【バンコン・フルコン・キャブコンなど】 キャンピングカー選びの極意をご紹介!

ここ数年、『VANLIFE』や『車中泊』、『キャンピングカー』と言うキーワードをよく目にします。
僕も車中泊をしはじめて30年。
初めは釣りをするためにステーションワゴンで車中泊をしていましたが、現在はキャンピングカーを購入してさらに行動範囲が広がり、快適に旅をすることができるようになりました。
今回は、「そもそもキャンピングカーって?」というお話から、後悔しない『キャンピングカー』選びの極意をご紹介したいと思います。
【キャンピングカーの基礎知識】 8ナンバーは登録の条件をクリアしている必要がある!

夜、人気のある道の駅を覗いてみると、軽自動車からミニバン、キャンピングカー等、さまざまな車が車中泊をしています。
それでは、その中で『キャンピングカー』とはどれでしょうか?
『キャンピングカー』と言われて多くの方が想像するのは、『キャブコン』と言われるトラックの後ろに箱が付いている様な車だと思います。
でも実際には『キャンピングカー』にはさまざまな種類があり、全て決められた条件をクリアしている車なんです。
キャンピングカーは車検上『8ナンバー』に属する
特殊車両の内の『キャンピングカー』といわれる車両になります。
1ナンバー・4ナンバーのハイエースでも、ベッドやリビング(ダイネット)があるものもありますが、8ナンバーとは何が違うのでしょうか?
1、4ナンバーは『貨物車』と呼ばれるトラックで毎年車検があり、1ナンバーは、高速料金が貨物車両料金なので割高です。
一方、8ナンバーのキャンピングカーは、同じハイエースでも2年に1度の車検になり、高速代は普通車と同じです。
同じハイエースなのに、同じような設備なのに、なぜこのように違うのか? それは、キャンピングカーとして登録する為に決められた以下の条件をクリアしているかどうかに関わってくるのです。
キャンピングカーと名乗るのに必要な条件

<キャンピングカー登録の条件>
・定員の3分の1以上の寝る設備がある
・ベッドは水平で平らであり、1人につき長さ1.8m、幅0.5m以上確保されている
・ベッドの上に0.5m以上の空間がある
・ベッドは席とは別にある、ただし席がはじめからベッドになることが前提に作られているならOK
・10ℓ以上貯蔵できる給・排水タンクを備えている
・タンクから洗面台等に水を供給できる装置がある
・洗面台等と人の間に他の設備がなく、洗面台等の前には1.6m以上の空間がある
・調理台として使用する場所は0.3m以上×0.2m以上の平面が確保できる
・コンロ等で炊事ができる
・コンロ等と人の間に他の設備がなく、洗面台等の前には1.6m以上の空間がある
これらの用件を満たしていないと、『キャンピングカー』として登録することができません。
カスタムキャンピングカーはビルダーが車を改造して作れる!
『キャンピングカー』の定義について、なんとなく理解していただけたかと思います。
簡単にまとめると、6人乗りであれば4人がまっすぐ眠れるベッドがあって、ガスコンロや水道が完備され、立って調理ができる、ということなのです。
「立って調理をする(1.6mを確保する)」という部分がネックな条件
DIYした車でも上記の用件を満たしていればキャンピングカーとして登録できるということなのですが、ハイエースやミニバンの場合、「立って調理をする(1.6mを確保する)」という部分が一番のネックとなるようで、だからビルダーの作るキャンピングカーのベースは、ハイエースのハイルーフが多いんですね。
そこで活躍するのがビルダー!
『ビルダー』が作るオリジナルキャンピングカー

僕も旅先や仕事先で車内を見せてほしいとリクエストされ披露することが多いのですが、大抵の方に
「キャンピングカーみたい!」
「ここまで改造するの大変じゃなかった?」
などと言われることが多いんです。
確かに外観がハイエースなので、自分で改造したと思われる方が多いのですが、その度に、「この車はビルダーが作ったバンコンと言うちゃんとしたキャンピングカーなんです」と説明してびっくりされます。

バンコン・フルコン・キャブコンなど!キャンピングカーの種類を知っておこう!

