トヨタコースター オーナーインタビュー

母との思い出がつまった愛車、トヨタコースターで暮らすオーナーにインタビュー



今回お話を伺ったのは、収納も生活空間も広々としたバスコン、トヨタコースターでバンライフを送る、みょるにるさんです。

お母さんとの最期の時間を過ごすために購入したというキャンピングカー。出会うべきして出会ったこの一台には、たくさんの素敵な思い出が詰まっています。

トヨタコースターの魅力や購入した経緯、これからの展望などをお伺いしました。

トヨタコースター

【プロフィール】
みょるにるさん(43歳)
拠点:熊本県
愛車:トヨタコースター ロングベース ワンオフ車
車旅歴:20歳の頃から

母との最期の時間を過ごすためにキャンピングカーを購入


−キャンピングカー歴と、キャンピングカーが欲しいと思ったきっかけについて教えてください。

キャンピングカー歴は約5年で、今乗っている愛車が初めてのキャンピングカーです。

家族構成は現在、僕一人と犬一匹で、5年前母が他界するまで二人と一匹で旅をしていました。

車遍歴としては20歳の時にホンダ トゥデイの助手席を外してタンデム二人乗りの車中泊仕様に改良しましたが、車内が狭く車中泊を断念し、セドリックバンに畳を敷いてみたりしました。

21歳の時にシビリアン(幼児バス)を購入したものの製作途中でトラブル発生、この話は省略しますが、その後家を出て住み込み放浪の旅に出ました。

23歳でミラウォークスルーバンを購入したのをキッカケに退寮し、広さを求めてキャンターガッツアルミパネルバンに乗り換えたものの、時代の流れと共に変わっていく法律の下にディーゼル規制で手放してしまいました。

その後しばらくは車を離れ自転車とトレーラーにハマりましたが、37歳の時に再び車に戻ります。

久々の車はエブリイバンを新車で購入し車中泊仕様にしました。そして今回インタビューに登場する現愛車の登場です。

トヨタコースター2

−購入に至った経緯はどういったものでしょうか。

38歳の時、母の余命が短いことを知り親孝行の為に帰郷したのがキッカケです。母を当時の愛車エブリィに乗せて旅に出ようと思っていましたが、狭くてどうにもならず……。

母が行きたがっていた玉川温泉湯治に連れて行くため、コースターを探し始めたのがキャンピングカー購入経緯です。

余命宣告が短かったので、急いですぐに乗れる中古車を探していました。そしてコースターを見つけて、悩むこともなく現車を確認しそのまま即購入しました。

多分キャンピングカー購入者の中でもなかなかのスピード即決だったと思います。

ノンストレスで褒めるところしかないバスコンの魅力


トヨタコースター3

−キャンピングカーのスペックについてお聞かせください。

製造元は「キャンピングカー広島」で、平成12年式トヨタコースターロングベースワンオフ車です。

ちょっと車オタク感を出しちゃいますが、車体が本当に最高で。1HDーFTEエンジン190ps搭載の6速MTフルエアサスベースなので、とにかく快速です。

しかも4160ccインタークーラー付きターボディーゼルなので、例えば高速道路の最高速度120km/hで走行しても、まだまだパワーに余裕があります。

発進そのものは遅いものの、高速道路の合流車線が終わる前に100km/hまで加速でき、登坂車線に入らなければならない事もありません。動き出したら空荷のハイエース並みに走れます。

−特に気に入っているポイント、残念に思っているポイントがあれば教えてください。

トヨタコースター 後ろ

残念ポイントって、皆さん聞きたがりますよね(笑)室内部分に不満はほぼなく、出来合いの完成車の不満を克服したかのようなワンオフメイドな仕上がりになっています。

なので、しいて残念ポイントを挙げるなら、バスコンならではの難点として、時折駐車場を選ぶくらいでしょうか。やはり普通車とは異なりますからね、6m超えの車両を停められる駐車場は……。

