ガソリン価格の高騰は辛い?できる工夫と節約で変わらず車旅を楽しめる理由とは?!
燃費に優れたディーゼルエンジンやハイブリッドは得なのか?
燃料費が高くなったからと燃費の良いクルマに買い換える人がいる。
果たしてそれは本当に得なのか?
お得なクルマの換え時とかといった技もあるのだろうけど、私は基本的にクルマは乗り潰すタイプだから、全くそうしたことに長けているわけでもなければ、そういったことに関しての知識が豊富なわけでもない。
よって、ここでは燃費で有利なディーゼルエンジンを搭載したクルマがガソリン車よりお得なのか、単純にそれのみについて考察してみたいと思う。
車中泊車としてもキャンピングカーのベース車両としても人気の日産キャラバンには、同じグレードでガソリンとディーゼルの2種類のエンジンを用意している。
公正な比較がしやすいので、その日産キャラバンを例に挙げて比較してみよう。
例えばハイグレードなバン GRAND プレミアムGXを例に挙げると、燃料消費率はWLTCモード(国土交通省審査値)郊外モードで、ガソリンエンジン搭載車が8.6km/L、ディーゼルターボエンジン搭載車が11.3km/Lとなっている。
軽油の方が安いだけでなく、排気量もディーゼルのエンジンの方が大きいのに、燃料消費率はディーゼルエンジンの方が優れている。
しかし、車両価格はガソリン車が¥3,192,200で、ディーゼル車が¥3,879,700。
同じグレードなのに、なんと¥687,500もの価格差がある。
燃費だけで考えたらディーゼルエンジンの方が有利ではあるが、この車両価格の差は大きい。
少々ではなくかなり大きい。
普通に乗れる中古車を一台買えてしまう金額だ。
ではこの価格差分を取り戻すには、実際にどれだけ走ったらディーゼル車は経済的にアドバンテージが得られるのか。
仮にガソリンの価格が155円/L、軽油の価格が135円/L(価格差リッター20円)だとした場合で、WLTCモード郊外モードの燃料消費率を適用すると、ガソリン車が1km走るための燃料費は約18円、ディーゼル車が1km走るための燃料費は約12円。
1km走る毎にディーゼルの方が6円お得なことになる。
そこで、車両の価格差の687,500円を1km走る毎の燃料代の価格差6円で割ると114,583。
要するにディーゼル車は114,583km走行しなければガソリン車との価格差が埋まらないということだ。
これはベイシックグレードのバン DX 2WDで比較しても車両の価格差は683,100円あるため、ほぼ変わらない。
言い換えれば、少なくともキャラバンの場合は、燃費だけで考えると最低11.5万km以上走行しなければディーゼルには経済的な優位性が生じないことになる。
ここまで考えただけでかなり頭と時間を使ってしまったので、他の車種やハイブリッド仕様のある車種での比較までする気力は残っていないが、大差ない結果になるのではないかと思う。
新車で購入して20万km以上走るつもりならハイエースやキャラバン(どちらも普通にメンテしてさえいれば20万kmなんて十分に走れるクルマだ)のディーゼル車はお得だと想像がつく。
しかし、リセールバリューの比較までしていないのでそこはなんとも言えないが、10万km以下で買い替えてしまうつもりならどうなのだろうといった感じだ。
中古車の場合は全く同じ条件のガソリン車とディーゼル車が揃うわけではないので比較は難しいが、中古車であってもやはりディーゼル車の方が車両価格は高額になるので、中古でも単純に「燃費が良いからディーゼル!」は正解ではないと思う。
ヨーロッパでディーゼル車の人気が高い理由は、日本の人より走行距離がずーっと長いのが普通だからではないだろうか。
ディーゼル車は、かなり長距離走らなければ経済的なアドバンテージがないのが基本と考えて間違いではないと思う。
結局のところ
個人的には実際にこれまであまり細く経費を計算してみたり、こういった考え方をしたことはなかった。
しかし、やはりたまにはきっちり数字にしてみると目安や目標ができて良いような気もする。
燃料費の高騰が大したことでもないなどと言おうにものなら炎上しそうでもあるし、確かに痛手ではある。
とは言え、少なくとも「もうクルマ旅なんてしていられない!」と叫ぶほどのことではなさそうではある。
どこかで工夫すればなんとかなるレベルだ。
もっと前向きに考えれば、工夫をすれば思わぬ副産物的な効果も得られるかもしれない。
燃料費の高騰なんかに負けないで、知恵を使ってクルマ旅を楽しみましょう!