バンコン(バンコンバージョン):ワンボックスカー等を改造したもの
ハイエースなどのワンボックスカー等を改造したもの
フルコン(フルコンバージョン):ほとんどを独自に架装したもの
エンジン・ミッション以外のものを架装した種類
キャブコン(キャブコンバージョン):2t前後のトラックがベースで運転席の後ろを架装したもの
その他キャンピングカーの中には、以下の様な種類があります。
・バスコン(バスコンバージョン):コースターなどのバスがベースのもの
・トラコン(トラックコンバージョン):トラックの荷台に箱を載せたもの
・トレーラー:車で牽引されることを前提に作られたタイヤのついた箱状のもの
※最近軽自動車を改造したものが流行っていますが、今回の記事内では『キャンピングカー』という分類からは除外しました。
『キャンピングカー』と言ってもざっくりとこれだけ種類があり、サイズも設備も多種多様なのです。
次ページ⇨ キャンピングカーを選ぶ際に気をつけなければならないことや失敗談をご紹介!
キャンピングカーを選ぶときのポイント! 何人で使うか・どう使うか
それでは、『キャンピングカー』を選ぶ時、具体的にどんなことに気をつけなければならないのでしょうか?
『キャンピングカー』を何人で使うのか?
『キャンピングカー』で移動、就寝する人数が何人なのかは非常に大事です。
『キャンピングカー』は限られた空間なので、使う人数によって快適な広さやレイアウトがあります。
例えば家族4人で使うのであれば、当然ベッドは4人分必要ですし、車内でのんびり過ごしたいのであれば4人がゆったり座れる椅子やスペースが必要です。
逆に夫婦2人だけなら、ベッドもリビングスペースも2人分で良いのです。

『キャンピングカー』をどう使うのか?
「キャンピングカーをどう使うのか」。実はこれが最も大切です。
『キャンピングカー』を購入した目的と実際どう使うのかが合わないと、楽しいはずのキャンピングカーライフが苦痛になってしまうケースも。
例えば、キャンプ場でキャンプを楽しみながら、キャンピングカーをリビングや寝室として使うのであれば、キッチンが充実している必要はありません。
釣りやバイク、スキーの基地として、キャンピングカーで寝ることが目的であれば、広々としたキッチンより遊び道具がたくさん積めるスペースがある方が良いでしょう。
また、ノマドワーカーとして仕事をしながら旅をしたいのであれば、電装品が充実していて電力に余裕が必要です。
ソーラーパネルがあって日中充電できた方が良いですね。

キャンピングカーを、移動する家のように使いたいのであれば、トイレやシャワーも必要でしょうし、車内で料理をガッツリ行うのであれば、キッチンはもちろん、換気扇やコンロも2~3口必要でしょう。
この様に、キャンピングカーは普通の車と違って使い方が千差万別です。
ご自身のライフスタイルや目的に合ったキャンピングカーを選ぶことが重要になるのです。
キャンピングカー選びの失敗談をご紹介! 大きさの誤り・設備の不備など
僕の友達で、キャンピングカーを購入して失敗してしまった方のお話を2つご紹介します。
失敗談ケース1:キャンピングカーの大きさを間違ってしまった!
背の高いキャンピングカーは、スーパーの立体駐車場に入れなかったりカーポートの中に入れなかったりするからと、小さめのキャンピングカーを購入した方がいます。
でも、購入して4ヶ月程で大きめのものに買い換えました。
理由は、車内で立つ事ができずに苦痛を感じたり、ベッドの下に収納があるため荷物の出し入れのたびに布団やベッドを畳む必要があったということでした。
立体駐車場やカーポートに駐車できることと、車内で余裕を持って動けること。どちらが自分達にとって大切なのか、目的と使い方を事前によく考えて購入できるのがベストですね。
失敗談ケース2:キャンピングカーのスピードや乗り心地が合わなかった!
同じく友達の話ですが、購入後半年程でキャンピングカーを買い換えた方がいます。
理由は、最初に購入した小型トラックベースのキャブコンが、上り坂で30キロ以上のスピードが出ず、さらに乗車中のフワフワと振られる感覚が苦手で、乗り心地が自分には合わなかったということでした。
長時間運転・乗車することもあるキャンピングカー。購入前に、乗り心地やスピード感などのチェックも怠らないようにしましょう。
やっとの思いでキャンピングカーを購入しても、意外とすぐに買い換えている方が多いのは、その方の使い方と目的が合っていないから。
理想のキャンピングカーライフを妄想したり、事前にチェックできることは細かい部分までチェックするようにしましょう。
キャンピングカー購入の際に確認するべき3つのポイント
キャンピングカーショーやビルダーで、ピカピカの広々としたキャンピングカーを見ると、夢が広がりますよね!
「今すぐにでも欲しい!」と思ったあなたは、もしかすると、キャンピングカー初心者が陥りやすいマジックにかかってしまっているかも……。
キャンピングカーを購入した後に後悔しないために、今からお話するたった3つの問いをチェックしましょう。
Q1.寝具はどこに収納しますか?

