車中泊
2年間の車中泊で気づいた!車両の傾きによる見落としがちな体調&装備トラブルの原因と解決方法

私たち夫婦は、キャンピングカーで暮らしながらヨーロッパ各地を2年間旅してきました。
車中泊は、好きな場所で自由に寝泊まりでき、アウトドア感満載の素敵な旅のスタイルですが、車中泊スポットが必ずしも水平とは限りません。
車両が傾いていると快適に眠れなかったり、休息が取りにくくなったりすることがあります。
さらに、キャンピングカー内の装備にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
そこで今回は、実際に経験してわかった、車中泊時の傾斜によるトラブルとその対策、そして水平を確保するために使える便利なアイテムを紹介します。

フルタイムでキャンピングカーに暮らしながら、ヨーロッパを巡ること2年。
イタリアを出発し、北極圏のノルウェーやフィンランド、最西端のポルトガルまでと、これまでに17カ国を車中泊で旅してきました。
さまざまな国を訪れ、自然の中でのワイルドキャンプやキャンプ場、RVパークなど、200カ所以上の車中泊スポットで寝泊まりを経験。
ヨーロッパは「キャンピングカーの本場」と呼ばれるだけあって、専用の車中泊スポットが各地に豊富にありますが、すべてが快適に過ごせるとは限りません。
特に、傾斜のある場所も多く、車両が水平でないと、身体だけでなく車内の装備にも悪影響を及ぼすことがわかりました。
どんなに設備が整ったキャンプ場や、絶景の夕日を楽しめる車中泊スポットでも、車が水平になっていなければ快適に過ごすことができません。
実際に傾斜のせいでいくつかのトラブルにも遭遇し、「水平を確保することがいかに重要か」を痛感しました。

車中泊をしていると、思いがけず傾斜がきつい場所で寝ることがあります。
「ちょっとした傾きなら大丈夫だろう」と思ってそのまま寝てしまうことが多いですが、実際に寝てみると、予想以上に体への影響が大きいことに気づきました。
身体が斜めになったり、頭側が下がっている状態で寝ると、体が安定せず眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めたり、悪夢を見たりすることがあります。
翌朝には首や肩のこりがひどくなり、体の疲れが取れないことも。
ちょっとした傾きでも、身体は正直に反応してしまうのです。
また、傾斜がきつい場所では、車内で立っているだけでもふらついたり、場合によってはめまいを感じることもあります。
実際に私も一度、夜中に激しいめまいと吐き気で目を覚ました経験がありました。
その時は、しばらく垂直に座って安定させることで、30分ほどで症状が良くなり、翌日にはすっかり回復しました。
後から振り返ると、傾斜のある場所で寝ていたことが原因だったと気づきました。
この経験から、「車が水平であること」の重要性を痛感。
傾斜のある場所での車中泊は、睡眠の質を下げるだけでなく、体調にも大きな影響を与えることを実感したのです。

体だけでなく、車内の装備にもさまざまな影響が出ることを実際に体験しました。
ヨーロッパ製のキャンピングカーに搭載されている冷蔵庫は、ガス・外部電源・走行中の12V電源の3WAY冷却システムを備えています。
通常はガスを使用して冷却することが多いのですが、車両が傾いていると点火システムが正常に動作せず、冷蔵庫内の温度が下がらなくなることがあります。
その結果、食材が十分に冷えず、食品の保存に影響が出ることも。

傾斜があると水はけが悪くなり、シンクに水がたまってしまうことがあります。
普段はスムーズに流れる水が、車の傾きのせいで流れず、料理やシャワーの際に不便さを感じました。
さらに、シンクやシャワーの水が溜まり続けると、衛生的にも問題が出てきてしまいます。

キャンピングカーには上棚の収納スペースが多く、車両が傾いていると収納している物が転落する危険性があります。
実際に、上の収納棚を開けた瞬間、缶詰が転がり出てきたことがあり、当たりどころが悪ければケガをするところでした。
また、食器や調理器具が棚の中で滑り動き、車内が散らかりやすくなるため、整理整頓がしづらくなります。
車が傾いていると、ガスコンロの点火が難しくなったり、火力が不安定になったりすることがあります。
実際に、ガスがうまく供給されず、火が消えかけたり弱まったりしてしまい、調理が思うように進まず、非常にストレスになったことがあります。

