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【速報】話題の車中泊用ポータブルクーラー「 EcoFlow Wave」使ってみた!検証第一弾



ポータブル電源のEcoFlowからポータブルクーラー・EcoFlow Wave(以下、Wave)が登場した。

クーラーと言っても保冷庫のことではない。

若い人はもしかしたらあまりピンとこないかもしれないが、昔はクルマにエアコンはなく、あっても暖房(エンジンの熱を活用するヒーター)とは別体のクーラーだった。

簡単に言ってしまえばクーラーとは暖房機能のない冷房機能専用のエアコンのようなものだ。

そして、さすがこれまでポータブルバッテリーを数々発売してきたEcoFlow。

専用のバッテリーパックも用意されていて、これを装着すれば外部電源はもとより、ポータブル電源がなくてもこの一台で最大8時間の稼働が可能となっている。

また、交流100Vからはもちろん、走行中のクルマからもソーラーパネルからも充電が可能だ。

夏の車中泊では暑さ対策が最大の課題と感じる人も多いと思うが、これはまさに車中泊のために作られた最強の冷房器具といったところだ。

予告発表の時点で私も興味津々だったのだが、一般販売開始前にデモ機をお借りする機会に恵まれた。

まだ灼熱の時期には入っていないけど、実際に使い心地などを検証した(この原稿を書いている時点でも検証継続中)ので、ともかく急いでご報告したいと思う。

EcoFlow Waveの概要


wave全体

車内で涼をとるための最もプリミティブな機器は「扇風機」。

そしてクーラー(エアコン)より安価で、普通の扇風機より涼しそうな機器に「冷風扇」というのもある。

これを車内で使用することを検討中の人も少なくないと思うので、まずはクーラーとそれとの性能の違いについて簡単に説明しておこう。

冷風扇は、水が蒸発する際に気加熱が奪われる原理を利用し、普通に風を送るだけの扇風機よりひんやりとした風を送り出すことができる扇風機の一種だ。

確かに送られてくる風は普通の扇風機より少し涼しいのだが、密閉した車内で使用していたら当然ながら室内の湿度は上昇してしまう。

そして、ひんやりした風を送り出しているだけで、エアコンのように室内の空気の温度を下げられるわけではない

この2点がエアコンとの決定的な違いだ。

冷風扇も最初のうちは風に当たっている部分は爽やかに感じられるだろうが、長時間狭い室内などで使用していると室内の湿度が上昇し、結果的にむしろ蒸し暑くなってしまうケースもある。

屋外や風通しの良い広めの室内での使用なら良いかもしれないが、窓を閉めた30°Cを超えるような高温の車内で長時間使用したらどうなるかは推して知るべしといったところだ。

それに対して、エアコンがどういったものなのかは説明の必要もないと思う。仕組みなど知らなくても体感的に知っていれば十分だ。

冒頭で書いた通りWaveは暖房機能がないエアコンのようなもので、室内の気温を下げる歴とした冷房器具だ。

パッと見、Waveは大きくて価格もなかなか高価な機器ではあるのだが、普通の家庭用エアコンなどを思い浮かべていただきたい。

エアコンというやつは、室内にいると壁の高いところに付いているあまり大きくもない箱と認識してしまう人もいるかもしれないが、実は外に置いてあるデカい室外機の方がエアコンの本体と言うか、あれこそがエアコンの正体だ。

Wave(518×310×416mm)は結構大きく感じられるかもしれないが、この大きさで室外機なしで1200Wの冷却能力を有する。

価格も、本体代+設置費用もかかるセパレートタイプのエアコンをバンやキャンピングカーに後付けすることを思えば、良心的と言ってもいいのではないか。

もう少し具体的にWaveの能力を言うと、最適冷却面積は5~8㎡となっている。

例えば四畳半の面積は約7.29㎡、室内の幅が1.6mで室内長が5mだとしたら8㎡だ。

余程巨大なキャンピングカーでない限り、室外機もないこれ一台で車内を冷やせてしまうということになる。

そして持ち出しも可能で、AC電源だけではなくバッテリーで駆動する。

専用のバッテリーパックや、同社のDELTA Max/Proとの組み合わせならAC(交流)に変換することなくDC(直流)のままで駆動するためロスが少なく、電力消費量も少なくて済む

ポータブルだから、設置した一台のクルマでしか使えないのではなく、複数のクルマで使い回したり、テントや家でも使用したりすることができる。そう考えると大変お得な一台でもあると思う。

