知識
【経験談】家庭用エアコン付きキャンピングカーなら真夏でもホントに快適?

年々厳しさを増す日本の夏。
「キャンピングカーでの旅行してみたいけれど、車内は本当に涼しく過ごせるの?」「家族や愛犬と一緒に安心して車中泊できるの?」 と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
近年は、家庭用エアコン付きのキャンピングカーも増えてきました。
私自身も、家庭用エアコンと高い断熱性を備えたトイファクトリーのキャンピングカー「アルコーバ」で、夫婦・大型犬とともに四季を通じて2年間、車中泊旅を続けています。
その中で実感したのは、家庭用エアコンは強力な暑さ対策になりますが、万能ではないこと。
しかし、正しい暑さ対策・装備の工夫・居場所選びを心がければ、真夏の車中泊でもストレスなく快適に過ごせるのです。
この記事では、 「アルコーバ」に限らず、家庭用エアコン付きのキャンピングカーに興味がある初心者〜中級者の方、ファミリーやペット連れユーザーに向けて、私が実際に行っている暑さ・虫対策と、愛犬も快適に過ごせる工夫をまとめてご紹介します。
アルコーバの暑さ対策設備

わが家の「アルコーバ」は、トイファクトリー社が製造するハイエースベースのキャンピングカーです。
居住性を重視した断熱構造や家庭用設備を採用した充実の快適装備が大きな魅力で、ファミリーやペット連れのキャンパーにも高い人気を誇っています。
家庭用エアコン

アルコーバには家庭用エアコンが搭載されています。
室内全体をパワフルに冷やせるため、真夏の車内でも大切なペットや家族も安心して涼しく過ごせます。
高断熱仕様ボディ
壁・床・天井には高性能断熱材が施され、フロント・サイド・リア各所の窓も二重窓や断熱フィルムで強化されています。
これにより、車内への熱の侵入を最小限に抑え、断熱効率を向上させています。
Maxファン(天井換気扇)

強力な換気機能を備えたMaxファンを天井に装備。
室内の空気を強制的に屋外へ排出し、調理時や熱のこもりやすい天井付近の熱気を効率よく入れ替えます。
冷房・換気設備を動かす電源システム
サブバッテリー

エアコンやMaxファンは、車両に搭載されたサブバッテリー(リチウムイオン含む)から給電可能です。
容量にもよりますが、エアコン単独での稼働時間は4〜6時間程度(家庭用エアコン・室温・機種により変動)。
一晩連続で運転する場合や猛暑日の昼間は、電力消費に十分注意が必要です。
外部電源(100Vコンセント)

RVパークや一部の道の駅、高規格キャンプ場では外部電源が利用可能です。
外部電源を接続すれば、サブバッテリー残量を気にせず、エアコンや冷蔵庫、換気扇などを長時間フル活用できます。
走行充電・ソーラーシステム
エンジン走行時の走行充電と屋根上のソーラーパネルにより、サブバッテリーを効率よく補充可能。
夏の強い日差しを有効活用することで電力不足を補え、長時間の車中泊も安心です。
※なお、わが家のアルコーバにはソーラーパネルは装備されていません。
夏に活躍する標準・オプション装備
網戸

サイドやリアのエアロウィンドウ&アクリル断熱二重窓には専用網戸を装備。
通気性を確保しながら虫の侵入を防ぎ、快適性を両立します。
サイドバイザー

雨天時でも少し窓を開けて換気ができる便利アイテム。
スタイリッシュなドレスアップアイテムです。
わが家の車中泊スタイル
わが家では月1回程度のペースでキャンピングカー旅を楽しんでいます。
利用する場所は、全国のサービスエリアや道の駅が中心です。
道の駅やサービスエリア

全国各地の道の駅や高速道路のサービスエリア、パーキングエリアをよく利用します。
アクセスのしやすさ、駐車場の広さ、トイレや売店を24時間利用できる便利さが魅力です。
夏場によく選ぶ場所

夏の酷暑シーズンは、標高の高い高原エリアや湖畔、山間部の涼しい道の駅、木陰の多い無料駐車場を中心に計画します。
また、日中の気温が下がる夕方から夜にかけて出発し、暑さを避ける工夫もしています。
愛犬が車内で留守番する時には

