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キャンピングカーのトイレ シャワールーム

後処理いらずのトイレ「ラップポン」をキャンピングカーに設置してみた!



車旅といえば、車中泊先でのトイレ事情をどうしても考えてしまいます。

施設によっては車中泊スポットからトイレが遠いところもあり、夜中に真っ暗な中トイレに行くのは大変ですよね。雨や雪が降る寒い季節は、外に出るのさえ億劫になります。

かといって、カセット式トイレやポータブルトイレは、長旅をするとどこかで処理をしないといけません。そうなると、処理設備がある施設に宿泊する必要があります。

実際、我が家のキャンピングカーにも、カセットトイレが設置されていましたが、旅の途中の処理を不便に感じていました。

そこで、家に帰るまで処理をしなくても良いトイレはないのかと探していたところ、後処理のいらない「ラップポン」というトイレを発見。

思い切ってトイレルームをプチリフォームしてラップポンを設置したところ、これが非常に楽ちん&優秀なトイレです!

使い勝手とリフォームの様子をあわせてご紹介いたしますので、ぜひ参考にしてください。

そもそもキャンピングカーのトイレとは?

カセット式のタンク

キャンピングカーのトイレには主に、持ち運びが可能な『ポータブルトイレ』と、キャンピングカーに常設されている『カセット式トイレ』の2種類があります。

どちらのタイプも、用を足した後に、汚物の分解消臭用の薬剤をタンクに入れて水で流す仕組みとなっており、薬剤と水で処理するため、比較的安価なのがメリットです。

輸入キャンピングカーの場合、カセット式トイレが標準装備されていることが多いですが、トイレレスのマルチルーム仕様が人気の国内のキャンピングカーでは、オプションで設置するパターンが多いです。

汚物をためるブラックタンクが満杯になると処理をする必要が出てくるのですが、国内では処理設備のある施設があまりなく、出先で処理に困ることもあります。

以前宿泊した鴨川のRVパークには、セットしてスイッチを押すだけで洗浄が完了する、ブラックタンクの自動洗浄機がありました。

しかし、こういった機器があるところは限られており、自宅のトイレで流す以外には、処理できる施設を地道に探し、自己処理をするのが一般的です。

ラップポンとは?

ラップポントイレ(トレッカーWT-4) 説明書

ラップポンとは、特殊な防臭抗菌のフィルムで、排泄物をその都度、自動でラップ(個包装)してくれるポータブルトイレのこと。

フィルムを熱圧着でしっかりと密封するので、臭いが外に漏れません。また水を使用することなく、後処理の手間も軽減されます。

フィルムは1ロールで50回分の処理が可能です。

また、特殊防臭フィルムにはポリエチレン素材を使用しているため、焼却しても有害なガスを発生しないとのこと。自宅に持ち帰ってからオムツとして処理しても全く問題ありません(お住まいの自治体によって異なるので要確認)。

RVパークなどの有料の施設でも、オムツも捨てて良いところなら、基本的にこのラッピング処理された汚物の袋も捨てられます(施設によって異なるので要確認)。

カセット式トイレなどと違い、処理場所の心配をせずに使用できるのはかなり助かりますよね。

ちなみに我が家が使っているラップポントイレ(トレッカーWT-4)のサイズは、幅:39cm, 高さ:40cm, 奥行き:46cmです。

ラップポンの動作と処理方法

ラップポンの動作と処理方法についてご説明します。

説明とはいっても、専用の凝固剤を入れ、用を足したら便座から立ち上がり、ラッピングのボタンを押すだけ。本当にこれだけです!

カウントダウン

スイッチを押すとカウントダウンが始まります(90秒から開始)。

ラップポントイレ

ラッピングが始まります。

ラップポントイレ 閉じる様子

穴が閉じるとフィルムが熱圧着され、排泄物が密封されます。

その後は、処理完了の音声案内をしばらく待つのみです。

本来は異物を入れて使用するのは厳禁です(今回は自己責任で実施しました)。

ラッピングされた袋

ラッピングされた袋は、20cmの円形状で厚さは3~4cmくらい(少し空気が入ります)。

思っていたよりコンパクトではないですか?

