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車を盗難されたら?盗難の手口や警察が動かないときはどうすればいい?



車の盗難被害の現状


本章では、車の盗難被害がどう移り変わっているのか解説します。参考元は、警察庁が毎年発表している「犯罪統計資料」の数値や、一般社団法人日本損害保険協会が公表している「自動車盗難事故実態調査結果」です。

車の盗難の被害数
車の盗難被害に遭いやすい車
車の盗難で見つかる確率は?



車の盗難の被害数


警察庁の「犯罪統計資料」によると、ピーク時の2003年と2019年~2022年の自動車盗難の認知件数は以下の通りです。



2019年から2020年の1年間では約1,900件の減少。これは、2020年ごろから続く新型コロナウイルス(COVID-19)の流行が少なからず影響しています。

他にも、2003年のピーク時から2022年には約1割以下にまで減少していることも注目すべきポイントです。

また、同調査によると2022年の自動車盗難事件の検挙率は45.6%であり、約半数が検挙されています。

車の盗難被害に遭いやすい車


警察庁の「犯罪統計資料」や一般社団法人日本損害保険協会の「自動車盗難事故実態調査」では、車名別の盗難台数の状況が公表されています。

車名別の盗難台数から分かる盗難被害に遭いやすい車の特徴は以下の通りです。

高値で取引される車
中古車市場で需要のある車
高級車で目立つ車


高値で取引される車
高値で取引される車は、盗難犯にとっても魅力的です。盗難する車が高値で取引される車である場合、売却することで高い利益を得られるためです。

高値で取引される車の例としては、日産のスカイラインGT-RやマツダのRX-7などの国産スポーツカーなどがあります。

高値で取引される車は部品だけの需要も高いため、解体されて中古部品として海外に不正に輸出されているものもあります。

中古車市場で需要のある車
中古車市場で需要のある車も、盗難被害に遭いやすい車の特徴の一つです。中古車市場で需要のある車の特徴として、中古車としても人気が高く、流通量が多いなどが挙げられます。

たとえば、アルファードはリセールバリューが高い車として知られており、中古車としても人気です。「第24回自動車盗難事故実態調査結果」によるとアルファードの盗難は、2022年の1年間で184件と3番目に多くなっています。

中古車市場で需要のある車は盗難後、売却されてしまうことで暴力団や犯罪組織の資金源となっている場合があります。

高級車で目立つ車
大型SUVや高級車はその高級感、存在感から盗難犯の標的になりやすいです。

たとえば、警察庁のデータによるとトヨタ・ランドクルーザーとトヨタ・レクサスLXは、2022年には合計で1,000台以上が盗難されています。

また、警察庁のデータからトヨタ・レクサスLXに至っては、1000台当たり52.7台も盗難されています。

※1000台当たりとは、車名別盗難台数344台(2022年)を一般財団法人自動車検査登録協会統計2022年3月末の保有車両台数で割って、1000で掛けた数字です。

海外でも人気のある日本の高級車や高級SUV。解体されて海外に不正に輸出された後、組み立てられて販売されます。

参考:自動車盗難等の発生状況等について|警察庁

車の盗難で見つかる確率は?


盗難にあった車の発見確率は4台に1台、およそ25%程度とされます。

25%程度である根拠は、日本損害保険協会による「自動車盗難事故実態調査」では、2020年度(第22回)のリサーチ結果です。

同調査結果によると、車両本体の盗難により保険金が支払われたケースは158件にのぼったと公表されています。

158件の内訳をチェックすると、車両が見つからなかったのは120件、車両が発見されたのは38件です。

これらの数値から考えると、4台に3台は盗まれたら手元に帰ってこないかもしれないと肝に銘じるべきかもしれません。

車を盗難する手口は?


 車盗難 手口

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車を盗難する方法は3つに分類されます。

直接車両へ侵入し危害を加えるものから、車に備わっている機能をあえて犯罪の方向へ利用して盗難に繋げる方法も取り入れられているため、車の所有者は注意しなければなりません。

車内へ直接侵入して盗む


1つ目の盗難手段が「車内へ直接侵入する」方法です。

コンビニエンスストアなどお店の駐車場に停めていたり、路上駐車をしていたりする車で、エンジンをかけっぱなしにしている、あるいは施錠がされていない車がターゲットとなります。

所有者もしくは使用者が車両から離れたタイミングでそのまま接近し、車内へ侵入して持ち逃げするのが基本となりますが、手口はそれだけにとどまりません。

施錠がされていても窓ガラスや鍵を破壊したり、あるいは窓の隙間から針金などを利用してロックを解除したりするなど、荒業を使って車内に侵入するケースもあるようです。

イモビカッターを使用して盗む


2つ目の盗難手段が「イモビカッターを使用する」方法です。

イモビカッターとは、車のイモビライザー(自動車盗難防止システム)の機能を無効にする装置。元々は自動車整備業や合鍵を作製する際に使用していた道具でしたが、車を盗難するために悪用されることが増えています。

イモビライザーのID識別をリセットさせるべく「イモビカッター」を使用して、エンジンをかけられるようにしてしまう方法も存在するそうです。本来、盗難防止で使用しているはずのイモビライザーが、かえって愛車を危険に晒しているかもしれません。

リレーアタックで盗む


3つ目の盗難手段が「リレーアタック」を利用した方法です。

近年の新型車に欠かせない装備となっている「スマートキー」を巧妙に利用しています。スマートキーが発する微弱な電波を犯人は増幅させる装置を使い、駐車スペースに止まっている車の鍵を開錠するというもの。

スマートキーの微弱な電波を犯人側は中継役と盗難役に分けてタスキリレーを行う流れとなっており、組織的な窃盗方法としても用いられています。

 車盗難

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もし、愛車など乗っている車が盗難被害にあったら、所有者および使用者はどう対処したらよいでしょうか。

車が盗難されたらすぐに取り組むべき2つの手順と、1つの事例をピックアップしてみました。

まずは警察署や交番に届け出る


自宅の駐車場や外出先で車両の盗難に遭ってしまったら、直ちに最寄りの警察署もしくは交番へ連絡したり、直接向かったりするのをおすすめします。警察にて警察官の指示に従い、盗難届を提出する流れです。

盗難届を提出すれば犯人の捜索から逮捕に繋げるきっかけとなるほか、万が一盗難に遭った車が悪用された際、所有者や使用者に容疑がかけられる可能性もあるため、二次被害を避けるのにも役立ちます。

ただし、盗難届を提出する際は、車検証に明記されている情報を記入しなければなりません。あらかじめ、車検証のコピーをとり、自宅で保管するとよいかもしれません。

運輸支局で手続きを行う


警察での対応が終わったら、引き続き運輸支局で車両の登録抹消を行いましょう。登録抹消を済ませないと、万が一盗難に遭った車が見つからなかったとしても自動車税が課せられ続けられるケースがあるからです。

普通車であれば運輸支局、軽自動車であれば「軽自動車検査協会」へ出向き手続きを行います。

登録抹消は2種類に分かれており、「永久抹消」および「一時抹消」のどちらかを選ぶ流れです。盗難された車が見つかっても再び使用しないなら永久抹消、見つかって再び使用するケースでは一時抹消で申し込むとよいでしょう。

一時抹消で申請したのち、見つからないままの状態であれば永久抹消へ切り替える方法も存在するため、状況に応じた申請を進めるとよさそうです。

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