定年間近の夫婦がキャンピングカーを買い替え!自分にあった車を選ぶためには…
ROLLER TEAMのLIVING STONE5(リビングストーン5)でキャンピングカーライフを送っている、ささき夫婦です。
あと数年で定年退職を迎え、サラリーマン生活も残すところわずか。
そこで先日、定年後も車旅を楽しめるよう、自分たちの旅のニーズに合ったキャンピングカーの買い替え候補を選んできました。
訪問した3つのビルダーさんから聞いた、車体についての情報も合わせて書いていますので、皆さんのキャンピングカー選びの参考になれば幸いです。
目次
自分たちの旅のニーズに合ったキャンピングカーを選びたい
いくら良いキャンピングカーでも、何を基準に選ぶかによって合う・合わないがあります。今回の車体選定に当たって、私たちは3つの基準をピックアップしました。
(1)日本の道路と駐車場に合う車体の大きさ
今乗っているROLLER TEAMのLIVING STONE5は私たちには大き過ぎた。
(2)家族や荷物が増えても対応可能な広さ
定年後は子どもや孫ともキャンピングカーで出かけたい。
(3)安全性
これから高齢になるとともに、車載のセーフティー機能の必要性が増す。
以上、3つの基準すべてが満点な車があればベストです。
しかし、なかなかそうもいかないと思い、まず、それぞれ1つの条件でベストと思う候補をピックアップ。その上で、私たちが求めているものをさらに絞り込んでいきました。
その結果を書いていきますので、ぜひお付き合いください。
基準(1)日本の道路と駐車場に合う大きさの車体
私たちは現在、6m級のFIAT DUCATOベースのLIVING STONE5で全国を旅しています。
そんな中、行く先々で問題となるのは、道路と駐車場の狭さです。
私たちは名城百城、有名な観光地、日帰り温泉、ワイナリー巡りを楽しむ旅のスタイルなのですが、LIVING STONE5だと、駐車場に止められなかったり、狭い道だと通れなかったりすることもあります。
そこで、新しいキャンピングカーを選ぶに当たって、あらためて日本の駐車場と道路事情について考察してみました。
日本の駐車場と道路事情
トレーラーも駐車可能な欧米諸国とは異なり、日本の駐車場は、乗用車を基本とした区画の割付けがほとんどです。
キャンピングカーの旅において、必ずといって良いほど立ち寄る複合商業施設を例にとって見てみましょう。
メジャーで測定した結果、区画後方の線から測ると約5m、輪止めから先端までは約4mでした。
「幅 2.5m×長さ 5m」が一般的な駐車場の枠の大きさだそうです。
私たちが乗っているLIVING STONE5は、輪止めからの車体の長さが約5.4mなので、1.4mほど通路側にはみ出すことになります。
他のクルマからしたら、ちょっと迷惑ですよね。
上の写真、左端のシルバーの乗用車がしっかり区画内に収まっているのに対して、我が家の車はこのようにはみ出しております。右端のキャブコンでも区画にほぼ収まっているので、うらやましいです。
そして大きな車体だと狭い道を通るのにも一苦労します。
これは、ある有名ワイナリーの駐車場へつながる狭い通路。歩行者2人で道幅の半分弱を占めていますが、これは一応れっきとした車道です。
乗用車であれば「ちょっと狭いな!」で済みますが、全幅2.05mの我が家の車だと、かなりギリギリ。
これ以上幅が広い車だと私たちには無理だと思いました。
日本の道路・駐車場事情を踏まえたベストなモデルは?