車中泊を快適にするために、駐車場や車中泊スポットの選び方が非常に重要です。
私たちは、事前に車中泊スポットのレビューや写真を確認するようにしています。
特に活用しているのが、「Park4night」という車中泊スポットアプリです。
他の利用者のレビューを見ることができ、駐車場の状態や傾斜についての情報を共有していることが多いため、とても参考になり、予想外のトラブルを避ける手助けになります。
また、「Googleマップ」のストリートビューを活用するのも有効な方法です。
現地の画像をチェックすることで、地面が平坦かどうか、傾斜があるかどうかを事前に確認できます。
ただし、画像だけでは立体的な地形までは分かりづらいため、必ずしも正確とは限りませんが、現地の傾斜具合をイメージするには役立ちます。
現地に到着した後も、車を停める前に周囲を確認し、傾斜がきつくないか、車両が水平であるかどうかを確認することが重要です。
夜間に到着すると、暗くて周りの様子が確認しづらいため、できるだけ明るいうちに到着するようにしましょう。

水平器は、物の水平や垂直を測る道具で、気泡管内の泡の位置によって水平状態を確認できます。
コンパクトでポケットに入れて持ち運べるサイズのものが多く、車中泊にも非常に便利です。
使い方は簡単で、車内の床やテーブルの上、寝床に置き、水平器の気泡が中央に位置するかどうかを確認します。
気泡が中央に来ていれば、その場所は水平なので、車中泊には最適です。
もし気泡が中央に来ない場合は、場所を移動するか、タイヤレベラーを使って調整しましょう。

時には、どうしても傾きのある場所で寝ざるを得ないこともあります。
その際に、役立つのがタイヤレベラーです。
低くなっている側の前輪または後輪の下にレベラーを設置し、傾きの度合いに合わせて段差をゆっくり上がりながら調整することで車両を水平にできます。

毎回タイヤで乗り上げて調整したり、移動時には片付けが必要と、少し手間はかかりますが、このアイテムを使うことで車の傾きを改善し、車内で快適に過ごすことができます。
また、収納バックも付いていて持ち運びが便利!
キャンピングカーでは必須アイテムとなっており、使用頻度も高いので、車中泊を快適にしたい方には特におすすめです。

もう一つのアイテムが、「キャンピングカージャッキ」です。
これはキャンピングカーの車体を自動で持ち上げ、水平を調整する装備になります。
ボタン一つで車両の高さを調整できるため、非常に便利です。
主に大型キャンピングカーに装備されており、タイヤレベラーのように手動で設置する手間がなく、スムーズに水平調整できるのが魅力です。
しかし、この装備を取り付けるには整備工場での施工が必要で、費用も1,000ユーロ(約15万円)以上と高額なため、なかなか手が出しづらいのが難点です。
中には、通常のジャッキ(タイヤやエンジンオイルの交換用)を使って水平調整を行っている方もたまに見かけます。
私たちはまだ試したことがありませんが、これも一つの方法と言えます。

長期間キャンピングカーを保管する際は、車を水平に停めるのではなく、逆に傾斜をつけた方が良い場合があります。
水平の状態で車を停めておくと、雨水が天井に溜まりやすく、コーキングの劣化やボディの腐食を引き起こし、最終的に雨漏りが発生するリスクがあるためです。
特にキャンピングカーの天井は、ソーラーパネルや天窓が設置されていることが多く、劣化による雨漏りには要注意です。
こんな時は上記で紹介したタイヤレベラーを使って、車の前後に少し傾斜をつけることで、雨水が自然に流れ落ちるように調整しましょう。
タイヤレベラーは、車を水平にするだけでなく、わずかな傾斜をつけることもできる便利なアイテムです。
車中泊だけでなく、キャンピングカー保管時にも活用できるので、快適なキャンピングカーライフをサポートしてくれます。
車中泊は自由度が高く、旅行やアウトドアをより楽しむことができますが、快適に過ごすためには「水平」を確保することが非常に重要です。
傾斜による体調不良や装備のトラブルを防ぐためには、駐車場所の選び方や便利アイテムを活用することが鍵となります。
今回紹介したアイテムや注意点を参考にしていただき、より安心で楽しいキャンピングカーライフを送りましょう。
車中泊は、好きな場所で自由に寝泊まりでき、アウトドア感満載の素敵な旅のスタイルですが、車中泊スポットが必ずしも水平とは限りません。
車両が傾いていると快適に眠れなかったり、休息が取りにくくなったりすることがあります。
さらに、キャンピングカー内の装備にも影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
そこで今回は、実際に経験してわかった、車中泊時の傾斜によるトラブルとその対策、そして水平を確保するために使える便利なアイテムを紹介します。
2年間車中泊旅してわかった!快適さを左右するのは「車両の水平」

