どれくらい寒い?おすすめの暖房は?車中泊の防寒対策
性能ナンバーワンはFFヒーター
キャンピングカーの暖房で、もっとも安全性に優れ、かつ実用的なのは満場一致でFFヒーターでしょう。
ドイツのベバスト社製なら20万〜30万円ほどのオプション品となります。
寒冷地以外にお住まいの方は装備を迷うオプションかもしれませんが、年に数回でも前泊してスキーに行くような場合は検討の価値あり。
車内の空気を汚さず、車と燃料を共用するタイプなら補給も必要なく低燃費。
それでいて、すぐに「暑すぎる」と感じられるほどのハイパワー。
価格を除けば欠点らしい欠点がほとんどなく「搭載して失敗した」という声を聞いたことがありません。
少しでも寒い日には迷わずスイッチオン……
といきたいところなのですが、実は個人的には気になるところがあります。
動作音です。
内部では燃料が燃焼しているわけですから、無音とはいきません。
「ゴーッ」「ブーン」というような動作音がつねに低く響いています。
車の中にいれば気になるほどではありません。
自宅のファンヒーターが音をたてるのを気にする人がいないように、自分が使うぶんには背景化しているのですが、問題は車外にいる人にとってどうかです。
エンジン音ほどではないにせよ、車の近くに寄れば確実に聞こえますし、静かなキャンプ場でテント泊をしている人には「どこかで機械音がする」と感じられているのではないでしょうか。
それが気になり、寒くても「FFヒーターを使わない」という夜が結構あります。
周囲に人がいないときや、車通りの多い場所限定で使っている、という感覚です。
電気毛布も優秀
空気を乾燥させることなく、かつ騒音問題とも無縁な暖房器具、電気毛布。
FFヒーターを使うのがはばかられるときに愛用しています。
「面」で温まるので、FFヒーターのように寝る場所によって温度差ができるということもなく、なにより肌に直接触れるぬくもりが心地いいのが最大の魅力でしょうか。
注意点としては、キャンピングカーではお馴染みの「擬似正弦波インバーター」では使えない場合があること。
「使えた」という報告も多いため一概にはいえないのですが、マイコン制御の電気毛布など複雑な温度調節をする製品には使えないといわれています。
ダウンシュラフとホッカイロの組み合わせ
私の愛用しているモンベル「ダウンファミリーバッグ #1」の快適睡眠温度域は−3℃以上。
秋冬用のダウンシュラフの場合、シュラフそのものがかなりの保温性能をもっています。
通常、自分の体温が熱源となり、温かく寝られるようにできているはずです。
しかし、幼児は体温が高く高齢者は低いなど、体温には個人差があり、普段から運動不足で低体温気味の私はいつまでも温まらないことも……。
そんなときはホッカイロなど、熱源をひとつシュラフ内に入れるだけでかなり改善します。
電子レンジ搭載車なら、繰り返し使えるカイロもいいですね。
私は料理をしないので電子レンジは載せなかったのですが、アイマスク、肩こりケア、フットケア、カイロなど温熱商品の豊富さには「レンジがあればよかったなぁ」と、ちょっとうらやましくなってしまいます。
シュラフはなかなか洗えないことを考えて毛布を併用していますが、体温を効率的にシュラフに伝えるには直接身体につける方がいいという視点もあり、悩ましいところです。
窓からの冷気を遮断
車中泊の経験者であれば、きっとだれしも「窓からの冷気が体温を奪う」という実感があるでしょう。
サイドドアはまさに「鉄の板」であることを感じさせる冷たさ、そして窓ガラスからはスースーと冷気が下りてきます。
私も窓からの冷気に困り、磁石やゴム紐でカーテンを密着させられないかとあれこれトライしましたが、頻繁に開閉するスライドドアのため苦戦。
オーナーさんによっては発泡スチロールなどで窓パネルをDIYする方もいますね。
いまのところ先述のシュラフを封筒型にして「わ」の部分(生地をふたつ折りにしたときの折り目の部分)を窓側に向けることで冷たい空気を防いでいます。
こうするとほとんど冷気を感じず、シュラフの遮断性に感謝。
それでも寒いときは丸めた衣類を窓側に詰めてみたり、なるべく車の中央寄りで寝たり……。
ただしどれも、ひとり旅のときのみできる方法なので、同乗者がいるときには別の方法も考えなければいけません。
市販のものではアイズ社の車種別「マルチシェード」がよさそうです。
その車にぴったりのサイズで保温・断熱してくれるクッションシートです。もし購入することがあったら、またリポートします。
そんな寒い夜を経験した後の、輝くような朝日。太陽の偉大さを感じるとともに、ピンと張り詰めたような空気や新雪など、寒い季節ならではの魅力があります。
ぜひ冬の車中泊を楽しんでください。