外食や入浴時、また雨で外に出られない場合など、愛犬が車内で留守番することがあります。
その際は冷房・換気設備を適切に調整し、用事は短時間で済ませることを徹底し、安全に配慮しています。
家庭用エアコンは万能ではない?
愛犬の留守番時や、外気温が高く室温が上がりやすい日中は必須アイテムと言えます。
アルコーバのサブバッテリーを使用すれば、おおよそ連続6時間程度は稼働が可能ですが、バッテリー残量や外気温、冷房設定によって稼働時間は前後します。
そのため、少し工夫する必要があります。
アルコーバの広さと適正冷房アイテム
アルコーバはハイエースベースのワイドボディで、室内容積は一般的な8畳程度に近い広さ。
家庭用エアコンとしては適正サイズですが、天井や壁からの熱伝導はゼロではないため、Maxファン・サーキュレーター・遮熱シェードなどを併用すると効果的です。
サブバッテリー・外部電源の賢い利用

日中はエアコンを積極的に稼働させて涼しさを確保し、夜間は使用時間を絞ってサブバッテリーの消耗を管理します。
また、外部電源が利用できるRVパークや一部の道の駅では、長時間稼働が可能。
猛暑日や長時間滞在時に重宝します。
エアコンを使わずに車内温度を下げる方法とコツ
家庭用エアコンに頼らず、サブバッテリーの消耗を抑えながら車内を涼しく保つためには、いくつかの工夫と道具の活用が欠かせません。
ここでは、わが家で実際に行っている効果的な方法と、その使い方のコツをご紹介します。
遮光・断熱シェード(フロント・サイドガラス重視)

直射日光は車内温度を大きく上昇させます。
とくに、フロント・サイドガラスに遮光・断熱シェードを装着することで、到着直後から日差しを遮り、体感温度を大きく変えることができます。
折りたたみ式や吸盤固定式が便利です。
サイドバイザー&窓開け換気

雨の日でもサイドバイザーがあれば窓を少し開けて換気が可能です。
わずかな隙間でも、熱気や湿気を逃がせます。
Maxファンで排熱・空気循環
天井付近にたまりやすい熱気を排出し、風向きを調整して排熱と外気の取り込みをバランスよく行います。
サーキュレーターの活用

冷気を効率よく循環させ、車内の温度ムラを解消します。
とくに就寝スペースに風を届けられる小型・携帯型タイプが便利です。
木陰や建物の影を活用
駐車時はできるだけ日陰を選び、直射日光を避けることで車内温度の上昇を抑えます。
遮断と通気の両立
遮熱シェードで日差しを遮りつつ、Maxファンや窓開けて空気を流すことで、熱気のこもりを防ぎます。
これらの方法を組み合わせれば、エアコンの使用を最小限に抑えつつ、愛犬や家族と安心して夏の車中泊を楽しむことができます。
就寝時の暑さ・虫対策
夏の車中泊でとくに重要なのが、夜間の暑さ管理と虫対策です。
快適な睡眠環境を確保できれば、翌日の活動も元気に楽しめます。
ここでは、わが家が実践している具体的な対策とおすすめアイテムを紹介します。
網戸で虫よけ&通風マグネット式網戸
マグネット式網戸は着脱が簡単で誰でも扱いやすいのが特徴です。
小さな蚊や虫も防げる目の細かいものを選ぶのがポイント。
虫が寄りつきにくい特殊加工が施された製品もあります。
網戸を装着すれば、窓を開けたままでも安全に換気ができ、涼しい空気を取り込みながら虫の侵入を防げます。
※愛犬が出入りする際は、引っかけて破れないよう注意が必要です。
家庭用エアコン&サーキュレーターの活用

留守番中や就寝中の熱中症予防を優先し、必要に応じて使用するのが基本です。
サーキュレーターはエアコンの冷気を車内全体に循環させ、湿度ムラを防ぎます。
風向きを調整して、冷気を広げるのがコツです。
USB電源で補助的に稼働させれば、バッテリー消費を抑えつつ換気や空気循環が可能です。
冷却ジェルマット・アイス枕など寝具の工夫

クールジェルマットや接触冷感素材の寝具は、体表面の熱を効率的に逃がし、快適な睡眠をサポートします。
ペット用サイズや軽量タイプもあり、持ち運びやお手入れも簡単です。
氷や保冷剤を活用したアイス枕を組み合わせると、寝苦しい夜も快適に。
通気性が良く、熱がこもりにくい寝具を選ぶことで、より効果的にクールダウンできます。
これらの対策を組み合わせることで、夏の夜も涼しく快適に過ごせ、虫の心配も軽減できます。
とくにペット連れの方は、安全性と快適性を両立させるために、網戸や寝具の工夫が欠かせません。
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車内調理での室温上昇を下げる工夫
夏のキャンピングカーで快適に過ごすためには、調理時に発生する熱や蒸気をできるだけ抑えることが大切です。
室温の上昇は冷房効率を下げ、暑さ対策の負担を増やしてしまいます。
夏はなるべく屋外で調理する
バーベキューグリルや携帯コンロを使い、できるだけ外で調理するのがおすすめです。
風通しが良く、調理中の熱気や煙もこもらず、車内温度の上昇を大幅に防ぎます。
IHヒーターや外部電源を活用する