デニム袋

ちなみに、今回のデモ用に使ったのはデニムの袋です。この色ですが、袋からあまり透けていません。

熱によるラミネート

処理後の袋を見てみると、フィルムが熱によってしっかり溶着されています。

長期保存すると臭いや菌が漏れる場合もあるようなので、早めの処分に越したことはありませんが、極端な話、車内に袋を置いておくスペースがある限り、ラップポントイレは使用できます。

実際に、2週間ほど車内で保管していても、臭気は全く漏れていませんでした。

ラップポンの費用

ラップポンの本体

ラップポンを導入するための費用は、一般的に下記のとおりです。

・ラップポン本体(トレッカーWT-4):176,000円(税込)
・ラップポン専用消耗品Bタイプ50回分(フィルムロール+専用凝固剤(カタメルポリマー)+ウェットティッシュ):6,270円(税込)

カセットトイレをオプションで付ける場合の差額として考えると、そう高くないかと思います。しかし、カセットトイレが標準装備されている車であれば、プラスでこの金額が乗ってくるのは高いと感じるかもしれません。

前述した使い方とメリットを考慮した上で、判断して頂ければと思います。

ラップポンの設置

我が家のキャンピングカーには、シャワールームにカセット式トイレが標準装備されていました。

しかし、出先では必ず温泉に入るのでシャワーを使う機会がないですし、カセット式トイレはこの先使用する予定がないので、ここにラップポンを設置することに。

シャワールームの不要部材の撤去

シャワールーム 洗面台撤去

設置する場所は決まりましたが、いざ設置するとなると、一筋縄にはいきません。

まずは、十分なスペースを確保するために、シャワールームを広くする必要がありました。

そのため、洗面台は撤去することに決定。洗面台とスライドレールを撤去して、排水パイプにエンドキャップを施工しました。

これで、ラップポンに座れるだけのスペースが完成です。

ちなみに、排水パイプを撤去したら壁に大きな穴が開いたので、レンガ調の壁紙を貼り付けました。

撤去前は、洗面台とスライドレールが邪魔でしたが、撤去後はスペースに余裕ができました。

カセットトイレの上部には棚を設置

レンガ調の壁紙

カセット式トイレは今後使う予定がありません。何か有効活用できないと考えた末、トイレの上部に棚を設置しました。

写真に写っている手前の白い3段の棚は、ホームセンターで購入したもの。強力な両面テープとインシュロックタイを使って固定しています。

さらに壁際の洗浄スイッチ部分には、無印良品で購入したトレーを3個重ねて設置。

トイレ横のデッドスペースに、ラップポンで密封された汚物を入れる箱も設置しました。

ラップポンの電源

ラップポントイレの電源

次なる課題が、ラップポンの電源です。

シャワールームの天井には100Vコンセントが設置されていたので、そのコンセントからテーブルタップで電源を延長しました。

DC12Vシガーライター給電ケーブル

ちなみにラップポントイレは被災地向けに考案されたこともあって、12Vでも稼働します。

東日本大震災の経験から、万が一被災した時も一般車から給電することが可能なシガーライター給電ケーブルも準備しました。

また、どうしても電源が確保できない場合は、モバイルバッテリーで運転できます

いろいろな電源に対応していることも、ラップポンの優れた点でしょう。

ラップポン未使用時は荷物の重ね台に

キャンピングカーのスペースには限りがあるので、トイレのみのスペースとして使うだけでは少しもったいない感じがします。

ラップポン(トレッカーWT-4)は、蓋を閉め、その上に150kgまでの荷物を置いてもびくともしません

折り畳みテーブルの天板

ラップポンを使っていない時は、荷物置き場として活用できるように、ニトリの折り畳み式テーブル(1,190円)の天板を取り外したものを、蓋の上に置きました。

コースターをテーブル板に貼った様子

天板を置いただけでは動いてしまうため、天板の上にコルク(100均のコースター)を貼り、ズレを防止します。

テーブル板の上に重い荷物

これでデッドスペースとなるラップポン上部の空間を有効に使えます。

イレクターパイプを使用して足部分を固定

ちなみに、足部分はイレクターパイプを使用して固定しました。

まとめ

今回ラップポンを設置した理由は、「トイレを使ったら必ず後処理をしないといけない」という不便さを何とかしたかったからです。

カセット式トイレに慣れていて苦にならない方もいると思いますが、それでも後処理の面倒さは普段から感じているのではないでしょうか。

その点ラップポンは、後処理がスイッチ1つなのでとても簡単。臭気の心配もありません。マルチルームがある車種であれば、電源を確保して簡易固定するだけで、簡単に設置できます。

より車旅を快適に過ごすための設備として、ご自身の旅のスタイルと照らし合わせながら、導入を検討されてみてはいかがでしょうか。