このように、私たちがキャンピングカーでよく行く場所の駐車場と道路事情を考慮すると、全長は5m前後、全幅は2mを大きく超えない車種がベストでしょう。
また、私たちは欧州車が好きなこともあり、FIAT DUCAT Vanベースのバンコンが候補に挙がりました。
FIAT DUCAT Vanにはいくつかのサイズのラインアップがありますが、私たちには4.9mもしくは、5.4mベースの車種が良さそうです。
FIAT DUCAT Vanベースのバンコンを扱うメーカーには、
・ADRIA(デルタリンク)
・ROLLER TEAM(フジカーズジャパン)
・Sunlight(TOWA)
などがあり、その中でもベストと思ったのが、ROLLER TEAM『LIVING STONE-KJ』(フジカーズジャパン)です。
ROLLER TEAM 『LIVING STONE-KJ』 (フジカーズジャパン)について
我が家のROLLER TEAM『LIVING STONE5』と比べると『LIVING STONE-KJ』はやや小さいです。
全長5.4m、全幅2.05m。全幅はLIVING STONE5と変わりませんが、全長は5m前後、全幅は2mを大きく超えないという条件にほぼ合致します。
この車には、他にも以下の特徴があります。
・トイレ、シャワールームがない
輸入キャンピングカーにはトイレが標準装備されていることが多い中、『LIVING STONE-KJ』はオーナーによって使い方を変えられる、マルチルームを装備した国内モデル専用の仕様になっています。
マルチルームには、トイレが設置可能な台座が用意されているので、ポータブルトイレを持ち込めば、トイレとしても使用できますが、トイレを使わない私たちにとっては、クローゼットや収納スペースとして活用できる点が、とても魅力的に感じました。
ADRIAとSunlightが候補から外れたのも、トイレ、シャワーが標準装備されていた為です。
・タイヤサイズは225/75R 16
調べてみたところ、高い負荷能力(タイヤ1本で支えられる荷重)を持つ日本のスタッドレスタイヤも選択可能だそうです。
基準(2)家族や荷物が増えても対応可能な広さ
現在、私たちは夫婦2人で車旅をしていますが、もしも子どもたちが家庭を持った場合、一緒に車旅をすることも考えられます。
そうなったら、ささき夫婦2人+子ども2人+孫数人=10人前後で車に乗り込むこともあり得るわけです。こんなに大勢で旅を楽しむとなると、全長や全幅もある程度のサイズを確保しないといけません。
孫のことまで考えるのはまだ早いかもしれませんが(笑)、仮に7~10名が乗れるとなると、どんな車体が良いのでしょうか?
基本的に今乗っているFIAT DUCATOベースの車種はどれも4人乗車タイプなので、選択肢から外れることになりそうです。
乗車人数が~7人の場合はキャブコン、~10人の場合はバスコンなどの選択が良いのではないでしょうか。
実際、3つのビルダーさんに訪問して尋ねたところ、余裕で大人数が移動できるという点では、バスコンに軍配が上がりました。
トヨタコースター(COASTER)ベースのバスコンが良さそうだということで、候補に挙がった車種としては、
・ランドホーム(RVランド)
・ASCエテルノノオクタービアM(RVビックフット)
・Seven Seas(Toy-Factory)
バスコンは、扱っているビルダーさんがかなり限られているので、家から訪ねやすい距離にバスコンを扱っているビルダーさんがあったり、遠方まで訪ねて行けたりするのであれば、強力な選択肢になると思います。
候補の中で私たちが実際にビルダーさんに訪問して実物を見ることができたのは、ランドホーム(RVランド)です。
ランドホーム(RVランド)について
乗車定員、就寝人数、収納スペースのどれをとっても不足のない仕様です。マルチルームが標準仕様となっていて、装備面も充実しています。
LXグレードを選択すると、オートエアコン、自動ドアに加えて、トヨタのSafety機能も標準搭載されます。
全長6.25mで、駐車エリアは限定されるものの、最小転回半径5.5mという点では、日本の道路事情において不便がないと言えるでしょう。
さらに、トヨタの店舗であれば、特装部分以外のエンジン修理やオイル交換などのメンテナンスが可能とのことなので、欧州車に比べて、いっそうの安心感があると思います。
収納が多く、ベッド上部にも収納スペースが多数設置されています。
マルチルームにもエアコンの吹き出し口があるため、走行時とアイドリング時に冷房が効きます。
乗車定員10名 就寝人数5名と、ランドホームは、大人数で移動するのにぴったりだと思います。
オートキャンプ場で娘夫婦と子どもたちはテントでキャンプ、私たち夫婦は車中泊……など、楽しい旅ができそうです。
車内には収納もたくさんあり、キャンプ用品や着替えなどをたくさん積めるのも良いですね。ベッド下は外部からアクセスできるトランクになっていて、自転車を乗せることも可能です。
基準(3) 安全性
私たちは残すところ数年で定年退職を迎え、高齢になっていきます。高齢になることで怖いのが、やはり車の事故。
最近、高齢者がブレーキを踏み間違える事故や車線逸脱による衝突事故など、命に関わるものが多くなっているので、なおさらです。
高齢者でなくても、注意して運転しているにも関わらずヒヤッとした経験が、1度くらいはあるのではないでしょうか?
