秋冬シーズン到来! 寒い季節に役立つ車中泊の結露防止と対策を紹介
紅葉の秋が来て、冬の寒いシーズンに入りますね。車中泊で朝起きた時に、キーンと冷えた空気が気持ち良く感じる季節です。
一方で、窓の結露に悩まされるのもこの季節。
今回は、キャンピングカー3台を乗り継ぎ、約10年間クルマ旅を続けてきた私たちの、結露の防止、抑制、掃除までのノウハウをご紹介します。
目次
結露を完全に防ぐことは可能なのか?
フロントガラスいっぱいに付着した水滴と曇り……。
我が家が以前所有していたハイエースでは、窓だけではなく、ドアポケットまで結露していたこともあります。
クルマ旅は楽しいですが、朝起きた時にこの結露を見ると、とても気分が滅入りますね。
このままでは走行できないので、朝から水滴の除去作業が必要となり、大切な時間もロスしてしまいます。
そもそも結露はなぜ発生するのか?
調べてみると結露とは、「低温の壁やガラスなどに空気中の水蒸気が凝結して水滴がつく現象。※広辞苑より」とのこと。
湿気を多く含んだ暖かい空気が、冷たい窓や壁に触れることで水滴に変化しているのです。
結露の発生には、空間の「温度」「湿度」に加え、「露点温度(大気中の水蒸気が冷却して結露が始める時の温度)」が重要になります。
空間の温度と湿度によって露点温度は変わりますが、『露点 自動計算』でWebで検索すると、温度と湿度を入力するだけで簡単に露点温度を自動計算してくれるサイトがありますよ。
下記が自動計算結果の例です。
・温度(室内の想定温度):25℃ ※比較的心地よく感じる温度
・湿度(室内の想定湿度):50% ※一般的に快適な湿度範囲(50〜60%位)
・露点温度(結露が始まる温度):14℃ ※外気の気温がこの温度以下で結露が始まる
この結果を読み解くと、快適な温度で車中泊をして、喉が乾燥しない快適な湿度環境で車内に居ると、外気温度が14℃以下になった時点から結露が始まるということです。秋から結露が激しくなるのは、すごく当たり前のことですよね。
では、秋の夜でも結露しない条件も計算してみましょう。
・温度(室内の想定温度):25℃ ※比較的心地よく感じる温度
・湿度(室内の想定湿度):20% ※喉や肌が乾燥して不快(ウィルスの繁殖を促す湿度)
・露点温度(結露が始まる温度):1℃ ※外気の気温がこの温度以下で結露が始まる
秋の外気温度(約5〜10℃)で結露させないためには、車内をとんでもなく乾燥させる必要があるという結果に!
人が生活するのには厳しい環境を作る以外、結露は回避できないということです。ちょっと現実的ではありませんよね。
結露は、完全に防止することが難しいとわかったところで、私たちが実践している結露対策をご紹介します。
結露の対策
断熱を施したキャンピングカーでも、ガラス部分は外気の冷たさを伝えやすく、必ず結露してしまいます。
露点温度以下にならないように、ガラス部分も断熱し結露対策をしましょう。
DIYによるアルミシートの貼り付け
最初に試したいのは、キャンプなどで用いる、地面からの冷気を遮断するためのアルミスポンジシートです。
ホームセンターなどで売っているものでOKです。ウインドウサイズに合わせ、サイズを選び購入してください。
これを、ウインドウ形状に合わせてカットし、なるべく密着するようにはめ込みます。少し大きめにカットするのがコツです。
見た感じは多少チープな感じがしますが、効果が得られます。
ガラスウインドウ全面の型取りとカットは結構大変ですので、取り付けが簡単でかさばらない車種専用品を購入するもの良いかと思います。
専用ウインドウシェードの取り付け
車種専用の断熱機能があるシェードを用いることでウインドウにフィットし、断熱効果が更に高まります。
私たちは、1台目のノア、2台目のハイエースでも車種専用品を購入し、結露対策をしました。何も貼っていない窓に比べると、結露の防止効果が大でした。
また、吸盤式で取り付けも比較的簡単であり、未使用時もコンパクトに収納できる優れものでした。
ウインドウシェード(プリーツ型)
上の写真は、現在所有しているROLLER TEAM「LIVINGSTONE 5」。
