キャンピングカーに最適なエアコンは?選び方・購入前の注意点
目次
購入前に知っておきたい家庭用エアコンのポイント
文字通り、みなさんのご家庭にもあるエアコン。
家電製品であるエアコンを停泊時エアコンとして流用したものです。
日本製の家庭用エアコンは省エネ性能に優れているうえに運転音も静か、とその能力は折り紙つきです。
とはいえ、これをキャンピングカーに搭載するとなると、いくつかの問題をクリアにせねばなりません。
電源の問題
家庭用エアコンの電源はAC100Vですから、サブバッテリーからDCACインバーターでAC100Vに変換する必要があります。
家庭用から車載用への改造
そもそも車両に搭載して使うことを考えていませんから、車載用に改造や加工をする必要もあります。
室内機・室外機ともに、車両に積むには大柄です。
ある程度大きな車両でないと、搭載は難しいでしょう。
室外機をどこに設置するか(バンコンなどでは床下が多いです)、室外機を横倒しに設置できるか。
排水ドレーンから、水が正しく流れるか……など、車に積み込むにあたって考えねばならないところはたくさんあります。
振動の問題もあります。
家で使う分には、地震でもない限り揺れることはほぼありませんが、車は常に揺れるものと考えねばなりません。
このような、室内外機のおさめ方、防振対策は、各ビルダー「独自のノウハウ」ということになります。
家庭用エアコンのトピックス①消費電力は冷房より暖房の方が高い
ほとんどの家庭用エアコンには「暖房モード」が備わっていますが、キャンピングカーではオプションのおまけ、程度に考えておきましょう。
なぜなら、冷房より暖房のほうが、断然、電力を消費するからです。
外部電源が取れるキャンプ場など、条件がそろったときだけ使えるものと考え、通常の暖房はFFヒーターに頼るのが賢明です。
家庭用エアコンのトピックス②エアコンの取り付けは技術が必要
ここ数十年の間に、日本の夏の平均気温は格段に上がり、家庭用エアコンは家電量販店などで数万円程度で販売されています。
そのため、ビルダーの見積もりを見て「オプション料金が高すぎる」という声を耳にします。
確かに、家庭用エアコンを買ってきて、取り付ける だけならば、高く思えるかもしれません。
が、先にもお話しした通り、車載するにあたって何らかの改造が必要であり、安全に設置するにはそれなりの技術も必要です。
安易に家電量販店の価格と比較しても意味がないことが、お判りいただけると思います。
購入前に知っておきたい車載用エアコンのポイント
最近種類が増えてきたのがDC12Vで駆動する車載用エアコンです。
最初から車両に搭載することを考えて作られているので、大きさは非常にコンパクト。
軽キャンピングカーに搭載できるほど小さいものも登場しています。
サイズだけでなく、防振対策なども車載を前提に造られているところが大きなメリット。
ただ、小さい分、冷房能力は家庭用エアコンより劣ります。
車のサイズ(冷やしたい面積)や設置場所の大きさをよく考えて検討する必要があります。
より賢くエアコンを使うために効率的な使い方
停泊時エアコンはサブバッテリーという限られた資源で運転します。
つまり、上手に使わないとあっという間にサブバッテリーが空っぽになってしまう可能性があります。
日が暮れれば涼しくなる高地ならともかく、夜になっても気温が下がらない平地では、動かないエアコンを眺めながら寝苦しい夜を過ごす羽目にもなりかねません。
「エアコンは何時間くらいバッテリーで動くの?」
これが一番気になるところでしょう。
どのぐらい電気が必要になるかは、その日の気温や日照時間など、さまざまな要素が絡み合って決まるもの。
「使用可能時間」は表示されていても、あくまで目安です。
条件によっては「確実に〇〇時間動かせます」とは言えないのです。
少しでも長く使うための対策
では、稼働時間をできるだけ伸ばすには、「停泊時エアコンを使う前になるべく冷やしておく」のが肝心です。
「暑い状態から冷やす」のが、一番エネルギーを必要とします。
つまり、炎天下に停めっぱなしにしておいた、室温が60℃にもなろうという車内を、いきなり冷やそうとするのが、一番非効率的な使い方です。
できるだけ運転中からカーエアコンを使って冷やして、車を停めるならなるべく日陰に。
キャンプ場などで停泊位置が決まったら、車内の室温が上がらないうちに停泊時エアコンに切り替えれば、冷えた状態をキープすることになります。
かといって、キャンプ場などで長時間アイドリングのままにしておくのはいけません。
買い物をする、入浴に行く、などのスケジュールを上手に組み立てて、車内を涼しく維持できるように計画して行動するのが一番です。
まとめ
キャンピングカーの停泊時のエアコンは、暑い夏を快適に過ごすために欠かせない装備になってきました。
AC100Vの家庭用エアコン、DC12Vの車載用エアコンの特徴を理解、効率的な工夫をしてより快適な旅をしましょう。