梅雨〜夏にかけての車旅では「食中毒」に注意しよう!看護師ママが予防対策をご紹介
梅雨の時期から多くなる「食中毒」。
今までは夏の車旅では外食していた方もコロナ禍の影響で、テイクアウトや外でBBQなどの自炊をする方が増えていると思います。
しかし調理から食べるまでの時間が長くなってしまうと、それだけリスクが高まる食中毒。
そこで今回は読者の皆さんが安心して車旅やアウトドアを楽しめるための「食中毒の予防策」についてご紹介していきたいと思います。
目次
なぜ「梅雨〜夏」にかけて食中毒が増えるの?
6月〜9月にかけての食中毒のほとんどの原因は細菌性のものです。
では、なぜ細菌性の食中毒が夏場に増えるのか。
その理由は主に以下の2つあげられます。
一つは食中毒を発生させる細菌が、「高温多湿」の環境下で増殖すること、そしてもう一つの理由が夏バテなどで引き起こる「抵抗力の低下」です。
そのため高温多湿で熱中症にもなりやすい梅雨から夏の時期に特に注意する必要があります。
食中毒が発症する期間は?
食中毒を発症する期間は短ければ食品を食べた直後、長いものでは1週間以上経ってから症状が現れることがあります。
そして一般的な症状としては発熱、吐気、嘔吐、腹痛、下痢があげられますが、同じものを摂取しても体内に含んだ菌の量や摂取した本人の体調などによって、潜伏期間や症状は異なります。
免疫力を高めて食中毒菌に負けない身体作り
通常人は細菌が付着した食品を口にした後、菌を撃退しようとするメカニズムが備わっています。
そのため食中毒を発症させないためには、まず自分自身の体調管理や生活習慣に気をつけて免疫力を高めておくことが大切です。
特に車中泊やアウトドアをする際は、熱中症の対策やしっかり睡眠とって疲れを取るなど、夏バテ予防を心がけましょう。
テイクアウト食品やお惣菜を購入した場合の食中毒予防策
テイクアウトやお惣菜などを購入する際は、傷みやすい生ものや半熟卵などの半生の食品、水気が多い食品などは避け、しっかり中まで火が通ったものを選ぶのが安全です。
また、食べきれる量だけ注文するのもポイントとなります。
そして調理から2時間以内が安全圏内とも言われているため、購入後はできるだけ早めに食べきることを意識しましょう。
もしすぐに食べられない際は、室温で放置せずに冷蔵庫やクーラーボックス、保冷バックなどで保冷し、食べる時はレンジなどを利用して十分に中心部まで温めて加熱することが大事です!
缶詰や乾麺は夏場も車内に保管しても大丈夫?
未開封の缶詰や乾麺は、直射日光や高温多湿の場所を避けて常温で保存することが推奨されています。
常温とは気温の温度変化がある程度一定で、気温にすると大体15~25℃くらいが目安です。
それではなぜ缶詰が常温での管理が必要なのかというと、未開封の缶詰は温度が高いところや0度以下のところで保管すると、中でガスが発生したり、中身が凍ったり、分離することで底が膨らむケースがあるからです。
そのため、湿気が多い場所や気温の差が激しくなる車内で保管すると、缶の蓋や縁が錆びてしまい、缶が腐食して穴があいて液漏れしたり、細菌が侵入したりする可能性があります。
そして乾麺の場合は気温の差や湿気が多いところにおくと、袋の中に結露が発生しカビの発生原因となり、開封後であれば虫が発生しやすくなってしまいます。
そのため少し面倒ではありますが、缶詰や乾麺は適宜購入したり、その都度家に持ち帰るようにしたりして車内にできるだけ置いておかないようにしましょう。
自分で調理する場合の食中毒予防策
車中泊やアウトドアの際は自分で作る方も多いと思います。
そこでここでは出先での調理における食品の保存方法や調理方法をご紹介していきたいと思います。
買った食品の保存方法
冷凍・冷蔵が必要なものは買い物後、室温ではなく保冷バックやクーラーボックスと保冷剤を併用するか、ポータブル冷蔵・冷凍庫を使用し、キャンピングカーの場合は、備わっている家庭内冷蔵庫を使って保管しましょう。
人の常在菌から食中毒⁈
健康な人の20〜30%が保菌していると言われている黄色ブドウ球菌は、人の手指・鼻・のど・耳・皮膚などに広く生息しています。
この黄色ブドウ球菌は熱や胃酸に強い特徴があるため、食品を取り扱う際はしっかり手洗いや消毒をする必要があります。
ちなみにアルコール消毒は濡れた手に行うと効果は半減するため、手を洗った後は必ず水分を拭き取り、アルコール消毒液はしっかり乾くまで手に刷り込ませることが大切になります。
ちなみにアルコール消毒剤は車に置きっぱなしにしないように持ち運べるサイズのものを選ぶようにしましょう。
また口をつけたペットボトルも時間の経過と共に菌が繁殖しやすくなるため、できるだけ早めに飲みきるように注意しましょう。
肉や魚は洗った方がいい?
