キャンピングカーに家庭用エアコンは必要なの?実用性と金銭面の考察!
一昔前のキャンピングカーにおいては、家庭用エアコンはキャブコンや外車の専売特許でしたが、近年では徐々にバンコンにも搭載される様になってきました。
しかし、キャンピングカーにエアコンを取り付ける費用はキャンピングカーを制作するビルダーによりさまざまであり、実用性の観点からみてもオーナーがどのようにエアコンを使用したいかによって家庭用エアコンが必要か否か変わってきます。
今回は金額、実用性の双方からキャンピングカーに搭載される家庭用エアコンに関しての考察をしていきたいと思います。
オプションで選択できるエアコンは何用?
近年キャンピングカーのオプションとして出てきたエアコンは、キャンピングカー専用のものではなく、家庭用エアコンをそのまま車に取り付けています。
家庭用エアコンの仕組みを簡単にお話しすると、エアコンは室内機と軒先や裏庭、ベランダなどにおいてある室外機の2つを家庭用電源(100V)で稼働させています。
室内機と室外機はホースでつながっており、その中を冷媒ガスという気体を流して冷気を精製して室外機から室内へ送っています。
キャンピングカーの電源問題
キャンピングカーの家庭用エアコンのお話をする際に一番大切なのは電力の問題です。先ほどと内容が重複しますが、家庭用エアコンは100v(ボルト)で動きます。
対してキャンピングカーの中にある電気は12vですので、流れる電気が違います。さらに電力が基本的には常に供給される家とは異なり、キャンピングカーはサブバッテリーという限られた電力で家庭用エアコン稼働のための電力を確保しなくてはなりません。
キャンピングカーで家庭用エアコンを稼働させる場合、サブバッテリーに蓄えた12vの電力をインバーターという機械で変圧し100vに変換し、家庭用エアコンに供給しています。
サブバッテリーを二個搭載しているキャンピングカーで家庭用エアコンを動かした場合、サブバッテリーが105A(アンペア)だとするとサブバッテリーが満充電状態で約4時間ほど持つ計算になります。
ここで注意しなくてはならないのは「家庭用エアコンのみを動かした場合」ということです。実際には家庭用エアコンと同時にテレビをつけていたり、冷蔵庫を稼働させていることもあるでしょう。つまり電源の問題からキャンピングカーでは家と同じように家庭用エアコンを使用することはできないということになります。
ただし、キャンピングカーに外部電源システムが装備されていて、かつ使用する場所が100vを確保できる場所であればキャンピングカーにおいても家庭と同じように家庭用エアコンを使用することが可能になります。
外部電源を確保できれば……
まず外部電源システムとはなにかといいますと、車の外にある家庭用のコンセントから、キャンピングカーにコードをつなぎ、キャンピングカーの中に100vを直接取り込む装備のことです。
キャンピングカーをこの状態にすると、車体外からの電力でキャンピングカー内の100v家電製品の電力をまかなえる状態になるので、電気の心配はいらなくなります。キャンピングカーの中で電子レンジや家庭用テレビ、家庭用エアコン、ドライヤーなども使用可能になります。
キャンプ場の電源サイトやキャンピングカーの車中泊スペースとして全国に120ケ所以上存在しているRVパークという場所でも電力は確保できますので、真夏でもこういった場所を旅行の拠点にすれば、電気の心配はせずに家庭用エアコンを動かすことも可能です。
また、別の方法として発電機をキャンピングカーに搭載するやり方もありますが、発電機は騒音の問題からキャンプ場や道の駅、RVパークでも使用禁止のエリアが増えていますのでおすすめいたしません。
近年ではリチウムイオンバッテリーも出てきていますが、非常に高価であることから費用対効果を考えるとあまりおすすめはできません。
簡潔にまとめると、キャンピングカーで家と同等レベルの満足いく冷気を家庭用エアコンに求めるのであれば、外からの電力供給が前提ということになります。
外部電源を確保できないときは?
上ではあえて「満足いく冷気」と書かせていただきましたが、例えば検討しているキャンピングカーがバンコンで、リアクーラーというエンジンをかけて動かすタイプのエアコンがあった場合には、リアクーラーでバンコンの車内を一気に冷やし、家庭用エアコンを27度設定でキープすれば、涼しい環境をある程度保つことはできます。
また、家庭用エアコンの稼働時間を少しでも伸ばしたい場合はソーラーパネルを設置するのをおすすめします。ソーラーパネルはエンジンをかけることなくサブバッテリーを充電してくれます。日中晴れてさえいれば、消費していく一方のサブバッテリーの電力を大きくカバーしてくれます。
家庭用エアコンのリスク
ここでキャンピングカーに家庭用エアコンを搭載するリスクのお話もしておきましょう。本来、家庭用エアコンは地面がフラットな場所で使用することが前提の設計になっているので、車が傾いた状態で家庭用エアコンを使用すると、エアコンの排水がオーバーフローしキャンピングカーの中に漏れることがります。
また、ビルダーにもよりますが、室外機から室内機に向かうホースをまげて施工している場合、そこからガス漏れを起こすリスクがあります。漏れていくペースは個体差がありますが、家庭用エアコンのガス漏れはキャンピングカーにはつきものですので、エアコンのガス補充も必要になります。
まとめ
家庭用エアコンをキャンピングカーで使用するために、インバーターやソーラーパネルも取り付けるとなると、設置費用のみで約100万円かかります。また、エアコンのガスの補填など定期的にかかってくる費用もあります。
前述したように、電源の問題からキャンピングカーと家とではエアコンの使い方が異なる点にも留意してキャンピングカーに家庭用エアコンを装備するか否かは決めましょう!