「過走行車=燃費が悪い」の方程式は成り立つ?ディーラー整備担当者の回答は
「車は過走行になると燃費が悪くなる」という話を聞いたことはありませんか?
たしかに車は非常に多くの部品で構成されているため、経年劣化によって本来の性能が発揮できず、燃費性能が低下していくこともあるように思えます。
過走行車は燃費が悪くなるという噂は本当なのでしょうか?
過走行車は燃費が悪くなるのか
筆者がお世話になっているディーラーの整備担当者は、「過走行車=燃費が悪いと言われるのは、部品などが劣化していることが多いからだと思います。
過走行の状態であっても、しっかりとメンテナンスや修理を行えば、極端に燃費が悪化するということは考えにくいです。特に最近の車であれば、しっかりと定期点検を受けていれば問題ないでしょう。」と話しています。
中古車市場では走行距離が10万kmを超えると過走行車として扱われることが多いようですが、走行距離が多ければ必ず車の調子が悪くなるということではありません。
しっかりとメンテナンスが行われていれば、むしろ低走行車よりも調子が良いこともあります。
燃費に関していえば、車の部品は徐々に劣化するため、新車時よりは多少なりとも悪化するかもしれませんが、それも微々たるもの。
メンテナンスさえ怠らなければ、明らかな燃費性能の低下はほとんど起こらないようです。
燃費が悪化した際に考えられる原因は?
過走行車の燃費が明らかに悪化している場合、部品が劣化している可能性が高いです。代表的な燃費悪化の原因について、前出の担当者は次の4つを挙げています。
ブレーキの引きずり
ブレーキの引きずりとは、簡単にいえば常にブレーキがかかってしまっている状態のこと。ブレーキパッドやブレーキキャリパーの不具合によって引きずりが起こることが多く、燃費の悪化や消耗品の早期摩耗が発生します。
O2センサーの故障
O2センサーとは、排気ガスに含まれるO2(酸素)の濃度を検知するセンサーです。O2センサーが測定したデータを元に燃料の噴射量が調整されるわけですが、この部分が故障すると必要以上の燃料を噴射してしまい、燃費が悪化することがあります。
エンジンオイルの劣化
エンジンオイルは「潤滑」「洗浄」「冷却」「密閉」「防錆」といった役割を担っています。劣化してしまうと本来の性能を発揮できず、燃費に影響を与えることがあります。
タイヤの空気圧の低下
担当者によれば、タイヤの空気圧は意外と見落としがちとのこと。空気圧が低下すると抵抗が大きくなるため、より多くのパワーが必要となり燃費が悪化します。
メンテナンスを怠らなければ問題ない
燃費はシチュエーションや走り方によっても変わりますが、しっかりとメンテナンスが行われていれば、過走行であっても極端に燃費性能が低下することはないといえそうです。
逆に明らかな燃費の悪化が見られるようであれば、どこかの部品が劣化あるいは故障しているというサインかもしれません。
前述の4つ以外にも、バッテリーやスパークプラグの劣化など、さまざまな原因が考えられます。
また、走り方も燃費に大きな影響を与えます。
新車時には丁寧に乗っていた車も、年数が経ち、走行距離が伸びるにつれて走り方が雑になっていくこともあるかもしれません。
徐々に急発進や急加速が増え、燃費の悪化につながっている可能性がありますので、運転の仕方や車の使い方も見直してみてください。
部品の劣化や消耗を放置していれば、燃費の悪化のみならず、大きなトラブルにつながってしまう恐れもあります。
過走行車に限った話ではありませんが、運転時に違和感を感じた際は、すぐに点検・修理することをおすすめします。
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ライター:成田 佑真