生肉には、カンピロバクターや腸管出血性大腸菌、サルモネラなどの食中毒を起こす細菌が付いている可能性があります。
それらの菌を周囲へつけないためには生肉を洗わないことが大切です。
もし肉から出たドリップなどが気になる場合はキッチンペーパーで拭き取るようにしましょう。
そして肉に付いた食中毒菌は十分に中まで加熱し、殺菌するようにしましょう。
一方、一匹丸ごとの魚や殻付きの貝の場合は最初に流水でしっかり洗うことが大切です。
その理由は、魚介類に付く代表的な食中毒菌の腸炎ビブリオ菌は海水に生息しており、真水などの水道水には弱い性質があるからです。
もし魚の切り身を調理する場合は、洗う必要はなく、肉と同様ドリップが気になるようであればキッチンペーパーで拭き取るようにし、肉と同様にしっかり加熱するようにして下さい。
野菜でも食中毒になる?!
道の駅などで採れたての新鮮な野菜を購入することがあると思いますが、ここで注意して欲しいのが「土」に含まれている細菌です。
代表的な菌としては腸管出血性大腸菌(O-157など)、セレウス菌、ウエルシュ菌などがあり、生野菜から食中毒を起こした例もあります。
野菜からの食中毒を予防する方法としては以下を参考にしてみて下さいね。
・野菜は流水でよく洗い、できるだけ加熱調理する
・トマトなどヘタのある野菜は、ヘタを取り除いた後よく洗う
・キュウリやジャガイモ、にんじんなどイボやトゲ、くぼみがある野菜は、タワシなどを使用してよく洗浄する
・キャベツやレタスなどの葉物野菜は、1枚ずつ丁寧に洗う
・ほうれん草など根本に土の付いている野菜は、根を切ったあと葉を広げるようにして土を丁寧に洗い落とす
調理器具で注意することは?
食材を取り扱う調理器具の取り扱いにも注意が必要です。
安心して食材を調理するためには、以下のポイントが挙げられます。
・肉や魚をさばくまな板と、生野菜などを切るまな板を別々にするか「まな板シート」を使う
・肉や魚を扱った包丁やまな板はすぐに洗う
・まな板と包丁、スポンジなどは洗剤で洗うだけでなく、70度以上の熱湯をかけて消毒する
・カンピロバクターは乾燥に弱いため、まな板等はしっかり乾燥させる(日光に当てても可)
まな板や包丁などの本格的な除菌方法として、キッチン用アルコールスプレーの使用がありますが、夏の車旅でのアルコール製品は引火のリスクがあるので車内に置きっぱなしにしないようにしましょう。
また、キッチン泡ハイターなどの塩素系漂白剤は強い刺激臭で体調を崩すリスクがあるため、密室になりやすい車では使わないように注意して下さいね。
作り置き食材の保存方法
自宅で缶や瓶詰め、真空パックやジップロックなど、作り置きしておいた食材を保存する場合に注意して欲しい菌がボツリヌス菌です。
ボツリヌス菌は空気がない状態を好み、熱にも強く120℃で4分間(あるいは100℃で6時間)以上の加熱をしなければ完全に死滅しません。
そのため作り置きなどをする際は、調理方法も注意し、加熱するまでは3℃以下で冷蔵または冷凍状態で保存するのが大切です。
赤ちゃんの食中毒は特に注意!