そこで、実はめちゃくちゃ小回りが効く愛車がもう1台ありまして。

二輪

必要に応じて、こうやって相棒(2輪)と出かけます。後ろのカゴに乗っているのは、熊本地震よりも前からずっと一緒に車中泊している相棒(愛犬)です。

車内の愛犬

車内生活も慣れたもんで、縦横無尽に行き来しています。

トヨタコースター 車内

そして気に入っているポイントは、なんと言っても収納能力の高さ。純正の棚は強度も高く、非常に使い勝手が良いです。

母との旅行が終わった後5年弱、車内で十分生活できるキャパシティがありました。2人分の寝具が楽に入るサイズ感です。

トヨタコースター 車内2

それから、基本的に荷室部分はベッド展開のままにしていますが、キャンピングカー広島さんお得意のワンタッチソファベッドが自慢の逸品です。

トヨタコースター 運転席

運転席部分は基本ノーマルですが、iPadをケースごと設置できるのは嬉しいポイント。

日常的に使う物ほどストレスなく使える、これが究極の収納です。

トヨタコースター ギャレー

マルチルームはトイレ用でシャワーはなく、母が一緒に旅をしていた時は、更衣室として使って重宝していました。

シンクは比較的小さいですが、自分の生活スタイルには充分なサイズなので不満はありません。

どこをとっても最高で不満箇所がほぼないんですよね。本当に最高の1台と巡り会えたと思います。

コンビニも通勤も、この1台で完結!


−キャンピングカーを買う前後のライフスタイルの違いを教えてください。

コンビニもたばこ屋も、スーパーでの買い物も基本コースター一台でこなします。

そして通勤に関しては、コースターに住んでいるので……。あ、実は会社の駐車場に住民票を置かせてもらっているので、通勤も凄く楽です。

空き地を借りて、郵便受け立てたら引越し完了!そんな気楽な暮らしが手に入りました。これって、コースター1台で完結できていなかったら不可能なことですよね。

−印象に残っている旅の思い出を教えてください。

真面目な話をしてしまうと……。印象に残っている旅は、母が旅行に行く前から死を覚悟していた、秋田旅行です。下血するたびに最寄りの病院で輸血してもらって、医師の反対を押し切りながら母が目的を果たすまで走り続けていたのですが……。

途中の高速道路で母から返事も寝息も聞こえなくなり、慌てて高速を降り救急車を呼びました。結局、福島の病院で親孝行の旅行を終了させた瞬間ですね。その後、妹を呼び簡単な葬儀を済ませて遺骨となった母と、帰路につきました。

そんな体調の母とのクルマ旅、もしかしたら反対され批難されるかもしれません。

でも、自分をここまで育ててもらって、母の最初で最後の願いです。もうどうあがいても生きられないとなったら、皆さんならどうするでしょうか。僕は母の願いを叶えたかった。

トヨタコースター駐車

旅は、母が気になる何かを見つけては寄り道をするくらいで、たとえ病院に行っても「病院のベッドでは死を迎えない!」ってのが、母の希望でした。

母が旅をできたのは「1日でも永く生きて、日本の景色を見たい」と母自身が強く思ったからじゃないかな……って。

母と最期の最期まで一緒にいられて、そして一緒に旅した思い出の詰まったこの愛車が大好きです。これからの人生にも大切な、一生の思い出です。

−これからのキャンピングカーライフの展望をお聞かせください。

実は小さなキャンピングカーとトレーラーの組み合わせに乗り換えを検討中です。

−最後に購入を悩んでいる人にアドバイスをお願いします。

気に入った車に出会えるチャンスはそうありません。

特に、中古キャンピングカーは一期一会です。

中古キャンピングカーを探していて、信用できるお店で理想のものと出会えたら、勢いで買いましょう!一考しているうちに売れるのが中古キャンピングカーですよ。

みなさまも素敵なキャンピングカーライフを!