災害時にはカーシェルターに!アルファードのオーナーインタビュー



アウトドアやキャンプの経験を持ってアルファードを災害に備えた“カーシェルター仕様”にしたのが、車中泊歴20年以上の大ベテラン、JINさんだ。

普段はアウトドアや車中泊といった外遊びの相棒が、万が一の災害時には、慣れ親しんだ空間でストレスフリーな車内生活を送れるカーシェルターになるという。

今回は、ゆたかなアウトドアのナレッジを持つJINさんに、災害対策の観点から車中泊仕様にするポイントなどを教えていただいた。

愛車の前に立つ男性

【プロフィール】
JINさん(42歳) 福岡を拠点とする
愛車:トヨタ アルファード
車中泊歴:20年以上

アウトドアの経験を生かして、愛車をカーシェルター仕様に

―もともと車がお好きだったのでしょうか。

もともと外遊びが好きでアウトドアが趣味だったので、若い頃から車やバイクに乗って、いろんな所を旅していました。かれこれ20年以上になります。

32(スカイライン)をはじめ、いろんな車を乗り継ぎましたね。もうあまり若くはないですが、今でも行き先も目的も自由に楽しんでいます。

―現在の愛車を車中泊仕様にされたのはいつですか。きっかけも教えてください。

アルファード

ちょうど半年前、現在の愛車アルファードに乗り換えてから、車内で寝泊まりできる車中泊仕様にしました。

キャンプ用品が並んだ車内

実は、車中泊仕様にしたのは、災害を意識してなんです。地震や豪雨などが続く昨今の日本では、どこでどんな災害が起こってもおかしくないので。

有事の際、救助が来るまでの期間は約1週間だと聞いています。その間、自力で生き延びられる設備を車に整えておこうと思いました。

ですので、正確には車中泊仕様というよりは、“カーシェルター仕様”なんです。

半年前までは特に意識していなかったんですが、今後の地震の確率についてのニュースを見て、急に気になり始めたんですよね。昨年に離婚して独り身になったこともあり、できることは先にやっておこうと、すぐに手をつけました。

必要最低限のモノを、さまざまな用途に応用する

―車内はシンプルで、とても落ち着いた印象ですね。

車中泊仕様のアルフォードの車内

カーシェルターを意識しているので、必要最低限のモノはすべて積みつつも、車内はスッキリ、シンプルにまとめました。

こまごました小物類は、箱2個に収納しています。車中泊を楽しんでいる友人の車内と比べると、やっぱり荷物はかなり少ないですね。

もともとアウトドアが趣味だったので、1つのモノを応用したり転用したりして、1つ2役、1つ3役の使い方をするのは得意なんです。

車内にある装備は、キャンプ用品としてそのまま使えるので、どれもこれも長年付き合っていますね。

車中泊仕様の車内

あわてて買いに走ることがないよう災害用品も普段から準備していますが、それ以上に大切なのが、使い方に慣れておくこと。

普段から慣れ親しんだ基盤があるからこそ、必要最低限のモノだけで、あわてず手際よく、スムーズな対応ができるのだと思います。万が一のときは誰しも余裕がなくなると思うので、普段から定期的に車内で過ごすようにしています。

最小限のDIYで、シンプルで快適な車内空間に。キャンプ用品にもこだわりが

―DIY箇所が少ない印象を受けました。

まったくDIYらしいDIYはしていません。せいぜい天井に棒を這わせたくらいですね。

車中泊仕様のアルフォードの車内

これは、リアにあるアウトドア用のテーブルを畳んで上に収納して、後部座席のスペースを広く取るためです。棒の上には、アウトドアチェアを収納したり、ランタンを吊るしたりできるようになっています。

ほかは、もともとの車体そのままですね。DIY自体ほぼしていないので、失敗もありません(笑)。

でも、アウトドアの経験がなく、いきなりカーシェルター仕様にしようと思ったら、こんなにスムーズにはいかなかったかもしれませんね。

車中泊仕様のアルフォードの車内

ランタンは、夜の車内でも怖くないように、それに万が一のとき少しでも落ち着けるように、3つ配置しています。

こだわりは、安心出来る明かりの色です。

青白いLEDのライトは気持ちが高ぶってしまうので、落ち着いてのんびりとリラックスできる、オレンジ系の色をチョイスしました。目に優しいですし、ぼんやりとした灯りを見ていると安心できます。

また、3つというのは有事を意識しています。

まわりの街灯が点かなくなることを想定し、もし1カ所のランタンが電池切れを起こしても複数用意しておけば、より確実に灯りを確保できると思うので。

持ち運べるように、片手に収まるタイプばかりです。

寝る前には明るさを弱く、外を歩くときは強く、と照度の調節もできます。

車内に敷かれた寝具

寝具に関しては、家で使う一般的な布団をそのまま敷いています。

消火スプレー

布団を敷いているのと、車内で調理するのを前提としているので、万が一に備えて消火器も数本用意しています。

―やはり、キャンプ用品にはこだわりがあるのでしょうか。

車内に並んだキャンプギア

慣れ親しんで長く使えるキャンプギア(キャンプ用品)には、お金をかけています。良いモノを長く使えば高くても元を取れると思うので、心地よく手になじむことを第一にそろえていますね。

普段からキャンプやアウトドア、車中泊を楽しんでおり、使用頻度は高いですし。

5,000円するコップは使わなければ「ただの高いコップ」ですが、月に8回、1年に96回使うと思えば、そこまで高い買い物ではないと思います。

それに何より、こだわりを持って選んだお気に入りのコップとそうでないコップでは、大切に使おうという気持ちにも差が出てきますしね。

天井までの高さと断熱性が、快適な車内空間のポイント

―普段はどういった遊び方をされていますか。

カーシェルター仕様にしてから、慣れておくためにも、何でもない日に車内で過ごすことが増えました。車内でご飯を食べてみたりと、手軽に遊んでいます。

もちろん、キャンプに行ったり、車旅系のオフ会などにも参加したりしていますよ。皆さん、それぞれ車内での生活がより快適になるよう、いろいろ工夫されていてすごいですよね。

最近、車系、キャンプ系、キャンピングカー系のオフ会で友達が増えたので、今後はもっとそういったオフ会にも参加してみたいと思います。

あとは今までどおり、こまめに遊んでいくつもりです。

―最後に、車体選びに迷っている方にアドバイスをお願いします。

車内空間、特に天井までの高さをある程度確保できると、車内生活にあたってストレスが減ると思います。そういう意味では、背の高いボックスタイプがおすすめですね。

あとは、私の愛車もそうですが、断熱材が入っているかもポイントです。

車内に敷かれたカーペット

通常のバンなどは、断熱材がなくそのまま鉄が車内空間に接しているわけですから、底冷えしてしまいます。断熱材、カーペット、敷布団がそろえば、冬も快適に過ごせますよ。

当たり前ですが、マメにお手入れをしていれば年式が多少落ちても古く見えません。しっかりと愛情をかけられる、お気に入りの一台を選ばれてくださいね。

JINさんのカーシェルター仕様のアルファードは動画でもご紹介しています。ぜひご覧ください!

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