大人に比べて抵抗力が低い赤ちゃんは食中毒を起こしやすく重症化のリスクも高まります。
ここでは赤ちゃんの食中毒予防法についてご紹介していきます。
外出先では液体ミルクが便利
ミルク授乳している場合、粉ミルクだと「粉ミルクの保存方法」や「調乳用品の保管方法」「一度沸騰させた70℃以上に保ったお湯の準備」など、外出先では一苦労なことばかり。
そこで便利なのが「液体ミルク」です。
保管方法としては、暑くなりやすい車内に置きっぱなしはせずに、保冷バックに入れて涼しい日の当たらない場所に置くのがベストです。
そして飲み残したミルクには雑菌が増殖しやすいため必ず破棄するようにしましょう。
離乳食は特に注意‼︎
離乳食は自分が作った栄養満点の物を食べさせてあげたいと思うママさんも多いと思います。
しかし離乳食は刻んだり潰したりする工程が多く、水分も多く含んでいるため、夏場は特に食中毒のリスクを伴います。
「冷凍した離乳食を外出先で自然解凍させればいいのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、その考えは離乳食には厳禁です。
室温や冷蔵庫でゆっくり自然解凍する場合、食品中の雑菌が少しずつ繁殖して、食中毒のリスクを高めてしまいます。
そこで小さな子供や赤ちゃんがいる家庭で特におすすめなのが車旅やアウトドアで活躍する「ポータブル冷凍庫(冷蔵庫)」。
お値段は約2万円前後ですが、AC電源やシガーソケットから電源を供給できるものであれば、車旅でも安心して手作りの離乳食を冷凍や冷蔵のまま持ち運びすることができます。
ちなみに食べる際は近くのスーパーやコンビニなどで食品や飲み物を購入する代わりにレンジで温めてもらったり、アウトドアの際に使用するコンロや鍋を使って湯煎したりして、しっかり加熱してから与えるのがベストですよ。
キャンピングカーは赤ちゃんの食中毒問題も楽々解決⁈
上記で液体ミルクの方が食中毒のリスクを軽減できることをお伝えしましたが、粉ミルクに比べるとお値段的には割高になってしまうのが難点です。
しかしキャンピングカーであれば水道や家電製品も使うことができるので、自宅にいるときと同じ方法でミルクを調乳することができます。
また哺乳瓶の消毒もレンジが搭載されているため、レンジ用哺乳瓶消毒容器を使用すれば簡単に消毒することができます。
離乳食についてもキャンピングカーの場合、キッチンや冷蔵庫、電子レンジが付いているので出先で気軽に離乳食を赤ちゃんに食べさせることができてとても便利です。
動物も食中毒になる⁈
食べ物が傷みやすい夏の時期は、人間だけでなくペットも食中毒にも注意が必要となります。
ペットフードでもカビが生えることがあるため、ドライフードの場合はジップロックなど小分けの袋に分けて、すぐに使い切れるようにした方が安全です。
しかし熱中症の観点で考えると夏場はウエットフードの方がオススメです。
ウエットフードはドライフードに比べると菌やカビが繁殖しやすいので、缶などの封を開けたあとはできるだけ早めに使い切るか、保冷をしてあげましょう。
また手作り食をあげている飼い主さんもいると思いますが、その場合は人間と同様に生物は控えるとともに、調理器の除菌や食品をしっかり加熱することに気をつけて下さいね。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
食中毒を予防するためには、菌を「つけない」「増やさない」「やっつける」の3大原則を意識することが大切です。
そしてそれを可能にしてくれるキャンピングカーは車旅やお出かけが好きな方にとってはとてもオススメで、特に赤ちゃんと一緒に外出することに気が引けるママにこそ試してもらいたい車でもあります。
キャンピングカーに興味がある方はレンタル等できる会社も増えてきているので、一度体験してみてはいかがでしょうか?
そして車旅だけでなく日常生活においても食中毒には十分注意して、夏の食を思う存分楽しんで下さいね。