フルタイムでキャンピングカーに暮らしながら、ヨーロッパを巡ること2年。
イタリアを出発し、北極圏のノルウェーやフィンランド、最西端のポルトガルまでと、これまでに17カ国を車中泊で旅してきました。
さまざまな国を訪れ、自然の中でのワイルドキャンプやキャンプ場、RVパークなど、200カ所以上の車中泊スポットで寝泊まりを経験。
ヨーロッパは「キャンピングカーの本場」と呼ばれるだけあって、専用の車中泊スポットが各地に豊富にありますが、すべてが快適に過ごせるとは限りません。
特に、傾斜のある場所も多く、車両が水平でないと、身体だけでなく車内の装備にも悪影響を及ぼすことがわかりました。
どんなに設備が整ったキャンプ場や、絶景の夕日を楽しめる車中泊スポットでも、車が水平になっていなければ快適に過ごすことができません。
実際に傾斜のせいでいくつかのトラブルにも遭遇し、「水平を確保することがいかに重要か」を痛感しました。
傾斜によって起こる身体への影響

車中泊をしていると、思いがけず傾斜がきつい場所で寝ることがあります。
「ちょっとした傾きなら大丈夫だろう」と思ってそのまま寝てしまうことが多いですが、実際に寝てみると、予想以上に体への影響が大きいことに気づきました。
身体が斜めになったり、頭側が下がっている状態で寝ると、体が安定せず眠りが浅くなり、夜中に何度も目が覚めたり、悪夢を見たりすることがあります。
翌朝には首や肩のこりがひどくなり、体の疲れが取れないことも。
ちょっとした傾きでも、身体は正直に反応してしまうのです。
また、傾斜がきつい場所では、車内で立っているだけでもふらついたり、場合によってはめまいを感じることもあります。
実際に私も一度、夜中に激しいめまいと吐き気で目を覚ました経験がありました。
その時は、しばらく垂直に座って安定させることで、30分ほどで症状が良くなり、翌日にはすっかり回復しました。
後から振り返ると、傾斜のある場所で寝ていたことが原因だったと気づきました。
この経験から、「車が水平であること」の重要性を痛感。
傾斜のある場所での車中泊は、睡眠の質を下げるだけでなく、体調にも大きな影響を与えることを実感したのです。
車両が傾いていると起こるキャンピングカー装備への悪影響

体だけでなく、車内の装備にもさまざまな影響が出ることを実際に体験しました。
冷蔵庫の温度が不安定になる
ヨーロッパ製のキャンピングカーに搭載されている冷蔵庫は、ガス・外部電源・走行中の12V電源の3WAY冷却システムを備えています。
通常はガスを使用して冷却することが多いのですが、車両が傾いていると点火システムが正常に動作せず、冷蔵庫内の温度が下がらなくなることがあります。
その結果、食材が十分に冷えず、食品の保存に影響が出ることも。
シンクや排水システムの不具合

傾斜があると水はけが悪くなり、シンクに水がたまってしまうことがあります。
普段はスムーズに流れる水が、車の傾きのせいで流れず、料理やシャワーの際に不便さを感じました。
さらに、シンクやシャワーの水が溜まり続けると、衛生的にも問題が出てきてしまいます。
収納物の転落

キャンピングカーには上棚の収納スペースが多く、車両が傾いていると収納している物が転落する危険性があります。
実際に、上の収納棚を開けた瞬間、缶詰が転がり出てきたことがあり、当たりどころが悪ければケガをするところでした。
また、食器や調理器具が棚の中で滑り動き、車内が散らかりやすくなるため、整理整頓がしづらくなります。
ガスコンロの不安定な火力
車が傾いていると、ガスコンロの点火が難しくなったり、火力が不安定になったりすることがあります。
実際に、ガスがうまく供給されず、火が消えかけたり弱まったりしてしまい、調理が思うように進まず、非常にストレスになったことがあります。
キャンピングカーを水平に保つ方法
駐車場&車中泊場所選びが重要

