【薬剤師が解説】車中泊先で慌てないお薬手帳とオンライン診療の活用方法

お薬手帳の具体的な活用例

いつも飲んでいる薬がなくなったときやお薬の飲み合わせを確認したいときなど、ここではお薬手帳の具体的な活用方法例について紹介します。

いつも飲んでいるお薬がなくなったとき

車中泊先で、ついうっかりいつも飲んでいるお薬を切らしてしまった経験はありませんか？

車中泊先でお薬を切らしたときは、保険証とお薬手帳を持って最寄りの病院を受診しましょう。

病院や薬局でお薬手帳を見せれば、簡単に自分の病気やお薬について伝えられます。

また、問診票を書くときに、いちいち普段使っているお薬の名前を書く手間が省けて一石二鳥ではないでしょうか。

お薬の飲み合わせをチェックしたいとき

調剤薬局でお薬をもらうときは、担当した薬剤師に必ず定期的に飲んでいるお薬についてお薬手帳を見せて、飲み合わせに問題がないか確認してもらいましょう。

お薬の飲み合わせが悪いと、お薬の効果が強く出過ぎたり、または弱めてしまったりすることがあるので注意が必要です。

ドラッグストアでお薬やサプリメントを購入する場合も同じです。

購入したお薬やサプリメントといつも飲んでいるお薬の飲み合わせが大丈夫か、薬剤師もしくは登録販売者にお薬手帳の内容を見せて相談してみましょう。

お薬と食べ物の組み合わせについても注意が必要。お薬を飲んだ後、食べ物や飲み物がお薬の効果を強めたり、弱めたりした結果、病気を悪化させてしまうこともあります。

調剤薬局でお薬をもらうときに担当した薬剤師に確認をしましょう。

電子版お薬手帳だともっと便利に

紙のお薬手帳だと無くしそうだから携帯したくないという方には、電子版お薬手帳(お薬手帳アプリ)をおすすめします。

電子版お薬手帳は、スマートフォンやタブレットなどの電子デバイスを使用して、自分のお薬の情報を管理するための便利なツールです。

従来の紙のお薬手帳と同様に、電子版お薬手帳も重要な医療情報をまとめて保管することが可能です。

以下は電子版お薬手帳の特徴や利点です。

● 携帯性と利便性: 電子版お薬手帳はスマートフォンやタブレットにデータが保存されるため、持ち運びが簡単で、いつでもどこでもアクセスできます。
● リアルタイムな更新: 電子版お薬手帳はリアルタイムで情報を更新できます。これにより、最新の医療情報を常に手に入れられます。
● 薬の飲み忘れ防止: アラートやリマインダー機能を活用して、薬の飲み忘れを防げます。
● 緊急時の情報提供: 電子版お薬手帳も紙の薬手帳と同様に緊急時に役立つ情報（アレルギーやお薬の副作用歴など）を入力できます。
● 診療情報の共有: 電子版お薬手帳は医療機関との情報共有に活用でき、診療の効率向上や連携を図ることができます

ただし、電子版お薬手帳を使用する際には、セキュリティに対する注意が必要です。

個人の医療情報は機密性が高く、適切なセキュリティ対策を講じることが大切です。

電子版お薬手帳に関する詳細な情報については、まずはかかりつけの調剤薬局に相談してみましょう。

車中泊先でも利用可能！オンライン診療について知ろう

高血圧や高脂血症など、長期にわたり続く慢性的な病気で症状が安定している方もいると思います。

そのような方が、車中泊先の近くの病院で自分の病気を一から説明するのは手間がかかりますし、いつも診てもらっている先生が変わることに不安を感じることもあるでしょう。

慢性的な病気で症状が安定している場合、車中泊先でもパソコンやスマートフォンがあれば、かかりつけの先生の診察をオンラインで受けることが可能です。

※詳細については以下を確認してください。
厚生労働省オンライン診療に関するページ

オンライン診療のメリットは、

● キャンピングカーや車中泊仕様車の室内で周囲を気にせずに診察を受けられる。
● 病院での待ち時間がないため、時間の節約になる。
● 病院内で風邪やインフルエンザなどに感染する心配がない。

ただし、全ての病気がオンラインで診察可能というわけではありません。

オンライン診療では血液検査やレントゲンなどの検査が難しいため、急激な体調の変化がある場合は、必ず近くの病院での診察が必要です。

まずはかかりつけの病院がオンライン診療に対応しているかどうかを確認しましょう。

また、滞在先のインターネット環境が問題ないか、オンライン診療に必要なアプリが何かを事前に確認することもおすすめです。

対面じゃなくても大丈夫！オンライン服薬指導について知ろう

オンライン診療で処方せんはもらったけれど、かかりつけの薬局や薬剤師を変えたくないと感じたことはありませんか？

車中泊先の近くの調剤薬局でお薬手帳を出して自分の症状やお薬について一から説明するのは手間がかかります。

そのような方には、オンライン服薬指導に対応している調剤薬局の利用をおすすめします。

※詳細については以下をご確認ください。（厚生労働省令和4年3月31日「調剤された薬剤の薬局からの配送などについて」 令和4年9月30日「オンライン服薬指導の実施要項」）

オンラインでお薬を受け取るメリットは、

● かかりつけ薬局を変更することなく、車中泊先で宅配便で薬が受け取れる。
● キャンピングカー内で周囲を気にせずに相談や質問ができる。
● 密にならないので感染予防につながる。
● クレジットカードでオンライン決済ができる。

まずは、かかりつけの薬局がオンライン服薬指導、薬の配送サービス、オンライン決済などを行っているか確認してみましょう。

また、滞在先のインターネット環境に問題がないか、オンライン服薬指導に必要なアプリについても把握しておくと便利ですね。

車中泊先で慌てないお薬手帳とオンライン診療の活用方法　まとめ

いかがだったでしょうか？

車中泊先で定期的に飲んでいるお薬が切れたり、急病になって新たにお薬をもらうことになったりしても、お薬手帳の活用方法について知っていれば、慌てることはないと思います。

紙でも電子版でも大事なことは、使っているすべてのお薬の内容を1冊のお薬手帳にまとめて、時系列で記録しておくことです。

かかっている病院、薬局ごとに別々にお薬手帳を作らないようにしましょう。