電動キックボードSWALLOW ZERO9は車旅に最適な相棒 -実践編-
実際にやってみたこと
山梨に行く用事があったので、SWALLOW ZERO9を車に積み込んで行った。
甲府駅近辺は南口側の方が栄えているような印象で、これまであまり北口側に足を運んだことがなかった。
そして、南口側は坂らしい坂は甲府盆地の南側の縁までないような感じでずっと平らな地形が広がっている。
しかし、駅北口側には典型的な扇状地のようのような地形が広がり、駅から少し離れるとなだらかな坂が続いている。
JR中央線がちょうど甲府盆地の広い平地の北側の縁を走っているような様相だ。
そして、北口を出てなだらかな坂を真っ直ぐ2km程登った先には由緒ある武田神社がある。
その他、工場の見学のできる古いワイナリーがあったり、学校も多い。
甲府駅北口側は文化的な空気の漂う落ち着いた雰囲気の街だ。
散歩してみたくなる街だが、全体的に緩い坂で構成されているから、徒歩で広範囲を回るのは少々きつく、私は片足に問題を抱えているため徒歩で回るのは不可能(昔は一日に30km以上山中を縦走していたというのに)だ。
逆に考えれば平らなところばかりでもなく、急坂ばかりでもない地形は、電動キックボードの有用性を試すのには絶好の条件だ。
まずはここで試してみることにした。
駅からすぐのコインパーキングとほんの200mほど離れたコインパーキングとでは料金も変わる。
そんなところを見つけるというか、嗅ぎつけるのも旅のテクニック。
多少周囲の視線を気にしつつZERO9でなだらかな坂を2km程登ればあっという間に武田神社に到着。
至って快適だった。
スマホで地図を確認し、また他の神社やお寺や学校などのある道を通り抜け、坂を少し下って行くと、住宅地の中の少し意外な場所に信玄公の墓地があった。
古い住宅地の中の道は舗装が少々荒れているところもあったが、のんびり走れば問題なし。
その後も特に目的もなく適当にぶらぶらしてみたりしたが、とにかく気負わずに動けるところが良い。
速くもなく遅くもない程良いスピード感が大変心地良く、全く体力を使わないことも楽で良いのだが、動力で移動する方が自転車よりむしろ度々止まることに抵抗を感じないような気もした。
ちょっと写真を撮るために停車しても、車体が細身だからかホイールが小さいからなのか、自転車やバイクより気持ち的に邪魔な感じがしないと言うか、他人の迷惑になっている感じが少ないのも良い。
機動力が高くて身軽な特徴は、写真撮影の好きな人にも非常に好都合だと感じた。
次に、同じ山梨県の笛吹市方面に車で移動し、車は敢えて山の少し下の方に駐車し、リニアモーターカーの走行実験を見学できる展望台のあるところまで、幹線道路ではなく、桃畑の広がる農道の坂道をZERO9でトコトコと登ってみた。
たまにすれ違う車のほとんどが軽トラのそんな道も大変快適だ。
たまに農家のおばちゃんが妙な乗り物にビックリして見ていたが、街ではなく、田園風景の中を走るのも気持ち良い。
どちらもハイテク技術の産物なのに、地上最速の乗り物の軌道と最ものんびりな電動の乗り物。その対比がシュールだ。
ペンションをやっている近所(房総半島の鴨川)の友人のところにも持って行って、友人にも試乗してもらった。
車中泊とは直接関係のないことだが、友人が乗っているところを見ていたら、電動キックボードをレンタルしてくれる宿も良いのではと思えてきた。
付近の散策をするのに便利でお客さんに喜ばれそうだ。
実際にはやらなかったけど、漁港の周辺を走り回っていたら釣り場の移動なんかにも便利そうだと思った。
今回はやらなかったけど、やってみたいと思ったことなど
• 私が週末よくいる海岸の駐車場はトイレまで結構距離がある。折り畳み自転車は意外と展開が面倒でトイレまで行くためだけに広げるのは億劫だが、キックボードは本当にサッと出せる感じで、そんなちょっとした用途にも良さそう。
• 上にも書いたけど釣り場の移動。
• 比較的街に近いRVパークなどに車を駐車し、そこから電動キックボードで出かけて街を散策し、良さそうなお店があったらアルコールも飲んでしまう。そして、帰りはキックボードを畳んで収納バッグに入れてタクシーに乗って寝床(車)まで帰る。
• 旅には車で出るが、路面電車や風情のあるローカル線(鉄道)などに畳んだ電動キックボードを持って片道だけ乗り、帰りは電動キックボードに乗って車を駐車した駅まで戻る。乗り鉄・撮り鉄どちらにも対応。
• カヤックやSUPで片道のみパドリングする際の車の回送。
などなど、色々使い方を想像しているだけでも楽しい。
走れる距離・使用できる時間に関して
SWALLOW ZERO9の性能は、バッテリー:48V 13Ah、定格出力:600W、航続距離:~40km、最高速度:40km/hとなっている。
満充電で何時間程度走行できるか直接の記載はないが、距離ではなく時間で表すと、最大の力を発揮しても1時間程度は走れる計算(多分それで基本的な考え方は間違っていないと思う)になる。
1時間と聞くと少ないと考える人もいるかもしれないが、延べ使用時間と考えれば1日の使用時間としては十分だ。
それより基地である車からの足と考えると、40kmも走ることはまずなさそうなので、この性能で不足を感じることはないと思う。
しかし、数日間の旅で使用するとなると、問題はその後の充電だ。
電源の使えるRVパークなどで宿泊するなら、夜のうちに充電しておくことができるので問題ない。
充電できる設備のないところで車中泊をする場合はどうするか。
私の使用しているポータブル電源:EcoFlow RIVER Proは容量が720Wh。
私の場合は、この容量でAC100Vから充電せずに太陽光や走行充電のみで数日間の生活は全く問題ない。
それは実証済みなのだが、SWALLOW ZERO9に充電したら、それだけでRIVER Proを殆ど使い切ってしまう計算になる。
それでは問題ある。
しかし、RIVER Proには容量を倍にできるエクストラバッテリーのオプションがある。
エクストラバッテリーがあればこれまで通りの電気の使用+SWALLOW ZERO9の充電も問題なさそうだ。
皮算用と妄想に耽る
実際に試させてもらって本当に楽しかったのだが、これは乗って楽しむだけのオモチャのようなものではなく、車旅をする者にとってのちゃんとした実用品である実感を得た。
もしSWALLOW ZERO9を入手するなら一緒にRIVER Proのエクストラバッテリーも導入か?などと考えているうちに、全く購入できる算段など立ってもいないのに皮算用を始めてしまった。
SWALLOW ZERO9が¥109,800(改めてウェブサイトを確認したら諭吉一人分、期間セール中のため値下がりしていた。基本価格は¥119,800)で、差し当たり追加したいオプションがフロントキャスター+ハンドル:¥8,000、リモートキー+イモライザー:¥8,000、ワイドタイヤ:¥9,000で、それにRIVER Proのエクストラバッテリー:¥36,700を追加したら合計¥171,500。
これは私が最も多くご購入いただいている価格帯のSUPと同じくらいの金額。
或いはツーリング用の折り畳みシーカヤックはこの2.4倍はする。
そう考えると決して現実味のない話でもないかなどと、SWALLOW ZERO9を連れて長旅に出る妄想に耽ってしまうのであった。
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