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「助手席なんだから…」は日本独自の“押し付けマナー”?海外の車には「助手席」がない?助手席の本当の役割とは

座席

運転席の隣にある「助手席」


助手席 由来 運転手のサポート

車のドライバーが座る席は「運転席」と呼ばれていますが、それ以外の同乗者が座る席は前列、つまり運転席の横にあれば「助手席」、2列目以降にあれば「後席」や「後部座席」と呼ばれます。

後席に座った場合は特にドライバーのためにすることはありませんが、「助手席」に座った場合は、ドライバーの「助手」となって運転をサポートすることが、助手席に座る人の役割であるという認識が一般的には広まっています

後席からドライバーのサポートをすることは一般的ではなく、シートベルトを着用していなければならないため、実際にそれをしようとしても手が届かないなどの理由からサポートできないことがほとんど。

運転席の隣である助手席であればダッシュボードなどに手が届くため、ドライバーのサポートする座席位置としては最適であると言えるでしょう。

英語で「助手席」はなんという?


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乗用車のほとんどは「運転席」と「助手席」、そして2シーター車でもない限りは「後席」も備えており、これは日本の車に限らず海外の車も同様です。

しかし、英語で運転席は「ドライバーズシート(driver’s seat)」と呼ばれますが、それ以外の席は基本的にはすべて「パッセンジャーシート(passenger seat)」と呼ばれています

一応、区別するために助手席を「フロントシート(front seat)」、後席を「バックシート(back seat)」と呼ぶこともありますが、あくまでも座席の位置を示すものであり、「運転席」のような役割を示してはいません。

モータースポーツのラリー競技ではドライバーの隣に座るナビゲーターの席として「ナビゲーターズシート(navigator’s seat)」と呼ばれますが、これはモータースポーツ用語になるため、日本語の「助手席」とは少し異なった使い方となります。

日本語では「助手」という言葉が入るためにドライバーのサポートをしなければならないように思えますが、英語ではあくまでも「ドライバー以外の人が座る前席」という意味に留まっているため、席の位置による役割を「助手席」ほど意識する必要がないようです。

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もともとは日本のタクシー業界用語


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「助手席」という言葉は、もともとは乗用車の座席位置を示す言葉ではありませんでした。

その由来は大正時代にタクシー業界で使われていたものだとされており、当時の国内を走っていた車は輸入車しかなく、日本人にとっては大きいことや衣服は着物が主流だったため、乗客の乗り降りをサポートする「助手」がいました

この助手が座る運転席の隣の席が「助手席」と呼ばれていたことが言葉の由来となっているようです。

つまり、本来の「助手席」はドライバーではなく後ろに座る乗客のサポートが役割だったと言えます。

それが時代を経て現在の意味に変わっていったのでしょう。

助手席に座ったらドライバーのサポートをしなければならない?


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©metamorworks /stock.adobe.com



「助手席に座ってるんだからサポートして」という言葉を、ドライバーから言われたり、助手席に座る人に言ったことがあるという人は少なくないでしょう。

しかし、ここまでに記述したとおり、「助手席」という言葉は日本独自で生まれたものであり、また本来はドライバーではなく乗客のサポートをする助手が座る席という意味だったことから、「助手席に座ったらドライバーをサポートしなければならない」ということではないと言えるでしょう。

とは言え、実際には、助手席に座る人がナビやエアコンの操作、周辺の情報等を伝えるなどによってドライバーをサポートしてくれると運転にも余裕が生まれるためありがたいもの。

「助手席に座った人はドライバーをサポートして当然」と役割を押し付けるのではなく、あくまでもサポートは善意であり、サポートしてくれたら感謝をする気持ちを持つことが大切です。

ライター:MOBY編集部
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