています。
こうした事例を見ると、ドライブレコーダーはただのお守り以上の働きをする、重要なアイテムであることがわかりますね。
ドライブレコーダーの選び方
交通トラブルの重要証拠を残してくれるドライブレコーダーですが、いざ購入しようと思うと、機種選びに迷ってしまうかもしれません。そこで、ドライブレコーダーの選び方について、簡潔にまとめてみました。
ドライブレコーダー選び3つのポイント
【ポイント1】カメラの数とタイプ
ドライブレコーダーをカメラの数と種類でタイプ分けすると、次の5つに分類できます。
・カメラ1台で車両の前方を監視するタイプ
・カメラ2台で車両の前後を監視するタイプ
・カメラ3台で車両の前後と車内を監視するタイプ
・360度カメラで全方位を監視するタイプ
・360度カメラとリアカメラで全方位を監視するタイプ
前方用カメラ1台の機種は比較的安価ですが、車両後方を監視できない点に注意が必要です。
追突事故やあおり運転の証拠を残したいなら、2台または3台のカメラが付いた機種を選んだほうがよいでしょう。
【ポイント2】カメラの性能
ドライブレコーダーを選ぶ際は、搭載カメラの性能を入念にチェックしましょう。次のポイントを押さえておくと、カメラ性能の低い機種を選ばずに済みます。
・画素数200万画素以上、記録解像度フルHD以上の機種を選ぶ
・前方カメラの水平画角100度以上・垂直画角55度以上の機種を選ぶ
・暗所に強い高感度センサー搭載機種を選ぶ
・白とび・黒つぶれに強いWDR対応機種を選ぶ
・LED信号機対応機種を選ぶ
カメラ性能が低いドライブレコーダーでは、明瞭な証拠映像を記録できません。
目当ての機種の画質を確認したいときは、動画投稿サイトやSNSなどでレビュー動画を探してみるとよいでしょう。
【ポイント3】機能の充実度
ドライブレコーダーの搭載機能は機種により異なります。
自分にとって不便な機種を買ってしまわないように、製品選びでは次の機能の有無をチェックしてみてください。
・GPS(車両の位置情報を記録)
・衝撃センサー録画(衝撃発生時の映像を上書きされない領域に保存)
・無線LAN機能(スマホでドラレコを操作・映像確認できる)
・駐車監視機能(駐車中に録画を継続)
駐車監視機能については、使用にオプションが必要な機種と、オプション不要の機種があります。
追加費用なしで駐車監視機能を使いたい場合は、後者を選ぶとよいでしょう。
最新ドライブレコーダーをチェックしよう

筆者が運転免許を更新したときに見た講習ビデオには、ドライブレコーダーで撮られた事故映像が数多く使用されていました。
そのリアルな映像に気の引き締まる思いがするとともに、「ドラレコって事故の明確な証拠になるんだな」と実感しましたね。
ちなみに、ドライブレコーダーアプリを入れることで、スマホもドラレコとして活用できます。
ただ、スマホは熱暴走する場合があるので要注意。確実に証拠映像を記録したいなら、ドライブレコーダー専用機を使ったほうがよいでしょう。
あおり運転が問題視されている昨今、証拠映像の重要性は高まっています。
まだ愛車にドライブレコーダーを取り付けていない方は、カー用品店やネットショップなどで、最新製品をチェックしてみてはいかがでしょうか。
ライター:加藤 貴之
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