【「EcoFlow」ポータブルクーラーの公式サイトはこちらから】

具体的にEcoFlow Waveの各所を見ていくと


あらためて大きさから


トランクカーごとの比較

サイズは、518 x 310 x 416mmとなっている。

数字だけより何かと比較した方がわかりやすいと思い、愛用者の多い50Lサイズのトランクカーゴとキャラバンの室内で並べてみた。

トランクカーゴの上に置いた様子

ロータイプ30Lサイズのトランクカーゴの上に載せるとこうなる。なんだか妙にしっくりと収まっている。

上の2枚はキャラバンの室内に置いて撮った写真だが、キャラバンやハイエースなら全く無理のないサイズだ。

いやいやこれは大きいと言うのであれば、先程書いた通りで、普通のエアコンのことを思い出してほしい。

軽車両に置いた様子

軽のバモスの車内に置いてみるとこんな感じだ。

全く無茶な大きさというわけではないが、その昔ドライブインとか食堂などの店内に巨大な冷蔵庫のような大きさのクーラー(エアコンではなくてクーラー)が鎮座していた様子をほうふつとさせる。

次に重さについて


重量はWave本体が17.5kg、専用バッテリーパックが7.9kgとなっている。合わせると25.4kg。何かに例えるなら、500mlの缶ビール24本入りの箱二つ分くらいだろうか。

決して誰にでも手軽に持ち運べるといった感じではないが、一般的な体力の成人男性なら無理なく持ち運びのできる重さだ。

私も若い頃はこれくらいの重量の荷物は普通に背負って北アルプスとかを縦走していたので、少なくとも悲鳴を上げるような重さではないはずだ。

インターフェイス(操作パネル)などについて


私は「Aボタンを長押しすると何々、2回押すと何々、Bボタンを短く1回・・・」のようなのが大の苦手で、「そんなの覚えられるわけないだろー!」と叫びたくなってしまうことがある。

しかし、幸いなことにWaveの操作パネルはそうではない。ちゃんと各々役割が割り振られたスイッチのボタン4つとダイヤルで構成されている。

スイッチの位置

各スイッチボタンの下にあるのが冷気の出てくるところで、その右隣にダイヤルがあるのだが、このダイヤルで温度やタイマーの調整ができるようになっている。

アナログ世代にはこういったダイヤルとかがあると馴染みやすく、非常に好感が持てる。

そして、ダイヤルの内側が液晶パネルになっていて、外気温・設定温度・バッテリーレベル・タイマーなどなど諸々の状態が確認できるようになっている。

そして、Waveは本体の操作パネルからだけではなく、アプリを使ってスマホからもコントロール可能だ。

さらにこのアプリを使うと、何やらアルゴリズムがどうしたとか難しいことが書いてあって仕組みはよくわからないのだけど、エコモードを選択することができ、自動的により効率的な運転をしてくれるらしい(まだこれは試していない)。

バッテリーインジゲーター

専用のバッテリーパックの充電状態は、Wave本体の液晶パネルでも確認できるが、バッテリー側のライト4つのシンプルなインジケーターでも確認でき、Wave本体だけでなくこちらにも電源ボタンが装備されている。

専用バッテリーを外した状態

上の画像は本体からバッテリーパックを外した状態。右の黒いのが本体底部に取り付けるバッテリーパックだ。

バッテリーパックの付け外しは至って簡単だが、しっかりと固定されて一体感がある。

DELTAの挿入場所

そして、このプラグで本体と電源を接続するのだが、DELTA Max/Proを電源として使用する際も専用のケーブルを介してこのプラグに接続する仕組みだ。

このプラグ差し込み口の上にある黄色いのはソーラーパネルやシガライターソケットから充電する際のケーブル差し込み口。

凝結水について


エアコン(クーラー)はその仕組み上、冷却時に凝結水が発生してしまう。これは宿命だ。

しかし、Waveはこの水をヒートチューブに通すことで自動的に蒸発させる仕組みになっている。これは大変秀逸なことだ。

屋外に室外機があるのならそのままチューブを介して外に垂れ流せば済むが、室内に置く一体型の場合はそうは行かない。

暖気の排出以外に排水チューブの取り回しのことなども考えなければならないからだ。

また、これによって保守作業がなくなることも大きなアドバンテージとなる。

ドレンプラグの場所

しかし、湿度が70%以上の環境においては排水が推奨されている。

そのためのドレンプラグもあり、ここにチューブを接続して排水できるようになっているのだが、満水時には自動的にシャットダウンする機能も備わっているため、ドレンチューブを付けていなかったために室内が水浸しになってしまうといった心配も不要だ。

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