プリーツ式のウインドウシェードが標準装備されています。
夜間、FFヒーターを停止すると多少曇ってしまい、完全な防止は難しいのですが、朝日が射してから少し時間が経過すると消えてしまうレベルです。
全ての対策に言えることですが、日光がフロントガラスに当たる方角に停車するのも、結露抑制のポイントです。
また、アクリル二重窓は、アクリル板の間に空気層があり断熱性が高く、熱が伝わりにくいので、全くと言って良いほど結露しません。
キャンピングカーの購入を考えている方は、アクリル二重窓の車種を選定することも対策の一つとなります。
結露の防止(抑制)方法
3つの対策を先に述べましたが、実際に車中泊するときにも、少しの心がけで結露防止につながることがあります。
私が車中泊をするときに必ずする行動はこちらです。
・湿度をなるべく下げる
・車中泊する前の移動時は、エアコン(暖房)で除湿しておく
・鍋料理、湯沸かしなど、水蒸気が発生する料理などは室内で行わない
・温泉で使用した濡れたバスタオルなど、なるべく車内に干さない
・定期的に換気をする(人が居ることで、呼吸、発汗などで湿度が上がる)※寒くならない程度
これ以外にもありますが、湿気が発生することは可能な限り行わないことが重要です。
さらに、温度をなるべく適温に保つことも重要です。
温度が高く、湿度が高いと露点温度が上がり、すぐに結露してしまいます。なるべく25℃前後を保ちましょう。アイドリングなど禁止している場所もありますので、適材適所にて対策を!
そして、FFヒーターを活用する(装備車の場合)のも効果的です。
適温設定(室内が25℃位)で連続運転することで結露を抑制できます。※FFヒーターの連続運転は乾燥します。必要に応じ、寝る時には濡れマスクなど着用してください。
しかし、あまり過剰に対応してもストレスとなります。
この後に説明する結露してしまった時の対応も参考にしていただき、気楽に車中泊を楽しみましょう。
それでも結露してしまったら
車中泊における環境では、温度、湿度を結露しない条件に保つことが困難な場合も多いです。夜に車内でお湯を沸かしたなど、ちょっとしたことが原因で結露してしまいます。
では、発生してしまった結露を除去する方法を紹介します。
スキジーワイパー
このワイパーで、ウインドウに付着した水滴をかき取ります。
ホームセンターなどで売っています。ウインドウの下部に吸水ワイプを敷き詰めて、滴下する水滴を吸水できる状態とし、一気にワイプすると短時間で水滴が除去できます。安価でお勧めの方法です。
曇り止めスプレーなどの使用
吸水マイクロファイバー、スコットカーショップタオル(紙のロール)、曇り止めスプレーなど。すべてホームセンターやカーショップなどで購入が可能です。
吸水マイクロファイバーは、ワイプ後の最終仕上げの拭き取りに使います。
スコットカーショップタオル(ロール状)は、ウインドウの下に敷き詰め、ワイプ時の吸水として使用します。乾かして再利用が可能なので経済的です。
また、曇り止めスプレーは、水滴抑制の効果は低いですが曇り止め効果があります。これらをセットで準備することで、結露が発生しても、短時間で除去ができます。
※マイクロファイバーは、新品では吸水が悪いものがあります。一度洗濯しておきましょう。
可動ハンドル付き・吸水タオル取り付け型のワイパー
フロントガラスは傾斜がついているので、手拭きでは拭き取り難いです。そんな時は傾斜にフィットする可動式ハンドルのワイパーがベストです。
負担が軽減され、隅々まで拭き残しが発生しません。
まとめ
結露対策はメディアでも様々紹介されていますが、今回は、我が家が今まで実践してきたキャンピングカーの結露防止&対策方法をご紹介しました。
これから春までの寒い季節における車中泊を快適に過ごすために、少しでもお役に立てれば幸いです。
結露は車中泊における永遠の改善課題。キャンピングカーのビルダーさんも、車体の断熱対策に力を入れております。キャンピングカーショーなどに出向いた際に、断熱や結露防止対策について、各社ビルダーさんに聞いて比較してみるのも良いと思います。
今後も、新しいノウハウが得られたら、ご紹介して行きたいと思います。