新車ハイエースの車中泊ベッドをDIYしてみた。作り方と設計図、費用も公開
目次
必要な材料について
ベッドの素材は、木の温かみを求めて木材をメインにしました。
以下で私たちが用意した材料を紹介します。
カフェ板
ホームセンターへ材料を見に行き、軽量で強度のありそうなカフェ板をみつけて即購入。
良質な国産杉の無垢材で、おしゃれに仕上がりそうだし、値段も1枚1,280円と安価だったのが選んだ理由です。
板の側面が「く」の字になっているのは、並べたときに隙間が開かないように、かみ合うようなするための加工。
サイズは長さ2,000mm、厚さ30mm、幅200mmです。
バラ板
カフェ板と床の間をベッド下収納スペースとするため、重い荷物を載せても床面にキズを付けないようにバラ板を床に敷くことにしました。
1枚250円のバラ板を10枚購入。
サイズは長さ2,000mm、厚さ10㎜、幅97mmです。
SPF材
ベッドの脚の部分にはSPF材を使用。
SPF材とは主に北米産針葉樹の木材のこと。
スプルース(SPRUCE/トウヒ)、パイン(PINE/松)、ファー(FIR/もみ)の頭文字を取ってSPF材と呼ばれます。
長さ1,820mm、厚さ19mm、幅235mmを2枚購入しました。
今回使用したものは1枚2,200円。
ねじれや反りがあるものを選ばないようにしっかり確認して真っすぐなものを選びました。
塗料
塗料には、大きく分けて水性塗料と油性塗料がありますが、今回は水性塗料を選択。
臭いが少ないので車内で使用するには適していると考えたからです。
乾いた後は、水に濡れても基本的にはがれることはない耐水性に優れていることも決め手となりました。
色はウォルナットを選びました。
仕上がりの色は塗って乾いてみないと実際わからないというのが正直なところですが、いい色になったのでとても満足しています。
乾きやすいようになるべく天気のいい日に、換気に気を付けながら作業しました。
必要な道具について
インパクトドライバー
DIYには欠かせない道具の一つです。
ネジ釘で木材を固定するときには必要になりますし、ビットと呼ばれるドライバーの部分をドリルに付け替えると穴開けにも使えます。
電動丸ノコ
木材をカットするために使いました。
コードがある電動丸ノコの場合、コードを切断してしまう可能性があるので、初心者は特に気を付けて作業する必要があります。
グラインダー
砥石を回転させて研磨・切削・研削するのがグラインダー。
木材の曲線部分を磨くのに使用。
使ってみましたが、木材を削りすぎてしまうことがあり、注意が必要です。
おおまかに削りたい箇所にはいい道具だと思いますが、仕上げはサンダーで削ったり磨いたりする方が失敗なく作業できると思います。
ジグソー
ジグソーは、木材を曲線にカットできる電動ノコギリの一種。
私が所有しているジグソーは厚さ3cm以上の木材のカットには向かないようでした。
ジグソーを使うのはほぼ初めてでしたが、使った箇所が少なかったこともあり問題なく加工できました。
サンダー
電動丸ノコでカットした部分には、木のささくれやとげがあり、そのまま使用することはできません。
そこでサンダーで研磨します。
この研磨ができるサンダーは、DIYでは欠かせない道具になります。
ハイエース荷台の計測
ハイエースの荷台には後輪のタイヤハウスが両サイドにあり、就寝スペースが狭くなることが想定されるので、タイヤハウスの上までかさ上げし、荷室幅1,520mmを有効に使えるように、長さ1,800mmのセミダブルサイズのベッドを作成することにしました。
かさ上げする高さはSPF材の幅235mmに設定することで、タイヤハウスをギリギリかわせて、天井までの空間をなるべく確保することもできます。
そうすることで圧迫感も少なくなって安眠できると思いました。
① 荷室幅1,520mm
② 荷室高1,310mm
③ 床寸法1,090mm
④ 荷室長3,000mm(リヤシート展開時1,855mm)
ハイエースの荷室長は3.000mmもあり、サーフボードのようなに長い物や、アウトドア用品など大量の荷物も積めます。
リヤシートを座れるようにしている状態でも1,855mm。
身長176cmの私でも足を延ばしてゆっくり寝られます。
フレームと天板作成
簡単!3ステップ!