ぐっすり眠るために、家で使っている寝具をキャンピングカーに持ち込もうとした時、その寝具の収納場所は確保できていますか?
また、リビング(ダイネット)でリラックスするためにベッドを片付ける必要があるとしたら、寝具やマットレスをどこにしまいますか?
ベッドスペースは、キャンピングカー生活の基盤になる重要なスペースです。
常設がいいのか、もしくは収納する場合でも快適なキャンピングカーライフの妨げにならない収納場所が確保できているのかが大切です。
Q2.そのキャンピングカーにあなたの荷物は積めますか?

キャンピングカーでキャンプ場に行く、カヤックを楽しむ等、キャンピングカーは、目的ではなく手段。遊び道具はしっかり積めることが大事ですが、必要な荷物が積めないようでは、『キャンピングカー』のせいで遊びを制限されることになってしまいます。
遊ぶために購入した『キャンピングカー』のせいで遊びが制限されるなんて本末転倒ですよね。
そうならないためにも、キャンピングカーを使う目的と、詰め込みたい荷物の容量を事前に把握しておくことが肝心です。
Q3.キャンピングカーのサイズ感はマッチしていますか

家の駐車場にキャンピングカーが入りきらない場合、外に駐車場を借りる必要があります。
場合によっては、家から遠く離れた場所でないとキャンピングカーを停められないこともあるでしょう。
大きいので2台分の料金が必要な場合もあります。
あまりに大きすぎると、旅先で駐車する際、停められる場所があるかいつも気を遣わなければなりませんし、人気の観光地ではバスの駐車エリアに誘導され、普通車の何倍もの料金が必要な場合もあります。
都会や人気の観光地では、駐車できないことも珍しくありません。
秘湯めぐりが趣味なら、山奥の細い道が通れず、諦めなければならないこともあります。
車内は限られたスペース。「キャンピングカーは大きければ大きいほど快適!」なのは間違いありませんが、そのキャンピングカーで行きたい所へ行くことができるか否か、充分に考えてサイズを決めましょう。
キャンピングカーを丁寧に選んで後悔のない夢のキャンピングカーライフを楽しもう!

キャンピングカーショーや展示場に行くと、たくさんのキャンピングカーが展示してあり、夢が広がりますよね。
でもまずは、キャンピングカーの基礎知識をマスターすること。
その上で、今回ご紹介した選び方のポイントや購入の際にチェックしたい項目を確認し、購入するようにしましょう。
キャンピングカーは家の次に大きな買い物かもしれません。
なかなか一歩が踏み出せない方も多いかもしれませんね。
しかし、キャンピングカーがもたらしてくれる新しい世界は、お金では買えない素晴らしい経験を約束してくれるはず。
ぜひキャンピングカーの世界に飛び込んでみてください!