車中泊を快適にするために、駐車場や車中泊スポットの選び方が非常に重要です。
私たちは、事前に車中泊スポットのレビューや写真を確認するようにしています。
特に活用しているのが、「Park4night」という車中泊スポットアプリです。
他の利用者のレビューを見ることができ、駐車場の状態や傾斜についての情報を共有していることが多いため、とても参考になり、予想外のトラブルを避ける手助けになります。
また、「Googleマップ」のストリートビューを活用するのも有効な方法です。
現地の画像をチェックすることで、地面が平坦かどうか、傾斜があるかどうかを事前に確認できます。
ただし、画像だけでは立体的な地形までは分かりづらいため、必ずしも正確とは限りませんが、現地の傾斜具合をイメージするには役立ちます。
現地に到着した後も、車を停める前に周囲を確認し、傾斜がきつくないか、車両が水平であるかどうかを確認することが重要です。
夜間に到着すると、暗くて周りの様子が確認しづらいため、できるだけ明るいうちに到着するようにしましょう。
キャンピングカーを水平に保つためのアイテム①レベル(水平器)

水平器は、物の水平や垂直を測る道具で、気泡管内の泡の位置によって水平状態を確認できます。
コンパクトでポケットに入れて持ち運べるサイズのものが多く、車中泊にも非常に便利です。
使い方は簡単で、車内の床やテーブルの上、寝床に置き、水平器の気泡が中央に位置するかどうかを確認します。
気泡が中央に来ていれば、その場所は水平なので、車中泊には最適です。
もし気泡が中央に来ない場合は、場所を移動するか、タイヤレベラーを使って調整しましょう。
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キャンピングカーを水平に保つためのアイテム②タイヤレベラー(カースロープ)

時には、どうしても傾きのある場所で寝ざるを得ないこともあります。
その際に、役立つのがタイヤレベラーです。
低くなっている側の前輪または後輪の下にレベラーを設置し、傾きの度合いに合わせて段差をゆっくり上がりながら調整することで車両を水平にできます。

毎回タイヤで乗り上げて調整したり、移動時には片付けが必要と、少し手間はかかりますが、このアイテムを使うことで車の傾きを改善し、車内で快適に過ごすことができます。
また、収納バックも付いていて持ち運びが便利!
キャンピングカーでは必須アイテムとなっており、使用頻度も高いので、車中泊を快適にしたい方には特におすすめです。
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キャンピングカーを水平に保つためのアイテム③キャンピングカージャッキ

もう一つのアイテムが、「キャンピングカージャッキ」です。
これはキャンピングカーの車体を自動で持ち上げ、水平を調整する装備になります。
ボタン一つで車両の高さを調整できるため、非常に便利です。
主に大型キャンピングカーに装備されており、タイヤレベラーのように手動で設置する手間がなく、スムーズに水平調整できるのが魅力です。
しかし、この装備を取り付けるには整備工場での施工が必要で、費用も1,000ユーロ(約15万円)以上と高額なため、なかなか手が出しづらいのが難点です。
中には、通常のジャッキ(タイヤやエンジンオイルの交換用)を使って水平調整を行っている方もたまに見かけます。
私たちはまだ試したことがありませんが、これも一つの方法と言えます。
エマーソン(Emerson)
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長期間保管時は逆に傾斜を利用!雨漏りや装備劣化を防ぐ

長期間キャンピングカーを保管する際は、車を水平に停めるのではなく、逆に傾斜をつけた方が良い場合があります。
水平の状態で車を停めておくと、雨水が天井に溜まりやすく、コーキングの劣化やボディの腐食を引き起こし、最終的に雨漏りが発生するリスクがあるためです。
特にキャンピングカーの天井は、ソーラーパネルや天窓が設置されていることが多く、劣化による雨漏りには要注意です。
こんな時は上記で紹介したタイヤレベラーを使って、車の前後に少し傾斜をつけることで、雨水が自然に流れ落ちるように調整しましょう。
タイヤレベラーは、車を水平にするだけでなく、わずかな傾斜をつけることもできる便利なアイテムです。
車中泊だけでなく、キャンピングカー保管時にも活用できるので、快適なキャンピングカーライフをサポートしてくれます。
まとめ
車中泊は自由度が高く、旅行やアウトドアをより楽しむことができますが、快適に過ごすためには「水平」を確保することが非常に重要です。
傾斜による体調不良や装備のトラブルを防ぐためには、駐車場所の選び方や便利アイテムを活用することが鍵となります。
今回紹介したアイテムや注意点を参考にしていただき、より安心で楽しいキャンピングカーライフを送りましょう。