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パンク

クルマを長期間動かさないとどうなる?起こりうるトラブルとその対策とは?



長期間車に乗らない場合、車に悪影響を与えるという話をよく耳にします。

普段から車に乗るのであれば、保管方法には困らないことがほとんどですが、海外旅行や単身赴任、予期せぬ入院など、長期間車を動かすことができない場面もあるでしょう。

車を長期間放置した際、どのようなトラブルが発生することがあるのでしょうか?

長期間車を放置するとトラブルの元になる


タイヤ

©︎kesuku/stock.adobe.com



車を長期間動かさなかった場合、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。筆者がお世話になっているディーラーの整備担当者に、代表的なトラブルと注意点について聞いてみました。

バッテリー上がり


バッテリーはエンジンをかけなくとも時間の経過とともに少しずつ放電されます(自己放電)。

また、時計やカーナビ、セキュリティなどの保持のために、微量の電気が常に流れています(暗電流)。

そのため、長期間放置しているとバッテリー上がりの原因に。バッテリーの状態によっても変わりますが、一般的にガソリン車の場合は1ヵ月ほど放置するとバッテリーが上がる可能性が高いようです。

バッテリー上がりを防ぐためには、マイナスターミナルを外しておくのがよいとのこと。

ただし、この方法はカーナビのデータなどがリセットされるため、再設定が必要になるそうです。

ターミナルを外さない場合、月に1回はまとまった距離を走行するのがベストですが、難しい場合は身内の人間にエンジンをかけてもらいしばらく放置して充電する、ソーラーバッテリーをつなげておくなどするとよいでしょう。

タイヤの変形


3ヵ月〜半年以上放置した場合、タイヤの空気が徐々に抜け変形してしまう可能性も。

目視でわかるほど変形している場合、ハンドリングが安定せず、最悪の場合事故につながってしまうおそれがあります。

対策としては、タイヤの空気圧をやや高めにして、少しでもいいからタイヤの接地面を変えること。同じ場所に力が加わり続けないようにすることがポイントだそうです。

長期保管後は、タイヤに異常がないかを必ず確認しましょう。

オイルの変質


オイルは走行していなくても劣化(酸化)していきます。

また、数ヶ月放置すると、エンジン内部の油膜が徐々に失われ、最後にはサビや腐食へと悪化する可能性も。

このような状態でエンジンをかけると、摺動部に傷がついたり、焼き付きの原因になったりしますので、オイルの量などを確認し、必要に応じて補充や交換をおすすめします。

3ヵ月以上放置した場合はオイルを交換すると安心です。

ガソリンの劣化


気温や湿度などの環境要因に大きく影響されますが、一般的には3ヵ月程度から劣化し始め、1年ほどで強烈な異臭を放つようになってしまいます。

ガソリンに関しても定期的に給油するのがベストですが、そうでなければ満タンにしておいたほうがよいとのこと。ガソリンがあまりに少ない(空気が多い)状態で放置するとガソリンが劣化しやすく、エンジンがかかりにくくなることがあるそうです。

また、最近の車は燃料タンクが樹脂製であるため、タンクが錆びることに関してはあまり心配しなくてもよいそうですが、旧車などでは金属製のタンクが使用されていることがあるため、その場合は満タンのほうが安心といえます。

2〜3ヵ月程度であれば、そこまで問題はないとのことでしたが、仮に長期保管後に給油口を開けた際、異臭を放っている場合は、ガソリンの回収業者などに連絡し、古い燃料を抜いてもらったほうがよいでしょう。

ガソリンの劣化を抑える添加剤も売っていたりしますので、そういったものを併用するのも1つの手段です。

長期保管の前後はディーラーに相談を


通話

©︎polkadot/stock.adobe.com



長期間車を動かさない場合、他にも「カビ対策をおこなう」や「サイドブレーキは解除する」などの注意点もあります。

締め切った車内はカビが生えやすい環境。座席シートは汗に晒されやすいですし、フロアマットは水分を吸収しやすいです。

その状態で長期間放置するとカビの原因になりますので、定期的に換気するとともに、除湿剤を車内に置くなどして対処しましょう。

また、古い年代の車に多いのですが、サイドブレーキをかけた状態で放置すると、固着してしまいブレーキ自体が解除できなくなる可能性があります。

長期間引きっぱなしにすることは避け、輪止めなどを使用して動かないようにしましょう。

このように様々な注意点がありますが、前出の担当者いわく、「バッテリー、タイヤ、オイル、ガソリンは、最低限注意すべきことといえます。

車種や使用状況、保管環境などによっても対策が異なってくるため、ディーラーの担当者に相談することが最も安心です。」とのこと。

なんらかの事情によりどうしても車を長期間放置することになるケースもあるでしょう。そのような場合は、ディーラーや購入店に相談してみてください。

車種や使用状況に応じた適切な保管方法を教えてくれるはずです。

バッテリー上がりなどによって車が動かせなくなった場合に対応するためにも、JAFなどのロードサービスにも加入しておくと安心です。

ライター:成田 佑真
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