私の場合、ベッドの作成に必要な道具をすべて持っていたことや作業倉庫があったことも、ベッドをDIYしようという意欲につながったと思います。
ですが、道具を持っていない人でも大丈夫。
ホームセンターの中には、無料で道具を貸してくれたり、有料になると思いますが木材のカットもしてくれたりするお店もあります。
近所にそうしたサービスを行っているホームセンターがないか、ぜひ探してみてください。
以下に作業の手順と設計図を載せておきます。少しでも参考になればうれしいです。
天板
天板に使用するカフェ板は長さ2,000mm、厚さ30mm、幅200mm。
長さ2,000mmのカフェ板を電動丸ノコで二等分して、1,000mmにしたものを天板として使用。
幅は200mmなので9枚を並べることで全長1,800mmのベッドにしました。
サンダーで仕上げの研磨をていねいに行うと見栄えがよくなります。
タイヤハウス上のサイドフレーム
段ボールで型を取り、カフェ板に転写し、電動丸ノコやジグソーで切ったパーツを組み合わせてサイドフレームを作ります。
タイヤハウスを挟むように設置するパーツ(設計図の①、②)を作って、SPF材にネジ釘(40mm)で取り付けます。
加工した木材のパーツを何度も合わせてチェックし、グラインダーやサンダーで削る作業を繰り返し行って完成させました。
広くはありませんが、丁番(ちょうつがい)で上蓋式にすることで収納場所を確保することもできました。
床面を作成
カフェ板の天板の下をベッド下収納にするに当たって、床面にも木材を敷くことに。
車検などで床面を車外に降ろすときのことを考慮して、なるべく軽く降ろしやすいように、三つに分割しました。
天板と同じ長さの1,000mmにバラ板をカット。電動丸ノコで切った面のささくれやとげを、サンダーで研磨しました。
カットしたバラ板7枚を並べ、インパクトドライバーを使い20mmの角材をネジ釘(25mm)で連結させ、↑写真のような床面を作成しました。
残りの2つはバラ板を6枚並べて作成。合計3つで床面の完成です。
今回のベッド作成では、現場合わせしながら進めていく部分もあり時間はかかりましたが、いろいろ夫婦で相談しながら進めていくDIYは楽しい時間となりました。
設置方法は簡単!3ステップ!
設置は出来上がったパーツを以下の順番で置いていくだけ。
3ステップで簡単に完成します。
① バラ板で作成した床面を3枚置きます。
② タイヤハウスを覆うフレームを両サイドに設置。
③ カフェ板9枚を置きます。
天板の1枚目と9枚目は、小さな角材をサイドフレームにはめ込むようになっているので、運転中に板がずれることはありません。
ハイエースの荷室幅1,520mmで、作成した天板の幅は1,510mm。
ぐらつきもありません。
以上の作業で、車体に穴をあけず、傷をなるべく付けない取り外し可能なベッドの完成です。
タイヤハウスよりも上に天板を載せることで、セミダブルサイズの就寝スペースを確保しました。
家で寝ているのと変わらない感覚で快眠できています。
標準ボディのハイエースの荷室幅を効率よく、できるだけ広く就寝スペースとして使うには、タイヤハウスを避ける設計にするのが要点だと思います。
使ってみて不満な点もあり
木材を使った自作の車中泊ベッドは見栄えもよく、広さも十分でおおむね気に入っています。
ただ、実際に使ってみていくつか不満な点も出てきました。
マットレスは一人用がいい?
車中泊用のマットレスはいろいろな種類のものがたくさん販売されています。
私たちは2人用のセミダブルのマットレスを買ったのですが、1人用のものを2つにすればよかったと少し後悔しています。
セミダブルサイズのマットレスはハイエース標準ボディの荷室空間では大き過ぎて扱いにくいです。
ベッド下に収納している荷物が取りにくい
また、今回DIYしたベッドでは、天板の下に収納している荷物を取り出しにくいという欠点があることもわかりました。
取り出したい荷物の上の辺りの天板を1枚か2枚、大きな荷物の場合は3~4枚外すのが面倒。
狭い車内で外したい天板を避けて移動するのはきゅうくつです。
スライドドアやバックドアを開けて車外に出てから天板を外せば荷物を取り出しやすいですが、いちいち車外にでるのはやはり面倒だし雨の日は濡れてしまいます。
車中泊ベッドのDIYにかかった費用と時間
今回のベッドDIYでかかった費用を計算してみたいと思います。
カフェ板1,280円×8枚:10,240円
バラ板250円×10枚:2,500円
SPF材2,200円×2枚:4,400円
その他の材料:4,000円くらい
水性塗料2,618円×2缶:5,236円
丁番など:3,000円くらい
合計 約29,376円
今回のセミダブルサイズのDIYベッドの材料費は3万円弱でした。
※材料費は選ぶ木材や購入店によって変動するので参考まで。
工具を持っていない場合は購入する必要がありますが、ホームセンターの無料レンタルなどを利用する方法もあります。
仕事の合間をみつけてDIYしていたので、完成まで2週間くらい必要でした。
どういう仕様にするか夫婦で話し合った時間も含めるともう少しかかったと思います。
DIYは時間がかかる作業でしたが、協力して作り上げることができて、愛着の湧く作品になりました。