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「知ってた?」一時停止の白線が交差点より「かなり」手前にある理由

「知ってた?」一時停止の白線が交差点より「かなり」手前にある理由

取締り件数が最も多いのは「一時停止違反」


止まれ

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内閣府が発表した令和2年における、車両などの道路交通法違反(点数告知に係る違反を除く)の取締り件数は575万1,798件となっています。

さまざまな違反理由のなかで、最も件数の多いものが、取締り数160万4972件の「一時停止違反」です。

一時停止の白線は、その位置に疑問を抱きたくなるほど交差点より手前にあります。

この停止線の意味は何なのか、白線の位置からどのような確認をして進めば良いのかなど、一時停止の白線にまつわる疑問を解決していきましょう。

一時停止の白線が交差点より遠くにあるのはなぜ?


STOP

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一時停止の定義は、道路交通法第四十三条に定められています。

一時停止の白線を引く道路は、各都道府県の公安委員会により屈折、勾配、道路工作物等により左右の見通しがきかない交差点、多岐交差点等その形状が複雑な交差点、出会い頭等の交通事故が発生するおそれのある交差点、その他交差点の優先関係を明確にする必要がある交差点が対象です。

ほとんどの交差点では2〜3メートル手前に一時停止の白線が引かれていますが、ここに明確な決まりはありません。

白線の位置は、所轄の警察署と道路管理者が協議して決定しているのです。

車は、エンジンルームが前方にある形状が多数を占めます。

車両構造上、車両の前方が運転席より突出しているため、白線を交差点の入り口ギリギリに引いてしまうと、車両前方が交差点内にはみ出してしまう可能性があります。

その結果、自転車や歩行者の進路妨害になったり場合によっては事故を引き起こしたりする原因となるのです。

こうした過剰進入を防ぐため、交差点の入り口から遠い位置に、一時停止の白線が引いてあるというわけです。

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一時停止しても交差点での事故が起こる理由は?


停止

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筆者が自動車保険業務の中で取り扱った、一時停止にまつわる事故例を紹介しましょう。

交差点で出会い頭に衝突事故を起こしたAさんが「交差点の見えにくい位置に白線があったので停まったけれど、交差点内が見えにくいため前に出たら車が通過してきた」という話をしていました。

Aさんとしては「自分は一時停止をしたから過失はない」という気持ちが強くあったようです。しかし事故は起こりました。

一時停止があり、それを守ったにも関わらず事故が起こる原因は、白線で止まった後の対応にあります。

「思い込み運転」ということばをご存知でしょうか。

思い込み運転とは、過去の経験や自分の価値観などによる思い込みで、注意力が欠如したり気が緩んだりした状態で運転をすることです。

一時停止の白線がある交差点では、数メートル手前で停止をして確認をしたということによる思い込みにより、交差点への進入の際の確認はしっかりしていなかったことが事故後に判明することも少なくありません。

一時停止を白線上で行った後には、どのように車を進めていく必要があるのでしょうか。

一時停止の白線と交差点の二重確認が必須


赤止まれ

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一時停止の白線は「ここで停止をしなさい」という合図です。

停止とは車が完全に止まることであり、たとえ時速数キロでもメーターが動いていれば停止ではありません。

つまり、「白線の位置で停止したのでは交差点内が見えにくいから、交差点の近くで止まればいい」と考えてはいけないのです。

これでは一時停止違反となってしまいます。

また、「安全確認ができれば徐行すればよいのでは?」と、いう人がいますが、徐行と停止は異なります。

一時停止の白線では停止することが必要であり、その後交差点内に進入する際も、交差点入り口では停止を出来るような速度で進入していくことが、事故を防ぐポイントとなります。

一時停止の白線は、交差点での事故を防ぐためのものです。

しかし、交差点の数メートル手前にある意味を理解していなければ、違反や事故に繋がります。

一時停止は、車を完全に止めること。交差点の手前で止まって確認した際、少しでも不安があれば二重三重に停止を心がけることで事故を防ぐことができるのです。

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ライター:河野みゆき

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