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過ごしやすい天気でも「車で寝てるね」は危険!過去には熱中症による死亡事故も…止めなかった人の罪に?

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「車内置き去り」による熱中症死亡事故が毎年絶えない


車内置き去り 熱中症 死亡事故

©ichikei/stock.adobe.com



車内に子どもを置き去りにし子どもが熱中症などで命の危険にさらされてしまう事故は、「車内置き去り事故」としてニュースなどでも毎年取り上げられるようになりました。

「車内置き去り事故」発生の報道が増えたことを受け、一部の幼稚園や保育園では子どもたちに緊急時の対応を訓練させる動きが見られるなど、大人たちの“子どもの車内置き去り事故対策”に対する関心が高まっています。

子どもの命が危険にさらされてしまう「車内置き去り事故」の多くは、大人の確認不足や認識不足によって発生しており、その危険性を理解していないことが事故発生の原因です。

ペットや、高齢者などの介助を必要とする人たちが「車内置き去り事故」により命を落としたケースもあるため、「車内置き去り事故」の発生に十分注意しなければならないのは子どもを持つ家庭だけに留まらないと言えるでしょう。

5月や6月の外気温30度以下の日でも1時間で車内は危険な暑さに


車内置き去り 熱中症 死亡事故

©New Africa/stock.adobe.com



「車内置き去り事故」は、直射日光などにより温度が上昇した車内から脱出できずに熱中症となり、生命の危険にさらされてしまう事故です。

そのため、30度を超える暑い日には車内の温度が極めて高くなってしまい危険であることを意識する人は多いでしょう。

しかし、本格的な暑さを迎える前、25度前後の過ごしやすい比較的過ごしやすい時期は、窓を開けていれば大丈夫だろうと考えてしまう人が少なくありません。

実際には、3月を過ぎた春先あたりからでも車内置き去り事故による死亡事例はあり、真夏ではないからと言って油断をしてしまうのは極めて危険です。

JAFが行った実験では、外気温23.3度から24.4度の過ごしやすい気温でも、数分程度で車内温度は大きく上昇し、1時間後にはSUVで43.5度、軽ワゴンで37.5度に達し、ほとんどの場合で熱中症が起こる可能性が高いとされる危険な状況になることがわかりました。

「ほんの短い時間だから」「過ごしやすい気候だから」という油断が、取り返しのつかない事態を招くことにつながります。

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車内で仮眠をしているうちに熱中症で死亡という事故も


車内置き去り 熱中症 死亡事故

©Syda Productions/stock.adobe.com



「車内置き去り事故」は、自身で車から脱出することが難しいかその判断ができない子どもや、介助を必要とする人、ペットが熱せられた車内に閉じ込められることで発生する事故です。

しかし、そうではない人にとっても熱せられた車内が危険であることは変わりません。

2021年7月に沖縄県で発生した事故は、当時18歳の男子専門学生が車内で寝込み、その後死亡が確認されるというものでした。

この学生は複数の友人とバーベキューをした帰りに車の助手席で寝込んでいたようで、午前7時頃から車内で仮眠を始め、午前10時頃に友人が声をかけたところ、「大丈夫、起こさないで」と返答。

その後、午後5時頃に友人が再度確認したところ、車内でぐったりとしている様子で発見されました。

車は、窓ガラスが閉じられており、車内温度はかなりの高温になっていたとされ、熱中症により死亡したとされています。

「起こさないで」と言われ放置した友人が罪に問われた


車内置き去り 熱中症 死亡事故

©shirohige/stock.adobe.com



この2021年に沖縄県で発生した事故は、友人らが「起こさないで」という本人の言葉を受けて学生を車内に放置してその場を離れてしまったことで発生したとし、警察は、学生を車内に放置し死亡させたとして友人の19歳の少年に対し2年間の保護観察処分としました。

熱中症は睡眠中でも発症するおそれがあり、夏は熱中症にかかった人の約4割が夜間に発症したとされています。

特に、睡眠中は熱中症による症状を自覚できないため、睡眠中は熱中症が重症化しやすいのです。

子どもや高齢者などの介助を必要とする人以外にも、体調不良者や泥酔者などを放置し死亡させた場合、周囲の人がその保護責任を問われる場合があります。

保護の義務があるかどうかはその状況等によるものの、保護責任があるにも関わらず放置し死亡させてしまった場合は保護責任者遺棄罪、保護の義務がなくとも重過失致死罪にあたるおそれがあります。

この「起こさないで」と言われ車内へ放置しその後熱中症で死亡してしまった事故は夏に発生したものですが、熱中症は前述のとおり過ごしやすい気候であっても発症してしまうおそれがあることから、車内での仮眠や、仮眠をとる前に周囲の人に「放置しておいて」等の旨を伝えてしまうのは危険です。

やむを得ず車内で仮眠をする場合には万全の熱中症対策を行い、また、その周囲の人が仮眠をとる本人から「起こさないで」等を言われたとしても、放置せず、可能であればそれを止めるか、別の場所へ案内するかなど、万が一に備えた対策を行うことが、不幸な事故を防ぐために重要となってきます。

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ライター:MOBY編集部

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