車内調理が必要な場合は、発熱が比較的少ないIHクッキングヒーターがおすすめ。
火を使わないため安全性が高く、ガスコンロに比べ発熱を抑えられます。
また、外部電源が利用できるRVパークや一部の道の駅を活用すれば、電力を気にせず安心して調理ができます。
蒸気・熱の発生を抑える
調理時は鍋にふたをして加熱効率を高め、室内への熱放出を減らします。
さらに換気やMAXファンで熱や蒸気を素早く排出し、網戸を併用すれば虫の侵入も防げます。
夏の車中泊場所の選び方
夏のキャンピングカー旅を快適に過ごすためには、車中泊スポットの選び方がとても重要です。
気温や環境、施設の充実度などを考慮して、涼しく安全に過ごせる場所を選びましょう。
涼しく過ごせるスポット例
道の駅美ヶ原高原(長野県)
標高2,000m超の日本一高い位置にある道の駅。
夏でも涼しい快適な環境で、雄大な景観と爽やかな空気が魅力です。
榛名湖周辺(群馬県)
湖畔の涼風が心地よく、周辺に駐車場も充実。
湖や森の散策も楽しめます。
日光霧降高原・大笹牧場(栃木県)
入場無料・駐車場無料。
ペット可のオートキャンプ場や温泉施設もあり、高原の自然を楽しめ、ペット連れにも配慮された施設が多いです。
愛犬のための暑さ・虫対策
夏の車中泊では、愛犬の暑さ対策と虫対策がとても重要です。
安全で快適に過ごせるよう、わが家で実践している具体的な方法をまとめました。
サーキュレーター&MAXファンで空気循環
車内に熱がこもらないよう、小型サーキュレーターやMAXファンを使って空気を循環。
冷房効率を高め、熱中症のリスクを軽減できます。
とくに就寝時や留守番時には、空気の流れを保つことが大切です。
冷却マット・ひんやりベッドの活用
愛犬用の冷却ジェルマットや接触冷感素材のベッドは、体温上昇を抑えるのに効果的です。
ベッドスペースに設置することで、より快適な居場所をつくれます。
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給水・散歩時間の工夫

常に新鮮な水を用意し、こまめに水分補給を促します。
外遊びや散歩は、早朝や夕方に行い、真昼の高温時間帯は避けるのが基本です。
網戸・虫よけグッズ

サイドのエアロウィンドウにはスライド式の網戸を装着し、換気をしながら虫の侵入を防ぎます。
愛犬にはアロマオイルを使った手作りの虫よけスプレーや、虫よけ&クール加工のドッグウェアを着用させています。
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蚊取り器・環境整備・駐車ポイントでの注意点
家庭用のワンプッシュ式忌避剤やスプレー式殺虫剤を適宜使用し、虫を寄せ付けない環境を作ります。
草むらや水たまり近くには駐車しない、定期的な車内清掃するといった工夫で、虫の発生を予防します。
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実体験からのまとめとアドバイス
わが家の夏の車中泊では、外気温が35℃を超える日でも、適切な装備と工夫によって車内温度を約25〜27℃に保つことができました。
愛犬も安心して過ごせ、とくに「家庭用エアコン+MAXファン+遮光シェード」の組み合わせが効果的。
ただし、サブバッテリーの容量には限りがあるため、エアコンの連続使用時間には注意が必要です。
また、避暑スポット選びも大切で、標高の高い場所や湖畔の道の駅を組み合わせて旅のルートを計画することが快適さに繋がります。
夏の車中泊3つのポイント
これから夏のキャンピングカー旅を計画しているファミリーやペット連れの方には、次の3つを強くおすすめします。
・エアコンだけに頼らない工夫
遮光シェードやMaxファン、サーキュレーターを活用して電力をやりくりし快適に過ごす。
・涼しい場所を選ぶルート計画
標高の高い高原や湖畔、日陰の多いスポットを組み合わせて、無理のないスケジュールを立てる。
・愛犬の体調管理を最優先にする
水分補給・冷却アイテム・散歩時間の調整で、ペットも安心して過ごせる環境を整える。
これらを意識することで、安心・安全で快適な夏の車中泊が楽しめます。