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「2024年は“観測史上1位の暑さ”に」駐車してた車の中が暑すぎる…車内の熱気を早く追い出すコツは?車好きでも知らない人多い“車内の冷まし方”

2024年は観測史上1番の暑さになる?

2023年の夏、日本の平均気温は平年と比べ1.76度高かったことが気象庁により発表され、これは気象庁が統計を取り始めた125年間の中でもっとも高い、“異常気象”と呼べる数値でした。
さらにこれは日本だけに限らず、世界各国でも平均気温の記録が更新されており、2023年は世界的に観測史上もっとも暑い1年だったと言えます。
しかし、2024年はその2023年をさらに上回る可能性が高いとされており、実際に2024年4月は最高気温の記録を更新。
翌5月も平均気温は平年よりも高く、6月、7月も全国的に平年より高くなることが予想されています。
本格的な夏を迎える前から熱中症により倒れる人が増えている中、2024年の夏は観測史上もっとも暑かった2023年をさらに上回る暑さになるとも予想されており、熱中症などの暑さによる体調不良に十分注意するよう、早い段階から呼びかけが行われています。
夏は車などでレジャーに出かける人が多くなりますが、アスファルトなどの照り返しや車の排熱などで車内やその周囲は発表されている気温よりも高いことがほとんど。
熱中症から身を守るため、車に利用するうえでの暑さ対策も十分に知っておく必要があるでしょう。
ときには50度を上回る!炎天下に駐車した車内温度

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気温が35度を上回る猛暑日の中でJAFがおこなった実験では、直射日光にさらされた車の車内温度がどのように変化していくのかが観察されています。
実験では白い車を外気温が35度の晴天の日の昼12時から16時まで直射日光にさらし、その車内温度の変化を計測。
エアコンにより車内温度を25度にしていた状態から、エンジンを切りエアコンを停止させて計測を開始し、わずか5分で車内温度は10度上昇。
10分後には体温を超える37.8度、1時間後には48度に達しました。
最高値は52度となり、4時間の平均は47度と非常に高い温度となっています。
また、ダッシュボード上の温度は74度にもなり、体が触れた際にはやけど、ものが載っていれば破損や爆発といった被害が出るおそれが考えられるでしょう。
この実験ではこのほかに同型の黒いボディ色の車、サンシェードを使用した車、窓を3cm開けた車、エアコンをつけたままの車の計5台で行われましたが、エアコンをつけたままの車以外ではすべて車内温度は40度以上に。
特に、黒いボディ色の車は平均で51度、最高で57度となっています。
いっぽうで、エアコンを使用したままの車では平均で26度、最高でも27度と快適な車内温度をキープ。
ただし、万が一エンジンが停止すれば数分で他の車と同様に急速に車内温度が上昇しますし、アイドリングを続けることで周辺環境等への影響も考えられるでしょう。
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車内をいち早く冷やすなら“ドア”と“窓”と“エアコン”をうまく使おう

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炎天下の中で駐車していた車の車内温度はときには50度を超えているため、いざ乗り込もうとドアを開けたら車内の熱気に襲われ、シートやハンドル、ダッシュボードの熱さにも耐えられず、車に乗り込むことを躊躇したという経験は多くの人が持っていることです。
しかし、車の外にいても暑いため、できれば早くエアコンがきいた車内で涼をとりたいところでしょう。
そのようなときは、ドアを開けてもすぐには乗り込まず、ドアをうちわのように開けたり閉めたりして、車内の熱気を外へ逃げ出しやすいようにしましょう。
ドアをすばやく動かすとヒンジなどを傷めるおそれがあるため、「いーち、にーい、さーん…」とゆっくりしたテンポで開ける、閉める、開ける…と繰り返しましょう。
なお、ドアがスライドドアの場合は、ほかのドアやリアゲートなどでこれを行います。
車内の熱気がある程度やわらいだら車へ乗り込み、エアコンをかけます。
風量最大、温度最低に設定することはもちろん、“外気導入”にすることがポイントです。
また、外気導入にしている間はすべての窓を開けておくことも忘れないでください。
外気よりも温度が上昇している車内の空気を循環して冷やす“内気循環”ではなく、車内よりは温度が低い外気を冷やして車内へ送る“外気導入”を使うことで、エアコンから出てくる風が早い段階で冷たくなります。
さらに、車内の熱気を窓から追い出せるため、効率よく車内の熱を取り払うことが可能です。
また、この状態で車を走らせれば走行風によってさらに熱気が窓の外へ逃げやすくなります。
ある程度車内が冷えてきたら、窓をすべて閉めきりエアコンを“内気循環”に切り替え。
これで冷気を車内に閉じ込め、効率よく車内の涼しさをキープすることができます。
「熱気を車内から追い出す」「冷気を車内に閉じ込める」の2つのポイントを抑えておき、夏のドライブを安全に乗り切りましょう。
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ライター:MOBY編集部