ワンボックスカーのメリットは?ミニバンやSUVとの違いや人気車種
目次
ワンボックスカーとは?
「ワンボックスカー(1BOXカー)」とはボディ全体が1つの箱型になっている車のことです。
ワンボックスカーはフロントシート下にエンジンを置く「キャブオーバータイプ」の車であり、ほかの車種に見られるボンネットを持ちません。
また、ワンボックスカーは商用貨物車をベースに発展した車種であり、広い車内スペースを持つことが最大の特徴です。
特にフロントシートより後ろの空間が広く、他車種とくらべて積載性に優れます。
近年のメディアはミニバンとワンボックスカーを同一ジャンルとして扱う傾向にありますが、正確には両者は異なる車種です(両車種の違いは後述)。
車のタイプを分ける「ボックス」とは?
ワンボックスカーの名称にある「ボックス」とは、エンジンルーム、居住空間、荷室が収まるスペースを指す車用語です。
ボックスは建物でいう部屋であり、ワンボックスカーでは1室(ワンボックス)に上記の3セクションすべてが収まっています。
こうしたボックスでのジャンル分けは、ワンボックスカー特有のものではありません。
ワンボックスカー以外の乗用車は、ツーボックスカーまたはスリーボックスカーなどに分類されます。
ツーボックスカーとは?
居住空間と荷室が一体になったスペースと、エンジンルームの2室で車体が構成される車をツーボックスカーと呼びます。
ステーションワゴンやハッチバック車、SUVなどがツーボックスカーに該当します。
ツーボックスは積載性と走行安定性を両立できるボディ構成です。
リアシートの収納により荷室を拡大でき、かつエンジンがボンネット内にあるため車高を低く設計することができます。
汎用性が高く、商用車からスポーティーな車まで、さまざまなモデルの基本構成となっています。
スリーボックスカーとは?
スリーボックスカーとは、エンジンルーム、居住空間、荷室がそれぞれ独立したスペースに収まっている車です。
セダンとクーペがスリーボックスカーに該当します。
スリーボックスカーは車体剛性が高く、車内の遮音性にも優れます。
また、居住空間と荷室が分かれているため、トランクを開け閉めしても外気が室内に入りません。
これらの点から、スリーボックスカーは走行性能と快適性を高めやすいボディ構成だといえます。
ワンボックスカーとミニバンとの違いは?
前述したように、ワンボックスカーとミニバンは異なる車種です。
形状は似ているものの、車体構成や主用途、車種としての成り立ちなどが異なっています。
ミニバンとは?
ミニバンとは、1990年代に確立したカージャンルで、箱型ボディの先端に短いボンネットが備わる3列シート車を指します。
エンジンがボンネット内に収まっているため、ボックスでの分類はツーボックスカーに該当します(ボンネットの短さから1.5ボックスカーとも呼ばれます)。
ミニバンは乗用車向けに開発されたカージャンルであり、元祖とされる三菱 シャリオや日産 プレーリーはステーションワゴンに近い形状をしていました。
また、ミニバンブームの火付け役となったトヨタ エスティマでは、乗用車の設計とワンボックスカーゆずりのパッケージングを融合させています。
こうした成り立ちからわかるように、ミニバンの主用途は乗用です。
現行車においても、商用ベースのワンボックスカーと乗用ベースのミニバンでは、さまざまな点が異なっています。
ワンボックスカーとミニバンの主な違い
エンジン位置と駆動方式
前述したように、ワンボックスカーのエンジンはフロントシート下に収まっています。
エンジンは動力を車両後部に伝えやすい縦置きで、基本的な駆動方式はFR(後輪駆動)です。
これに対して、ミニバンのエンジンはボンネット内に横置きされており、基本的な駆動方式は乗用車の主流であるFF(前輪駆動)です。
なお、4WD車がラインナップされている点は、ワンボックスカーとミニバンで変わりません。
運転席の位置と運転感覚
ワンボックスカーでは運転席がフロントタイヤの上に位置するため、ミニバンとくらべてドライバーの視点が高くなります。
また、ボンネットを持つミニバンとくらべて、ワンボックスカーの運転席位置は車体のフロント寄りです。
このように運転席の位置が違うため、ワンボックスカーとミニバンの運転感覚はやや異なります。
ほかの乗用車種とさほど変わらない感覚で乗れるミニバンに対して、ワンボックスカーの運転感覚はトラックに近く、特に路地や交差点での曲がり方には慣れを要します。