アウトドア先進国のオーストラリアではキャンピングカーの保有率が高く、多くの人が週末やホリデーをキャンピングカーを利用して楽しみます。
そして自ら車を改造して、お手製のキャンピングカーを作る人もいるんです。
今回はキャンプサイトで出会った手作りのキャンピングカーで旅をしているご夫婦にインタビューしました。
オーナー紹介
アンドリューとメル。
アンドリューは元大型トラックの運転手、メルは会社で事務をしていたそうですが二人ともすでに引退。
メルは持病で足腰が弱く長時間同じ姿勢が難しいので、仕事でも自宅でもそんな自分に落ち込むことが多かったそうです。もともと好きだった旅行も、その持病のせいで泣く泣く諦めていたそう。
そこで二人は大型バスを改造し、そこに住むことに決めたのです。
自分たちのバスなら移動中もベッドに横になったり椅子に座ったり、自由に体の位置を変えることが出来ます。さらに生活をしながら旅をすることも可能です。
この生活を始めて2年近くになりそうですが、メルは以前のような明るさを戻し夫婦で楽しく暮らせているそうです。
キャンピングカー紹介
良いんだよ。自分で作った自慢のバスだから、たくさん見て行ってね。
今日はあまり片付けてなくて、散らかってるから写真NGにさせてほしいとこもあるの。ごめんなさいね。
このバス、とても大きいですね!誰でも運転できるんですか?
この大きさは無理だね。僕は大型トラックのドライバーをしてたから免許があるけど、普通免許じゃ運転できないね。
これは元々は観光バスだったんだ。トラックドライバーの頃のツテで、もう使われないバスがあるって聞いて、それでもらうことができたんだ。
バスの後ろにヒッチメンバー(牽引に必要な連結器)がついてますが、何を牽引するんですか?
車だよ。バスだと、キャンプサイトに着いた後に荷物を出したり滞在の準備をすると、それからの買い物や散策するのが難しくなってしまうから。だからバスにつなげて車を持っていき、滞在先からの移動はその車でするんだ。
このバスすごく大きいのに、車も引っ張るなんてすごい運転技術ですね。
昔はもっと長いトラックも運転してたからね。これくらないなら問題ないよ。
外装
では早速、まずは外側からを見させてください。外部収納がとっても大きいですね!これはエアコンの室外機ですか?
そうだよ。寝室だけエアコンを別に取り付けているんだ。
その横にあるのはインジケーターだよ。あらかじめ取り付けておいてるから、車内のすべてのコンセントで家と同じくらいの電力を得られるようになっているんだ。
あとは修理工具やジェネレーター、ジェネレーターに使うためのガソリンなどを入れているね。
スペアタイヤも奥の方にありますね。本当に広くてなんでも入りそうです。
今はこれが家だからね。何があっても良いように、いろいろ準備してあるんだ。
反対側も見させてください。すごい!こちらは生活家電が揃っていますね。
ドラム式洗濯機、バーベキュー、オーブントースターを置いているんだ。
洗濯は物干し竿やロープを使う時もあるけど、量が少ない時や靴下とか小さいものは洗濯機の上にもいつでも干せるようになっているんだ。
バーベキューを外で使う一番のメリットは臭いが中にこもらないことだね。中で焼くと寝室にも臭いがついてしまうから。
スピーカも設置しているんだよ。外で作業したり料理する時に、音楽があったほうが楽しいでしょ?僕たちは音楽が大好きだからさ。どうぞ中も見てってよ。
内装
ごめんね、ここ(リビング)は散らかってるから写さないでね。
わかりました。この座席は昔のシートを利用したものですか?
そうだよ。左右の一番前の1席だけは残してあるんだ。くつろぐためではなく、移動中に座るためだね。くつろげるように違うソファをその後ろにセットしたんだ。
後ろだけ見るとテレビやプリンターもあってオフィスみたいだろ?ここで食事や書き物、パソコンもするんだけど、まったく不便に感じないよ。
ベースがバスだから、窓がとっても多いの。外の景色が見れたり、日当たりも良いんだけど、その分外からの視界も気になるの。日差しがきついときもあるからカーテンは必要ね。明るいデザインだから、室内のイメージも明るくなって気に入ってるわ。
そうね、バス自体が大きいからキッチンスペースが本当に広いわ。普通のキャンピングカーだと調理スペースは片側だけだと思うけど、私たちのバスでは左右に調理台があるし料理をしていても後ろを通るのは簡単よ。2人いっぺんにキッチンに立っても問題ないわ。
あとはスッキリ見えるように床と引き出しの柄を、統一性が出るように同じデザインにしたの。いろんな色があるとゴチャゴチャするし、疲れちゃう気がしてね。
家電は移動の時は、固定をするんですか?それともどこかに移すのですか?
プリンターとテレビはもう動かないように固定してあるの。トースターなんかのは小さくて軽いものは、移動の時には棚に入れるようにしているわ。
この洗面エリアなんて、もはや家と変わりないですね。
そうね。家で暮らしていた時と何も変わった気がしないわ。収納も本当に大容量だし、困ることは全くないわ。それなのに、家と一緒に移動できるなんてすごく便利よね。
寝室も広々!ベッドはクイーンサイズですね!それでも全然余裕があります。
そうね、両脇に棚も置けるわ。寝室にはエアコンもあるし、そこまで暑くない時用にベッドサイドに扇風機もあるから、とても快適に寝られるのよ。
最後にバスやバスの生活の好きなところを教えてください。
いろんな場所を見たり、様々な出会いがあるのがいいね。トラックドライバーだった頃もいろんな場所に行ってたけど、道路を運転するだけだったし、一人きりだったから。今はその場所の周辺散策も出来るし、妻と一緒だから楽しいよ。
足腰の辛さのせいでもう旅行には行けないと思ってたから、こんな形で叶うのは本当に嬉しいわ。もう閉じこもっていなくていいんだもの。
まとめ
いかがだったでしょうか?今回はアンドリュー、メルご夫妻の手作り改造したバスを見させていただきました。
大迫力の大型バスの中では、お互いを思いやり幸せに暮らす夫婦の姿がありました。