そこで気になるのが、キャンピングカーの安全性。
今や乗用車では衝突時の衝撃を軽減するsafety機能が備わっているのが一般的ですが、キャンピングカーはどうなのでしょうか。
私たちはやはり欧州車が好きなので、ビルダーさんにFIAT DUCATOベースのキャンピングカーの安全性について聞いてみました。
FIAT DUCATOベースの車体に備わっているSafety機能
・LDW(車線逸脱警報)
車線を逸脱する可能性がある場合、警報(アラート)で知らせてくれます。
・HBR(ハイライトコントロール)
自動でヘッドライトのハイ/ロービームを切替えてくれる機能です。
・レイン&ライトセンサー
暗くなったら、自動でヘッドライトを点灯してくれる機能です。
・自動ブレーキシステム
フロントウインドウ上部に設置したセンサーで衝突の危険を検知し、停止してくれます。
いろいろ備わっていますが、ビルダーさんによると、欧州車のSafety機能は、日本車と比べると簡易的だそうです。例えば、車線逸脱の場合、日本車がハンドルのアシストまで行ってくれるのに対して、欧州車はアラート(警報)のみです。
また、フロントウインドウがFIATの純正タイプでないと、Safety機能を付けることができません。
アドリアCompact Safety Packについて
アドリアCompact Safety Packは、全長5.99m、全幅2.12mで、私たちの使い方や日本の駐車場と道路事情からすると大きな車体です。
ただ、今年のモデルから安全機能も備わり、欧州車のキャンピングカーではトップレベルの安全性だそうです。
車内のスペースも広く、スカイルーフを開けた時の開放感はひとしお。車内にいながら至福のひとときを過ごせます。
断熱材を使用したシェル構造で断熱性に優れているので、日本の冬季における使用でも問題ありません。
フロントウインドウ上部、中心部の四角い黒枠が、自動ブレーキシステムのセンサーです。
バックミラー上部には、衝突軽減センサーが付いています。
私たちのチョイス
候補の車が出そろったところで、あらためて、3つのうちどの基準を優先するのかを考えました。
(1)日本の道路と駐車場に合う車体の大きさ
(2)家族や荷物が増えても対応可能な広さ
(3)安全性
実際に車を見ながらビルダーさんとも相談を重ねた結果、私たちは今回(1)日本の道路と駐車場に合う車体の大きさを優先することにしました。
今の車は見た目のかっこ良さと大きさが気に入って選んだのですが、購入から3年経った今、以前乗っていたハイエースくらいの長さと幅が結局私たちの行動パターンに合っていたのだと再認識したことが大きかったです。
そこで、全長5.4m、 全幅2.05mのFIAT DUCATOベースの『ROLLER TEAM LIVING STONE-KJ』がベストと判断しました。
つまり「今乗っているLIVING STONE5のデザイン性や使い勝手は継承していて、少し小さいサイズがいい」というのが結論です。
家族が増えるのはまだ先のことですし、荷物も増やさず、コンパクトに車旅を続けることにします。
安全性に関しても、今は置いておくことに。Safety機能は国産車には及びませんが、車の技術は年々進化しているので、私たちが年齢を重ねるのに合わせて、より優れたSafety機能を備えている車へ乗り換えていこうと思います。
まとめ
今回私たちは、車体の大きさを優先することにしたわけですが、皆さんもキャンピングカーを購入する時には、自分には何が優先的な基準になるかを考えた上で選ぶことをおすすめします。
そうすればどの車がご自身に適しているのかが、はっきりすると思いますよ。まずはぜひ、いくつかの選択基準を出してみてから、ビルダーさんめぐりをしてみてください。
ちなみに、伺ったビルダーさんすべてに共通して、納車待ちで製作中の新車がたくさんあったことに驚きました。新車だけでなく中古車も含めて売れ行きが好調であると、各社の営業さんが話されていました。
特に欧州車に関しては、在庫車種以外は発注しても、新型コロナの影響でヨーロッパでの生産自体が遅延しているため、6ヵ月から1年待ちとのことでした。
購入を考えている方は、ぜひお早めに!