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パワーウィンドウ

パワーウィンドウの故障原因と症状は?修理・交換費用や自力で修理する方法も



パワーウィンドウの仕組み

ボタン

©Gudellaphoto/stock.adobe.com

スイッチ操作でドアガラスを開閉できるパワーウィンドウ。

便利な機能である反面、故障すると車の利用に支障が出る機構でもあります。

パワーウィンドウの故障にスムーズに対応するには、その構成パーツとメカニズムについて知っておくことが肝要です。

パワーウィンドウの構成パーツ

パワーウィンドウの主な構成パーツには、次の3つがあげられます。

・スイッチASSY
・モーターASSY
・レギュレーター

スイッチASSY(アッシー)は各ドアに備わる操作用ユニットで、レバーや基板などの部品で構成されています。

モーターASSYは、モーター本体とギア部、コネクター部、ECU(コンピュータ)の4つが組み合わされたユニットです。

内部にはモーターの動きを検出し、システム制御や挟み込み防止に必要な信号をECUに伝えるパルスセンサーが備わっています。

レギュレーターはドアガラスを上下させる可動パーツです。

シングルアーム式、Xアーム式、ワイヤー式などの種類があり、各タイプには、モーターの力をウィンドウ開閉の動きに変換するギアまたはワイヤーが備わっています。

パワーウィンドウの主要機能とメカニズム

マニュアル・オート開閉
パワーウィンドウのスイッチは2段階式になっており、1段階目の操作でマニュアル開閉、2段階目の操作でオート開閉が作動します。

1980年代中ごろまでは、開閉のどちらもスイッチの押し下げで行う操作方式が主流でした。

現在の操作方式は、スイッチ押し下げでドアガラスが開き、引き上げ操作で閉じるプッシュ・プル式が主流です。

パワーウィンドウのメカニズムは、ドアスイッチを操作するとモーターASSYが作動し、レギュレーターがドアガラスを上下動させる、というシンプルなもの。

ただし、オート開閉については、パルスセンサーによるモーター回転の検出とECUの演算を組み合わせた、高度なドアガラス位置学習システムにより実現されています。

挟み込み防止機能
パワーウィンドウが物体の挟み込みを感知すると、自動でドアガラスが50〜200mmほど開いて停止します。

この挟み込み防止機能は、パルスセンサーとECUにより実現される機能です。

パワーウィンドウに挟み込みが発生すると、パルスセンサーが発する信号の変化や乱れ、電圧降下などをECUが感知します。

これにより、挟み込み防止機能が作動するのですが、ドアガラスが締まり切る直前や全開位置付近では、誤作動防止のために同機能が働きません。

パワーウィンドウの代表的な故障原因と症状

窓

©Andrey Popov/stock.adobe.com

可動する機構は一般的に故障しやすく、パワーウィンドウもその例にもれません。

では、どのような要因で故障が生じるのか、代表的な故障原因と、よく起こる症状を見ていきましょう。

ガラスランの劣化

ガラスラン(窓枠のゴム製シール)が摩耗や経年劣化で変形したり、レール部分にゴミが溜まったりすると、パワーウィンドウの動作に支障が出ます。

ドアガラスの開閉速度が低下するほか、イレギュラーな抵抗により、パワーウィンドウの機構が損傷する場合もあります。

レギュレーターの作動不良

レギュレーターが歪みや摩耗などで劣化すると、パワーウィンドウの動きが遅くなったり、不安定になったりします。

これら症状の根本原因には、前述のガラスランの劣化や、レギュレーターのグリス切れなどがあげられます。

スイッチASSYの故障

スイッチASSYの電子回路が故障すると、パワーウィンドウが作動しなくなります。

電子回路の故障原因となるのは、ガラスランの劣化やレギュレーターの作動不良などによる抵抗の増大です。

これら原因によりパワーウィンドウに負荷がかかると、電子回路に過大な電流が流れてしまい、断線やショートを引き起こします。

バッテリーの劣化

車のバッテリーが劣化すると、パワーウィンドウの動きが遅くなります。

また、オート開閉機能や、挟み込み防止機能の作動不良を起こす場合もあります。

その他の故障原因

上記4つ以外のパワーウィンドウの故障原因には、次のようなものがあげられます。

・ モーターの故障
・ドアガラスの取り付け不良
・スイッチの破損
・コネクターの接続不良

これらの原因により、開閉動作が不安定、ドアガラスが上がらない、スイッチ操作に対する反応がないなどの症状が現れます。

チャイルドロックがかかっているだけかも?

最近の車は「チャイルドロック」が備え付けられているクルマも増えてきました。

子供が知らない間に操作したりすると、スイッチが動かない場合もありますのでチャイルドロックの確認も忘れずに

パワーウィンドウが初期化(リセット)された

車種によってはバッテリー端子を外したなどで、パワーウィンドウが初期化(リセット)されてしまうと、下がらなくなることがあります。

仮にバッテリー交換をしても窓が開かない場合は、パワーウィンドウのリセットを行う必要があります。

パワーウィンドウの初期設定を行う方法については後述しています。

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