荷台からそのまま引き出せる!テールゲート下にテーブルを簡単にDIY【軽バン秘密基地計画#05】
アメリカで学んだこと
ところで、私は色々工作とかはするけど、今回のテーブルの写真を見てもわかる通り、決して上手くはなく、正確で綺麗な仕事をするわけでもない。しかし、テラスや物置小屋程度なら作ったこともあるし、できる限り家の修理なども自分でやっている。
現代の車は無理だけど、キャブレターだった頃の車やバイクなら多少はいじることもできる。以前VW TypeⅡに乗っていた時があったが、トラブルがあるのは半ば当たり前。
ある時、出先でクラッチペダルを踏んだらスコンとペダルが下がったままになってしまったことがあった。それが幸い駐車場を出てすぐだったので、JAFなどの助けは呼ばずに車は押して駐車場に戻し、人の車を借りてホームセンターへ直行。あり合わせの材料で切れたクラッチワイヤーを修理して無事に帰って来たことなどもあった。
オレって凄いだろ~と自慢話をしようというつもりなど全くない。むしろ言いたいことは逆で、特に器用でもない私のような者でも、やる気と工夫があればなんとかなることが多いってことだ。
若い頃にカリフォルニアに居たことがあったのだが、こういった姿勢は一般的なアメリカ人の生活から学んだ。日本ではなんでもすぐにプロに修理や工事を依頼するのが当たり前だが、アメリカでは自分で工事したり修理したりするのが何も特別なことでも珍しいことでもない。
ビンテージカーなどに関しても、日本では綺麗にレストアされた仕上げ済みの車が完成品として売られていたりするけど、アメリカでは一般的に自分でレストアするのが基本で、自分で出来ない部分をプロに依頼することはあっても、日本のようにショップで完成品が並べて売られているようなことは稀なようだ。
よく日本人は器用だと自画自賛し、アメリカ人は大雑把だの不器用だのと言うけど、アメリカ人の肩を持つわけではないが、それは自分達を買い被った大きな勘違いだと私は思う。
確かに日本の職人の技術レベルは非常に高いとは思うのだが、それはそれに特化した人と技術に関してのことであって、平均した日本人像を表しているわけではない。
日本の一般人に何ができるのかと言えば、基本的に釘の一本も打てない、打ったこともない、打とうともしない人の方が多いように思うのだが、それに対して、アメリカには釘一本打とうともしない人の方が少ないように思う。
上手い下手ではなく、やろうとするところが違う。そう考えれば平均的にはアメリカ人の方が日本人よりある意味余程器用とも考えられないだろうか。私は実際に必要なものは一点豪華主義的な技術より、実際に役立つことの方が肝心だと思う。そして、自分のためにやることだったら多少見場が悪くても全く結構。とにかく何もしないでいるより余程マシだと考える。
話が車から少し逸れてしまったが、最新の立派なキャンピングカーにも素直に憧れはあるし、全く否定するつもりなどないのだが、出来上がったキャンピングカーではなくて、私が自作することに興味を持つようになったのも、やはり昔カリフォルニアのバークレーの本屋で見つけた本が大きく影響している。
その本にはあまり綺麗な仕上がりとは言えないけど、味があって楽しそうで大胆な改造を施した車や、その工事の様子などの写真が並んでいた。
何度となく繰り返しページを捲り、本の色は色褪せてきたけど、何度見ても内容が色褪せることはない。今でも見ているだけでワクワクする。少し元気がないときとかに見ると心を癒してくれる、私にとっての宝物のような本だ。
今回作ったバモスのテーブルがこの車のテーブルと何となく似て見えるのは、潜在意識に残っていたからかもしれない。
プロしか手を出すこともできなくて、それが当たり前と思っている日本人が、これを見て「アメリカ人は不器用」などと言えるのだろうか?
まだまだ全然ここまでには達していないけど、「日本では法規上の問題があって難しい。」なんて言い訳などしてないで、いずれはこんな雰囲気の車か船に住むのが私の夢でもある。