キャンピングカー
キャンピングカーの付加価値を追求!車外にどんどん遊びが広がるANNEX「UTONE 200」

「ウゴク・トドマル・ネル」にちなんだUTONEシリーズ
「キャンピングカー」という名称からはアウトドアレジャーやキャンプを連想しますが、実際の用途は十人十色。
趣味の空間として、仕事場として、イベント遠征の拠点として、日本中でさまざまな使い方がされています。
LACグループの一角、ANNEXからキャンピングカーの付加価値をとことん追求した車が誕生しました。
「ウゴク・トドマル・ネル」というキャンピングカーの機能から「う・と・ね」と名づけられたUTONEシリーズ。
2022年10月、お台場キャンピングカーフェアでのUTONE 500プロトタイプの発表に続き、2023年2月のジャパンキャンピングカーショーでは、販売モデルのUTONE 200を初出展。
同時にANNEXのRIWブランドは、UTONEブランドへと移行しました。
2023年夏には日産キャラバンベースのUTONE 300の発表を計画するなど、この後も楽しみな予定が控えています。
UTONE 200
ビルダー:株式会社アネックス(ANNEX)
タイプ:バンコン
ベース車両:日産 NV200 バネット バン GX(2WD・4WD)
乗車定員:4名
就寝定員:大人1名+子ども1名(NR2)~大人2名+子ども2名(ER4)
全長:4,400mm(4WD 4,410mm)
全幅:1,695mm
全高:1,855mm(NR2)/1,950mm(ER2)/1,885mm(NR4)/1,980mm(ER4)
参考価格:4,158,000円~(NR2)
公式サイトはこちら
NV200のサイズを補うエレベーティングルーフ

UTONE 200のベース車両は日産 NV200 バネット バン GX(1,600cc)で、2WDと4WDから選べます。
軽自動車では物足りない、ハイエースでは大きすぎるというユーザーに人気のサイズですが、就寝定員が少ないことや、天井の低さからくる閉塞感が課題としてありました。
そこでANNEXが採用したのがER(エレベーティングルーフ)。
シートを片づけなくてもそのままルーフで寝られたり、車内で立って移動できるようになったりとメリットは多数。
初期コストはかかりますが、価格以上に得るものがあるといいます。
UTONE 200は前述の2WDと4WDに加え、ERの有無によりNR2、ER2、NR4、ER4の全4タイプとなります。
いずれもキャンピングカーとして8ナンバー登録が可能です。

そのほか外観を特徴づけるのは、オプションで装着できるANNEXオリジナルのアクリルリアウィンドウ。
断熱性能の高いアクリル2重窓にシェードと網戸が内蔵されており、就寝時には完全にクローズ、昼には網戸を活用して通風確保と自在に活用できます。
次のページ▷ 気になる内装をご紹介します!
ロングカウンターが特徴的なレイアウト

2列目シートをダイネットやベッドに展開する一見オーソドックスなレイアウトですが、右サイドに設置された幅375mm×長さ1,720mmのロングカウンターが目を引きます。

テーブルもNV200ベースとしては大きめで、実用的なものを搭載しています。
家具をコンパクトにすることで広さを感じさせるモデルはたくさんありますが、省スペースのためだけにミニチュア化した家具は、結局のところ中途半端で使いにくいものになりがち。
ANNEXでは、家具の縮小が小型キャンパーならではの不満につながると考えました。
UTONE 200のレイアウトはソロなら十分なサイズで、それ以上の就寝スペースを求める場合はERから生まれる上部空問でフォローできると結論づけたのだそう。
インダストリアルなインテリアデザイン
木製家具が主流のキャンピングカー業界で、ANNEXでは家具にアルミ構造材を採用しています。
軽量、耐腐食性、高いリサイクル性能が特長とされる一方、高い加工・組み立て精度が要求されるアルミ構造材。

ANNEXでは既製品を上手く取り入れ、部材を自在に組み合わせて家具を作り出しています。
木工の家具とはまた違ったハードな印象で、見た目もUTONEの魅力のひとつだそう。
カウンタートップには、北海道産シラカバ間伐材を利用した合板を使用。
メンテナンスしやすく、上に置いた小物が映える濃色のメラミンシートを貼りつけています。

美しい断面が特長であることから、モール(断面をカバーするゴム材)をあえて使用せず、北欧家具のように断面を見せています。
ホルムアルデヒドを使わない、安全なノンホルマリン接着剤を使用していますが、もともと気乾比重がシナ材に比べ高いため十分な強度を発揮します。
床材にはオプションでヒッコリー天然無垢材を選択可能。
室内にナチュラルな雰囲気を生み出すほか、土足のままでも使える耐久性を誇ります。
塗料には、ベルギーのRubio(ルビオ)社が開発した、VOC(揮発性有機化合物)0%の自然塗料「ルビオモノコート」を使用。
何年か経ったら追加塗布してもよいし、そのまま経年劣化を楽しんでもよいそうです。

