知識
ルーフテント+ピックアップトラック+キャノピーは、長期キャンプ向き!

オーストラリア パース在住の筆者。
コロナ禍で海外に行けない状況が続いていますが、わが家のピックアップトラックにルーフテントを積んだキャンプカーで、タスマニア(オーストラリア南海岸沖の離島)に渡り長期滞在してキャンプライフを楽しんでいます。
タスマニアでは同じキャンプ場に2週間ほど滞在。
キャノピー(天蓋、本記事では荷台に載せている金属の収納箱)のルーフに直接設置しているルーフテント開閉作業や、キャノピーに設置したオーニングテントを、毎日出掛ける度に片付けるのは手間のかかる大変な作業です。
そこで、滞在中はピックアップトラックに積んでいるキャノピーを独立させて、キャノピーとルーフテントそしてオーニングテントをキャンプ場に常設状態にすることに。
そのときの様子とメリットとデメリットなどをご紹介します。
ピックアップトラックからキャノピーを離脱する手順
元々、わが家のピックアップトラックは、内装関係の仕事をしている仕事用で使っている車です。
普段はキャノピーの中には工具をびっしりと積んでいますが、キャンプカー仕様にする時には、積んでいる仕事用の工具を出して、キャンプ用品を積み替えます。
ルーフテントは特に邪魔にならないので、常にキャノピーのルーフトップに設置したままにしています。
今回はタスマニアで気に入ったキャンプ場を見つけたので、そこをベースキャンプにして日帰りトレッキングに行ったり、海に行ったりとするため、ルーフテントが設置してあるキャノピーを車から離脱させました。
そしてオーニングテントをキャンプ場に常設したままで、ピックアップトラックの車体のみとなって身軽な状態で出掛けてみることにしました。
その様子を写真と共に解説していきたいと思います。
次のページ⇨ 実際に脚を取り付けてみると?
キャノピーに脚を取り付ける

写真はキャノピーを支えるスチール製の脚です。
4本の脚で1.5トンほどまでの重量を支えることもできるので重量感もあり、高さの調節が可能になっています。

ピックアップトラックの荷台に取り付けているキャノピーのロックを解除し、四隅にこのように脚を取り付けます。
ジャッキで高さを調整する

キャノピーが一片に傾きすぎないようにバランスを取りつつ、4本の脚をジャッキでなるべく平行を保ちながら調整し、少しずつキャノピーを待ち上げて高さを上げていきます。

ピックアップトラックの荷台の高さより高い位置に、キャノピーを持ち上げられたら、キャノピーを離脱する準備完了です。
車両を前進させてキャノピーを離脱

慎重にゆっくりと車両を前進させていきます。
このとき、地面に傾斜があったりすると、荷台とキャノピーがぶつかって、キャノピーの重心を損なう恐れがあるので、十分にキャノピーの高さを上げる必要があります。

完全に車両とキャノピーが離脱すると、全重量400kgくらいあるであろうキャノピーを、このように細い4本の脚で支えることができ、キャノピーをベースに設置したルーフテントを開き、キャノピーにオーニングテントを取り付け、リビングスペースも確保できます。
1カ所に中長期で滞在する際は、これらを常設したままで、車体のみで行動できるようになります。
オーニングテントの設置

わが家のキャノピーの中には冷蔵庫や簡単なキッチンがあるため、オーニングテントを設置することによって、雨風を遮るダイニングキッチンを確保、そして寝室としてルーフテントがあるので、ある程度の長期のキャンプにも対応できます。

ルーフテントは5分あれば開閉可能で、毎日の開け閉めは苦ではありません。
しかし、オーニングテントを、毎日出掛ける度に片付けするとなると、さすがに大変です。
キャノピー独立キャンプのメリット
常設のキャンピングユニットが完成
前述した通り、ルーフテントをはじめ、キャンプユニットを常設状態にすることが可能です。
通常のテントとの違いは、キャノピーのルーフトップの高い位置に、自宅のベッドと変わりない寝心地の良い空間があり、リビングスペースとは別になるため、アウトドアであっても砂や草などが入り込みにくく、清潔な状態を保てます。
車両が軽くなる
キャノピーを離脱後のピックアップトラックはかなり軽くなるので、山道などや砂浜などの4WD遊びがより楽しくなる。
車両の燃費が良くなる
キャノピーを離脱させて車両が軽くなることで、燃費が良くなります。
キャノピー独立のデメリット
車両からキャノピーを脱着する際にかなりのスキルが必要
前述したように、キャノピーに脚を取り付けて、平行感を保ちながらジャックを使って、キャノピーを持ち上げて調節してからの離脱は、ある程度の知識とスキルが必要になります。
そしてキャンプ後にキャノピーを車両の荷台に戻すのは、ミリ単位の高度な運転技術が必要になります。
そうそう頻繁に行う行為ではないですし、非常に重いキャノピーを取り扱うので、かなり慎重な作業になります。
不安定
キャノピーの脚は理論上では1.5トンまで搭載可能ということなのですが、独立したキャノピーに乗せたルーフテント内で、寝起きも可能になっていますが、細い4本の脚だけで支えているだけですので、高い位置にあるルーフテントの中では、少しの動作でも揺れて、不安定さを感じたので、なるべく動かないように気遣います。
キャノピーの脚を持参しなければならない
当たり前ですが、キャノピーを車両から離脱させるためには、スチール製の重い脚を持参しなければなりません。
それでなくても長期のロードトリップでは荷物が多くなってしまうのに、加えてかさばるキャノピーの脚の収納スペースを確保する必要があります。
さらに、キャノピーの脚を積むことによって車両が重くなり、燃費が少々悪くなります。
中長期滞在向きのキャノピー独立キャンプ
元々は業務用のピックアップトラックに工具を積むためキャノピー。
工具以外の大きな荷物をピックアップトラックの荷台に積む必要があるときに、キャノピーを車両から離脱させるという使い方をしています。
この方法はキャンプにも応用できるということで、わが家のスタイルのように、キャノピーにルーフテント積んだものを独立させて、常設状態にすることによって、より身軽にオーバーランダーやロードトリップなど中長期滞在型で、アクティブに行動したいキャンパーの間で浸透しつつあります。
このようなタイプのキャノピーは車両を売却する場合でも、キャノピーを取り外して車両のみを売却することができるので、車両だけ買い替えたいという場合でも対応できます。
オーストラリアでは、けん引タイプの居心地良いトレーラーキャラバンが主流ですが、ルーフテントを積んだ単一車両になりますと、よりアクティブに車旅を楽しむことができるので、今回ご紹介したキャンプスタイルが、わが家のお気に入りになっています。
今回は日本ではあまり見ないタイプの、ピックアップトラックのキャノピー独立のキャンプスタイルをご紹介しましたが、何かの参考になったらうれしいです。
ぜひ皆さんも、お気に入りのキャンプスタイルを見つけて、アクティブに理想のキャンプを楽しんでください!