積載の制限に係る法改正でトラキャンが大きく変わる?こんなキャンパーシェルを作ってみたいと妄想してみた
幅の制限の改正によって何が起こるのか
幅の制限が変わることで何がどう変わるかは、具体例を挙げて説明した方がわかりやすいと思う。
例えば、現状では軽トラの荷台に幅が1,475mm(ハイゼットトラックとキャリイトラックの全幅)を越える幅の荷物を積むことはできない。
しかし、今回の法改正で「自動車の幅にその幅の2/10の幅を加えたもの」要するに1,475mmの1.2倍の物を積むことができるようになる。
最大で幅が177cmの家(積み下ろしのできる箱)を軽トラの荷台に積むことができるようになると解釈できるのだ。
幅が狭いことが有利に働くこともあるが、軽自動車をキャンパーにする場合は幅の狭さが一番の弱点と言えば弱点だ。
この違いは非常に大きい。
外寸が177cmあれば、ワイドボディーではないハイエースやキャラバンより10cm近くか、或いはそれ以上に室内幅の広い部屋を作ることができることになるのだ。
小柄な人なら横向きに寝られるサイズの部屋だ。
また、タウンエース/ライトエース(以下タウンエースで統一)のトラックは全長4,275mm、全幅1,675mmで、荷台の大きさは長さが2,430mmで、幅が1,585mmとなっている。
と言うことは、幅が2m、長さが2.85mの箱をタウンエースの荷台に積むことができるようになる。
この床面積は畳約3.5枚分で、これにバンクベッドもプラスしたら、床面積の合計が余裕で四畳半を越える広さの部屋になってしまう。
たかが四畳半という勿れ。
私が学生の頃の学生の住むアパートといったら、三畳や四畳半の入り口に辛うじてキッチンらしき設備の付いた部屋がごく普通で、そんな部屋に10人近く集まってギターを弾いたり酒を飲んだりする生活が当たり前(大家さんには当たり前に怒られたけど)だった。
と考えると、1人か2人で使うには結構広い城(乗車定員が2名なので、何れにしても2名まで用の部屋となる)を小さなタウンエーストラックの荷台に載せられることになるのだ。
なんだか部屋の広さだけでなく、夢も広がりそうだ。
とは言え、積荷(箱)の幅がクルマの幅を超えてしまった場合のサイドミラーの視界の問題、箱の固定方法などの課題や、荷台以外の部分(例えば屋根)に積んだ荷物の解釈はどうなるのかなど不明なことも色々ある。
運転にも注意が必要だから、簡単に進められる話ではないかもしれない。
しかし、そういった細かなことや解決すべき問題は抜きにして、キャンパーシェルの幅を広げられたら、これまでとは全く違った室内レイアウトができ、トラックキャンパーの世界が劇的に変わることは確かだ。
細かいところを突いているより先に妄想を進めてしまおう。
軽トラキャンパーシェルを作ってみた
本当はタウンエーストラックで作りたかったのだけど、軽トラしか持っていないので、取り敢えず軽トラ用のキャンパーシェルを新しい積載物の制限の規定内に収まるサイズで作ってみた。
シェルの高さは1,500mmに抑えた。と言うか、たまたまあった手頃な材料のサイズに合わせただけなのだけど、トレッドの狭い軽自動車であまり背を高くすると横風の影響も受けやすくなって危険でもあるし、これなら全高が2,200mm程度に収まるので、高さ制限が2.3mの駐車場にも入れるので便利。
室内高は標準ルーフのハイエースやキャラバンと同じくらいの高さは確保できそうだ。
車体後ろへのはみ出しはほぼ規定ギリギリの339mm、これは外寸だが床の長さは2,270mm程度になる。
壁板の厚み分などを差し引いても、かなり長身の人が余裕で寝られる部屋が作れるサイズだ。
因みにモデルさんの身長を測ってみたら190cmくらいだったので、彼にも十分だ。
前は車体の前端とほぼ同じ長さ。
フロントのオーバーハングは高さが内寸で40cm以下になってしまうので、バンクベッドとして使える高さではないが、荷物の収納庫としては十分。
そしてこの部分の長さは外寸で1,400mmあるので、この部分を含めたシェルの全長はちょうど12ftになる。
これだけの長さがあれば11ftくらいまでのSUPのボードも十分室内の天井部分に収納できる。
車体の幅は1,475mm。シェルの横幅は、新しい積載物の制限の規定内ほぼギリギリの片側147mmずつ両側に張り出したので、外寸が1,769mmとなっている。
壁板の厚みの分があるので、室内の幅は壁の厚みに応じて狭くなってしまうが、このモデルさんにはちょっと厳しいが、私の身長なら少し斜めに向けば横向きに寝られなくもないサイズだ。
内装をどうするか
タウンエーストラックだったら、2mの幅のシェルを載せられることになるので、室内の一番奥(前側)には横向きのベンチ兼ベッドを設え、その下は車外からも車内からも荷物の出し入れのできるストレイジにしたいと思う。
しかし、最近キャラバンの改装をして以来、キャンピングカーらしくベッドを設えてしまうより、寝るときはコットを置いたり分厚いマットを直接床に敷く方が、何かと利便性が高いように感じている。
そしてこれはトラックキャンパーの大きなアドバンテージの一つだと私は思うのだが、キャンパーシェルは積荷なので、8ナンバーのキャンピングカーのように、水道・調理設備・寝台の設置といったキャンピングカーとしての要件を満たす必要がない。
設備が整っているのも便利だが、何もなく自由度が高いことが逆に便利な場合も多々ある。
また、軽トラもタウンエーストラックもタイヤハウスの出っ張りがないため、床全面が平らな状態だ。
VANと違い壁も垂直で、普通の建物と同じ状態の小さな部屋を作ることができる。
その特徴を活かす上でもあまり内装を作り込みすぎない方が良いのではないかと思っている。
と言うことで、軽トラの場合は多少棚やフックなどは設置するとしても、床には敢えて何も設置せず2.5畳の部屋にしておいて、テーブルや椅子も全てキャンプ用の折り畳みのものを使う方向で考えている。
そうしておけば、車中泊ではなくて仕事に使う時も大変使いやすい移動倉庫になって尚便利だ。
次のクルマの候補が変わるかもしれない
〜方向で考えているなどと言っても、これはあくまで妄想に過ぎない。
そして、法改正の話は本当だが、当然お気付きのことと思うけど、軽トラもカヌーも人も全て1/10で、それを10倍した上で話しているだけなので、真面目考えて変な難癖などつけないでいただきたい。
しかし、ささっと30分程度で作った箱なのでテープがベタベタ貼ってある雑な工作だけど、ラジコン軽トラの縮尺が1/10で作りやすく、案外数字は正確だ。
おまけに、たまたまあった置物のカヌーや人形のサイズがちょうど良く、やっていてなかなに楽しい企画でもあった。
色々と妄想していたら、タウンエースのトラックも時期愛車候補として良いかもと真剣に考えてしまった。
元々ピックアップトラック好きだけど、現在シンプルで手頃なピックアップトラックはないし、タウンエーストラック良いかもしれない。
普段は家は積まずに使って、旅に出るときには家を積んでなんて、さらに妄想が膨らんでいる。