オプションではない標準床のままでも、滑りにくく土足で使える高耐久の床材になっています。

室内のアクセントとなっている黒い金物は、ANNEX提携企業のYUDAI IRON WORKS(ユウダイアイアンワークス)によるUTONEシリーズ用オリジナル金物。
ハードな黒アイアンの質感が、インダストリアルな雰囲気を醸し出しています。
シート回転オプションを用意するダイネット

2列目シート&テーブルを基本とするダイネットですが、欧米車でよく見られる回転シートをオプションで搭載できます。
運転席・助手席を回転させることで、NV200とは思えない広々とした対座ダイネットが登場。

もし同オプションをつけなくても、2列目シートとリアのベッドマットで対座にでき、4人でテープルを囲めます。
オプションのERを上げるとさらに圧迫感がなくなり、室内で立つことも可能になります。
ロングスライドレールで簡単に展開できるフロアベッド

就寝時には、2列目シートを展開してフロアベッドを作ります。

床の前後いっぱいに設置されたロングスライドレールが、軽い力でのシート移動を実現します。

ベッド展開状態でもテーブルが使用できるほか、冷蔵庫の開閉も可能なレイアウトは秀逸。

ノーマルルーフの場合は大人1名+子ども1名または2名が就寝定員ですが、もしオプションのERを搭載したら、就寝定員が大人2名+子ども2名にアップします。

ロングスライドレールは、スムーズなベッド展開のほかに、シートを前に寄せて後部に収納スペースを作ったり、シートを後ろに向けて景色を楽しんだりといったアレンジに役立ちます。
車両後方にテントやタープを展開し、夜はテントで就寝するなど、車を活用したキャンプも楽しそうですね。
メンテナンスのしやすさにもこだわったギャレー
ギャレーにはコンパクトコンロ一体型シンクを備えます。

テーブル横に配置されているため使いやすく、未使用時にはガラス蓋でカバーするためさらに広く使えます。

標準装備の冷蔵庫(21L)は上蓋式で、サイドカウンター内に設置されています。

冷蔵庫のカバーはカウンター天板と一体化しているため見た目にも違和感がなく、なによりベッド展開時にも問題なく開閉できるのが便利です。

シート下など、奥まったところにあると取り出しにくい水タンク(各10L)ですが、UTONE 200では右スライドドアから水交換ができます。

カセットガスアダプターなどメンテナンスが必要な箇所は、配置にもこだわっています。
ユニークな収納システム「有孔ボード」と「TPボックス」

棚やフックをカスタマイズして、ツールを並べたり壁面ディスプレイを作ったりと活躍する有孔ボード。
海外住宅のガレージやホームオフィスでお馴染みですが、UTONEでは右後方の死角になる窓を有効活用しています。
穴のピッチは既製品と同じなので、市販のさまざまな金具や小物が使えます。
さらにもうひとつ、とても個性的なオプションが。

ホームセンターやインターネットショップで購入できる既製品のコンテナボックス「TPボックス」です。
さまざまなサイズがありますが、購入場所やメーカーが変わっても「TP規格」と呼ばれる規格で統一されています。
そのため、すでに所有しているものを積み込んだり、買い足したり、自宅やガレージで流用したりといったアレンジが自由自在。
UTONEでは、このように規格が決まっている既製品の活用もテーマのひとつにしているそう。
ANNEXのオプション品では、それぞれのサイズに合わせた合板製蓋と、YUDAI IRON WORKSの手によるスタンド&延長ポールが用意されます。
必要に応じてスタンドを高くしたり、天板の高さを変えたりできるので、必要なものを分類して収納しておき、そのまま外に持ち出して台として使えば便利です。
車両後部でテーブルのように使うことも可能です。
オプションでアレンジする電装品

電源は70Ahの鉛バッテリーを基本とし、オプションでリチウムイオンパッテリーに交換可能です。
そのほか外部電源装置、薄型ソーラーパネル、インバーターがオプションとして用意されます。
暖房器具であるFFヒーターもオプションで用意するので、目的地や居住地によっては選択したほうがよいでしょう。
まとめ
NV200というビルダー各社に人気の車両をベースにしながら、ANNEXならではの個性が光るUTONE 200。
アルミ構造材による家具や黒アイアンの金具、コンテナボックスなど、どことなく無骨でハードな質感が独特の空気を放っています。
オプションの回転機構とロングスライドレールによるシートアレンジの多彩さも魅力。
TPボックスを持ち出し、2列目シートを後ろ向きに設置すれば、あっという間にアウトドアリビングの誕生です。
「う・と・ね」のコンセプトそのままに、車の機能をどんどん拡張して遊びたくなる1台です。