販売店に並ぶキャンピングカー

キャンピングカーの中古車ってどう?メリット・デメリットについて



車を購入するとなると、まず検討するのは「新車を買うか、中古車にするか?」ではないだろうか。

昨今の人気ぶりを受けて、キャンピングカーの中古車も大人気。

だがその事情は普通車とはちょっと違う。

そんなキャンピングカーの中古車選びについてお話ししよう。

メリット・デメリットは?

停められたキャンピングカー

いきなり結論に飛びつくようで恐縮だが、中古キャンピングカーのメリット・デメリットについて考えてみよう。

メリット

◯価格が安い
新車より値段が安いのはもちろんメリットである。が、一般的な車と比べると値下がり率は非常に緩やかなので、初めて中古キャンピングカーのプライスタグを見た人は「え?中古なのにこんなに高いの?」と思うらしい。

裏を返せば、自分が手放す時のリセールバリューが高いとも言えるのだが、中古車だからぐっと安くなるということは残念ながら少ない。

格安を狙うのもいいが、安いのにはそれなりに理由があると思うべきだろう。

○納期が短い
キャンピングカー人気の高まりで、新車の納期は長い。

ビルダーやモデルにもよるが、今や半年待ちなら短い方。人気車種なら一年以上もザラである。

その点、中古車は1カ月もあれば納車される(納車前点検などでそのぐらいは所要する)のは魅力的と言えるだろう。

デメリット

◆あくまでも一期一会
走行距離やオプションなど、いざ購入しようと思えば気になることは多々あるだろう。が、中古車はある意味「ワンオフ」のようなもの。

同じ条件の車はふたつとないと思ったほうがいい。

希望の条件に少しでも近い物がみつかったら、それは「チャンス」と思うべき。逃してしまうと、次のチャンスはなかなか巡ってこない。

その一方で、多少妥協して購入したら、後からもっと条件の良いものが出てきたり……。正直、見極めはなかなか難しい。

◆価格が高い?
メリットのひとつとして「価格が安い」と書いたのに、逆のことを言うようで申し訳ない。が、現状は昨今のブームで高値安定状態。

高年式(=新しい)の人気モデルともなると、新車とさほど変わらない価格がついていたりもする。すぐにも乗りたい!という気持ちも判るが、そこは冷静に。

新車と変わらぬ価格を支払って、内容も新車同様なら問題はなかろう。

だが、欲しい装備はついているか、もしついていないなら、追加工事にどれほどかかるか(価格的にも・日程的にも)、そもそも取り付けられるのか? など、冷静に見極めないと、むしろ高い買い物になる可能性もある。

中古車の賢い選び方はある?

中古キャンピングカーの選び方を教えてください! と、よく相談を受ける。

そんなときは、私の考えをお伝えすることにしている。

私が思う「上手な中古キャンピングカー選び」とは、ずばり「店選び」である。

中古車はキャンピングカー専門店で!

キャンピングカー販売店

ご承知のように、キャンピングカーには「車」の部分と「家」の部分がある。そしてそれぞれにメンテナンスが必要だ。

その点、きちんと面倒を見てくれるお店を選ばないと、あとあと苦労することになるのはお判りいただけるだろう。

昨今の人気ぶりのおかげで、一般の中古車店にもキャンピングカーが並んでいることがある。だが気を付けてほしい。

彼らは「車」のプロではあっても「家」は守備範囲外なのだ。

たとえ特別な装備がほとんどない、ごくシンプルな車中泊仕様車であっても、サブバッテリーシステムは?FFヒーターは付いて? など、キャンピングカーならではの装備はいろいろある。

そういう意味で、「中古キャンピングカーの購入は、必ずキャンピングカー専門店で」が大原則だと思っている。

専門店でも来歴は要確認!

キャンピングカー の電装系

キャンピングカー専門店で買うとしても、注意すべき点はある。

中古車は千差万別・ケースバイケースだが、特に注意してほしいのは『前オーナーがカスタマイズしていないか?』ということ。

特に、素人判断での勝手なバッテリー増設などは、危険をともなうことがある。電気系統の改造は要注意だ。

そして、販売している店が、改造の程度を含め、その車の来歴をどこまで把握しているかも確認したい。

何が・どういじられているか、販売する側が理解できていないと、あとからトラブルが発生しても対処のしようがない場合だってあるのだ。

その上で、故障の際には面倒を見てもらえるのか。パーツは手に入るのか。契約前に明確にしておくこと。

それがあとあとのリスクヘッジになる。

相場感覚をつかんでおくこと

販売店に並ぶキャンピングカー

次に相場をよく研究することも必要だ。キャンピングカー専門誌やネットを見れば、自分が欲しい車の大体の相場価格が判るだろう。

相場を外れて、極端に高い・安い車は、何らかの理由があるはずだ。

安いからといって安易に飛びつくのは危険なのは言うまでもない。

「過走行」のような判りやすいものから、料理や動物の「匂い」など、生活にかかわる理由も考えられる。

ネットの中古車情報だけではわからないこともあるので、必ず実車を見て、価格相応かどうかをよくよく確認しよう。

さあ契約!その前に&納車されたら

キャンピングカー の電装系

いよいよ購入を決めるとなったら、条件をしっかり詰めよう。

タイヤ、メインバッテリー、サブバッテリーは、高年式の車や最近替えた、というのでないかぎり、新品に交換してもらおう。

多少の値段アップがあっても、後から交換するよりは絶対安いはずだ。

また、納車後のトラブルについての保証範囲も必ず確認しておこう。

キャンピングカーの冷蔵庫

納車されたら各種装備の動作チェックは必ずしよう。

エンジン、ブレーキ、ハンドル操作はもちろんだが、
・ベッド展開はスムーズか?
・水道ポンプは動くか?
・冷蔵庫は冷えるか?
などなど、居住空間を含めたすべての装備を動かしてみることが大切だ。

夏に納車されてFFヒーターをチェックせず、いざ冬になったら動かない……なんてことがないようにしておこう。

新車よりも安価で、すぐに乗れるのが中古車の魅力。だが、その魅力に惑わされないように心しよう。

相場を学び、メンテナンスのことも考える。

そういう視点で考えて、信頼できるお店と巡り合えれば、キャンピングカーライフはより充実したものになるはずだ。