【RV トラスト】TR500 C-LH(シー・エルエイチ)
【RV トラスト】TR500 C-LH(シー・エルエイチ)
欧米では日本で言うところのキャンピングカーは”モーターホーム”と呼ばれ、「移動する家(部屋)」のような車という意味合いが強いが、日本の場合はキャンピングカーという呼称にも表れている通り「キャンプ専用車」としてのイメージも強い。
今回紹介するRVトラストの『TR500 C-LH(シー・エルエイチ)』はそういった今までのキャンピングカーのイメージに捉われずに広々としたホテルのような空間を目指し製作された車だ。
2018年にC-LHが初めて登場したときは、運転席と助手席以外に乗用席のない2人乗り専用のキャブコンという非常に珍しい作りになっていたが、2020年5月に販売されたモデルではホテルのような快適な空間は残しつつも、最大4名の乗車と就寝が可能となっている。
4人乗りになったことで、さらに使い方の幅が広がった『TR500 C-LH』はRVトラストらしい遊び心のある車として今後要注目の一台だ。
TR500 C-LH
ビルダー:RVトラスト
タイプ:キャブコン
ベース車両:トヨタ ハイエースワゴン GL
価格:¥7,500,000(税込)~
乗車人数:4名
就寝人数:4名
全長:4,975mm
全幅:2,100mm
全高:2,850mm
公式ホームページはこちら
外装
C-LHの外観としては大きな特徴があるわけではなくオーソドックなキャブコンといった印象を受ける。
ただし、全長4,975mmという大きさは、日本の平均的なコインパーキング駐車場の横2.5m、縦5.0mというサイズにぴったり収まる絶妙なサイズ感となっており取り回しは良いので、旅行中にちょっとコンビニやスーパーに寄りたいというときも安心だ。
また、シェルに関しては鋼製スペースフレームに多層断熱FRPシェルを採用しており、外部環境の変化に強い作りとなっている。
外装だけの特徴ではないが、RVトラストでは、オリジナルキャンピングカーの開発から生産までを秋田の自社工場で行っており、熟練の職人によって高品質なキャンピングカーを生産しているので安心感があるのも一つの特徴と言えるだろう。
内装
レイアウト
車内に入ると他のキャブコンと一線を画すホテルの寝室のような空間に驚かされる。
2人専用のC-LHでは両側が常設ベッドになっており、走行中に座れるシートはなかったが、4人用タイプでは車内の片側には常設のベッド、反対側には乗用シート兼ベッドが配置されているので、もちろん走行中も座ることが可能。
ギャレーや電気系統のコントローラーはエントランスから入ってすぐの助手席後方にあり、車内の7割はこの常設ベッドとシートで構成されているようなレイアウトだ。
ダイネット
C-LHのダイネットは常設ベッドとシートで構成されている。
真ん中にあるテーブルはスライド式になっているので食事の際など必要な時だけ、引き出して使用することが可能。
テーブルの下には標準装備で45Lの冷蔵庫が設置され、上部は冷凍機能も付いている。
ホテルの寝室をイメージして作られているだけあって、ダイネット(ベッド)の上から手が届く位置に必要なものが取り揃えられているのは流石の一言で、オプションのTVモニターに関しても身長や態勢の違いがあってもベッドから快適にTVを見られるようにフレキシブルアームが採用されるなど至る所に工夫が見られる。
また、車左側のシート部分の背もたれや肘掛は全て取り外すことが可能で、真ん中の通路に入れ込むことによってダイネットは大人3名が就寝可能なベッドに早変わりする。
ベッドマットにはアスリートなどにも選ばれる、耐圧分散と睡眠時姿勢保持を考えられた特殊立体構造のマットを採用しているので寝心地も良いだろう。
そして、写真では分かりにくいが、車の背面に当たる天井側の収納には見た目も考慮して家庭用エアコン(標準装備)が隠れるような形で設置されているので夏場の車旅も問題ない。
ギャレー
ギャレーはシンプルな作りにはなっているが、シンクと折りたたみ式作業台テーブル、電子レンジ(標準装備)などがバランス良く配置されているので、使い勝手は悪くない。
エントランスからすぐ取り出せるように、電子レンジの下に10Lの給排水タンクが設置されている点も親切な設計だ。
バンクベッド
ダイネット部分をメインベッドとして使うことが多いだろうが、運転席上部にはバンクベッドが用意されている。
高さもあるので1人で寝るのには十分なスペースだ。サイドには網戸付きの窓もついているので、圧迫感も少ないだろう。
もし人数的にここをベッドとして使う必要がない場合は、大きめの収納スペースとして使用するのがおすすめだ。
フリースペース
エントランスから入って目の前は大人1人が入っても広々としているフリースペースとなっている。
使用用途は様々で、クローゼットや収納、カセットトイレなどを置いてトイレとして利用するとも可能だ。
電装系
C-LHの電装系設備はかなり充実していてサブバッテリーや走行充電のほか、家庭用エアコン、電子レンジについても標準装備となっている。
オプションにはFFヒーターやMAXファン(換気扇)、1,500Wインバーター、追加サブバッテリー、ソーラー充電などがあるが、特にFFヒーターについては冬の車中泊を快適にするためにも付けておくのがおすすめだ。
まとめ
今回の記事では以前からホテルのようなラグジュアリー空間として人気の高かった『TR500 C-LH』の4人乗りモデルを紹介した。
コンセプトが明確で余計なモノは省きつつも、車内を快適に過ごすための設備はきちんと確保されたキャンピングカーに仕上がっている。
電装系設備についてもこの充実度を実現させながら、価格は税込みで750万円からとコストパフォーマンス的にも優れた一台と言えるのではないだろうか。