「“ぜんぶ雪のせい”では済まされない」間一髪で助かった、雪道での思いがけないヒヤリハット
雪道においては車の挙動が乱れやすくなることはもちろんですが、自転車や歩行者など、道路上のさまざまな交通主体が「いつもと違う動き」をするものです。そのため運転している最中に、思いがけない「ヒヤリハット」に出くわす可能性も考えられます。
今回はドライバーの方々に、「雪道で起きた事故やトラブル」について話を聞きました。
カーブで車線を大きくはみ出してくる対向車
雪道を走行する際には、スタッドレスタイヤやチェーンによる対策が大前提です。
もちろん、そうした備えをしていても、雪道では制動距離が長くなり、カーブでも思ったとおりの方向に曲がれないことがあります。
とくに傾斜のあるカーブが連続する山道などでは、車が「あらぬ方向」に進んでしまう危険性も高まるでしょう。
「スキー場に向かう途中の山道で、下ってきた車が対向車線をはみ出してきて、ミラー同士がぶつかりました。こちらは上りの右カーブを進んでいて、曲がってきた対向車が思いきり膨らんできたので避けようとしましたが、ギリギリで間に合わずに『バコッ』と……。
最悪なのは、その車が止まることなくその場を立ち去ってしまったことです。結構大きな音がしたので、気づかないはずはないと思うんですが……。
結局、友達を乗せていましたし、もともと古い車で傷もあまり目立たない感じだったので、仕方なくこちらも目的地に向かいました。雪も結構降っていたので、警察が来るまで待つのも負担になりそうだなと……」(40代男性)
雪道ではスリップが起きやすいことはもちろんですが、「スリップした車を回避する側」も普段どおりの動きをすることが難しく、「安全運転をしているのに被害を受ける」というケースも多くなると考えられます。
なお、事故があった場合には、必ず警察に通報しましょう。
軽い接触であっても、またこちらに過失がないと思われる場合にも、交通事故の際には警察への届け出がドライバーの義務とされています。
やむを得ない事情によりその場で連絡ができない場合には、後から事故現場のエリアを管轄する警察署に出向くなどして届け出ることも可能です。
ただし、時間が経つにつれ事故状況を把握することが難しくなるケースもあるため、なるべく早い段階での届け出が求められます。
死角から突然現れたスリップ自転車
積雪の際には車の事故だけではなく、歩行者の転倒事故なども頻発します。
車両と歩行者の通行帯が曖昧になりやすい住宅街などではとくに、周囲の動きに注意を向ける必要がありそうです。
「あまり雪が降らない地域に住んでいますが、数年前にかなり雪が積もり、しばらく残っていたことがありました。雪が降った翌日、あらかた道路の除雪は済んでいるようだったので、通勤のため車に乗り出発したんです。もちろん、スタッドレスは履いていました。
住宅街を抜けている最中、信号のない交差点にさしかかり、こちらが優先側ではありましたが少し速度を落としたんです。すると、一時停止側の道路を映すカーブミラーに自転車に乗った高校生が映ったので、一応少し様子を見ようと徐行して。
その瞬間、自転車がツルンと滑り、高校生がこちらの道路に飛び出すような形で転んできたんです。普通に進んでいたら、かなりの確率でぶつかっていたと思います。高校生に怪我はなかったようで、そのまま慌てて自転車に跨がり去って行きました。本当に、雪道は想定外のことが起きるなと実感しました」(50代男性)
雪道を運転する際は、自分の車のスリップ対策はもちろんですが、近くにいる交通主体から十分に距離を取り、想定外の動きに対応できるよう意識しておきたいところです。
もちろん運転を控えられるのであれば、そうするに越したことはないでしょう。
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